写真:野水 綾乃
地図を見る福島県の南西部、栃木と県境を接する南会津町は、高山植物の宝庫である尾瀬国立公園の田代山や駒止湿原があり、四季折々に変化する大自然に囲まれています。木賊温泉、湯ノ花温泉など、知る人ぞ知る秘湯が多いエリアでもあります。小豆温泉「花木の宿」はそんな南会津町のいちばん奥。檜枝岐村に近い山あいの渓谷沿いにたたずむ一軒宿です。
山奥の秘湯というと、ひなびた建物を想像しますが、花木の宿は全体的にとても洗練された雰囲気が漂います。オープンから20年を経過していますが、建物はどこも美しく、特産の木材を随所に活かしたすがすがしい空間になっています。
写真:野水 綾乃
地図を見る「花木の宿」の客室は、母屋に和室と和洋室が20室あるほかに、5棟のみの離れがあります。離れの宿泊料金は2名1室の利用で平日ひとり1万8510円〜。3名、4名で泊まるとさらに安くなります。コスパの良さから、離れから先に予約が埋まっていくそう。
完全別棟の離れは、南会津伝統の曲家(まがりや)と呼ばれる古民家をモチーフにしています。本館からは屋外に続く渡り廊下を歩いてたどり着きます。
写真:野水 綾乃
地図を見る離れの客室の内部をご紹介しましょう。写真がメインの10畳和室になります。天井は限りが見えないほど高く、古民家風の太い梁が張り巡らされています。
窓からは裏山の緑が迫ります。シカなどの野生動物が部屋の近くまで遊びに来ることもあるそう。それだけ自然が豊かで、本当に静かな時間が過ごせます。
写真:野水 綾乃
地図を見る離れにはもうひと部屋、6畳の囲炉裏の間があります。曲り家をイメージした離れらしい、懐かしさを誘うたたずまいです。
写真:野水 綾乃
地図を見る離れには源泉かけ流しの露天風呂が付いています。裏山の自然と一体になったような気分になる造り。屋根がないので、見上げれば空が広がります。夜、静かな山里の秘湯でひとり、星空を眺めながら入るのも最高です。冬は2メートルを超える雪が積もり、雪のかまくらに包まれたような心地で湯浴みが楽しめます。
温泉は24時間流れっぱなしなので、浴槽の湯はいつも新鮮。少し熱めなので、適度に加水してから入ります。泉質は単純温泉。ほんのり漂う硫黄の香りが温泉気分を盛り上げてくれます。
写真:野水 綾乃
地図を見るもちろん、母屋にある温泉大浴場「花木の湯」にも入れます。大浴場には木の湯、石の湯の2種類があり、それぞれに露天風呂が付いています。写真は石の湯の露天風呂。午前0時に男女が入れ替わるので、宿泊すると趣の違う2つのお風呂の両方が楽しめます。
大浴場の露天風呂は、眼下に印南川の渓谷があり、川音が絶えず響きます。ひとりで独占できる離れの露天風呂もいいですが、ゆったり足を伸ばせる大浴場のお風呂も気持ちがいいもの。
ちなみに「花木の湯」の入浴は午前0時〜5時30分までクローズ。離れの客室露天風呂は24時間いつでも入れます。時間を気にせず好きなだけ温泉を楽しめるのも離れの特権です。
写真:野水 綾乃
地図を見る食事は母屋の食事処でいただきます。福島牛のしゃぶしゃぶをはじめ、食材は南会津の山里の幸が中心です。油炒めのウド、香りがよく大ぶりな焼き魚のイワナなど、南会津産の食材もふんだんに使われています。シメには南会津産コシヒカリのごはんが登場。量もほどよく、おもてなしの心が感じられる料理です。
一軒宿の秘湯はアクセスが少し心配ですが、最寄りの野岩鉄道会津高原尾瀬口駅までは東武鉄道浅草駅から約3時間。時間帯によっては乗り換えなしで辿り着けるほど便利です。
会津高原尾瀬口駅からは宿の送迎も要予約で利用できます。ただし、12時30分〜13時到着の電車に時間帯が限られています。または、会津高原駅でレンタカーが予約できますので、車で観光しながら向かうのもいいのでは。
立ち寄りスポットとしては、会津高原尾瀬口駅から宿に向かう途中にある「前沢曲家集落」がおすすめです。花木の宿の離れのモチーフになった茅葺き屋根の曲家が暮らしながら保存されている集落で、昔の暮らしぶりを知ることができます。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/19更新)
- 広告 -