鵠沼伏見稲荷神社は藤沢市内へと続く、県道30号線沿いにあります。また「箱根駅伝」のコースである国道134号線からも徒歩5分程度の立地で、年末年始は地元住民や初詣客などで大変賑わうスポットです。
一転、日常においてはのどかな雰囲気です。鳥居前は子どもの送迎場所として利用されたり、路線バスの停留所にもなっています。神社周辺はランドマークになるような建物がないため、まずは「県道30号線」から大鳥居を目指しましょう!
鵠沼伏見稲荷神社は1943年に創建されました。かつて北側の地域に霊泉の湧く「稲荷社」があったのですが、関東大震災によって水が枯渇してしまい、その後遷座が検討されるようになりました。
そこに小田急江ノ島線が開通したことも後押しをして、鵠沼海岸周辺への鎮守社創建の機運が一気に高まりました。その後急速に街の再開発が進み、現在の地に鵠沼伏見稲荷神社が遷座することになります。
1994年、鵠沼の地に御祭神である「宇迦之御魂大神」(うかのみたまのおおかみ)をはじめとする神々が勧請されたことを記念する「鎮座50年記念事業」が行われました。その一環として境内の井戸を掘削したところ、豊かな水脈にあたります。
この水は御神水として飲用に適している事が分かると、人々が毎日水汲みにくるようになりました。現在の取水時間は5:00〜22:00までとなっており、湧出したばかりの純粋な自然水を汲み取れることから「鵠沼和貴水」の名で親しまれています。
本殿へ向かう参道脇には「高山昇翁頌徳碑」が建っています。
石碑には「一筋に~の みいつをひろむへく はけみしまこと とはに輝く」という句が刻まれています。
高山昇は厳島神社に奉職した後、京都の伏見稲荷大社の宮司を務めました。晩年、鵠沼の地に隠居したことから彼の神事に対する功績を讃え、この石碑が建てられたのです。
彼の生涯を一言で表すなら「神道」に全てを捧げた人物であり、諸外国の研究者・宗教者とも深い親交がありました。『平家納経』など文化事業への貢献も高く評価されており、伏見稲荷社を語る上では欠かせない人物なのです!
太鼓橋を渡ると、参道右手に「手水舎」があります。参拝の作法として、ここで手を洗い身を清めるのは言うまでもありませんが、この手水舎で注目すべきは水が流れる出る「龍神」の彫刻です。
湘南海岸周辺の神社の中でも特に造詣が素晴らしく、思わず見入ってしまいます。龍神は雲や雨をつかさどる「水の神」であり、龍神様から出る水は「御神水」という訳です。人間が生きていくうえで水は欠かせないものです。そのような意味からもこの龍神には匠の技が施されています。
放水された湧き水は泉から汲むのではなく、隣の蛇口をひねると取水できます。通常の湧き水は細菌が1〜100種類ほど含有しているらしいのですが、「鵠沼和貴水」の含有物は何とゼロ!
お茶やコーヒーに適しているのは勿論、お酒の水割りにも最高の水だそうです。ミネラル豊富な湧き水なので、口に含むとその澄み切った味に疲れも吹き飛びます!
稲荷社の本殿は「稲荷造り」と呼ばれています。この社殿も「鎮座50年記念事業」の一環として改築工事が行われ、バリアフリーに配慮した造りとなっています。
夕闇が迫ると周囲が住宅街のため、灯りが乏しくなっていきます。初めての参拝では少し方向感覚が分からなくなるほどです。拝殿は17:00まで可能ですが、日没が早い冬の時期などは早めに参拝することをお薦めします。
本殿脇にある社務所では御朱印やお守りなどが頂けます。なかでも「アイスラッガー守り」は神社の名物お守りです。
これは『ウルトラマンセブン』に登場する必殺技にちなんだお守りで、銀色に輝く金属製で重厚感があります。お守りと一緒に『モロボシダン』役を務めた森次晃嗣さんのミニサインも付いており、「円谷プロ」公認というから驚きです!
本殿脇にある「絵馬掛け所」が、境内奥に続く参拝経路の入り口です。一度本殿の脇を通り、境内奥にある「稲荷社」へと向かいます。その後、鳥居を潜りながらUターンをするコースです。
往路で鳥居を横目に進むので少し拍子抜けしてしまいますが、やはり復路の整然と建ち並ぶ鳥居の美しさには惚れ惚れしてしまいます。
「伏見稲荷社」の見所といえば、やはり幾つもの鳥居が連なる朱色に彩られたトンネルでしょう。鵠沼伏見稲荷神社でも約30mに渡って光のコントラスを楽しめる美しい回廊が続きます。
京都の伏見稲荷大社の「千本鳥居」ほど間隔は詰まっていませんが、数にして20本程度の鳥居が等間隔で建てられています。
敷地内の一番奥に鎮座するのが「稲荷社」(奥宮)です。社には両脇に狐が鎮座しています。稲荷社は「五穀豊穣」の御利益があるとされ、狐は作物=稲を守る象徴として崇められています。
ここに建てられている鳥居は地元住民の奉納がほとんどですが、一般の方でも参拝時に初穂料を納めると一基につき25万円で建てることができます!出口付近に何げなく看板が置かれていますが、興味のある方は社務所に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
神社の裏口の先には住宅が立ち並んでいます。大鳥居の正面口とは趣が異なり、地域の風景に溶け込んでいるようです。この場所は境内の南側にあたり、鵠沼海岸からの少し湿った風が流れてきます。
海から近いこともあり、サーフィンやジョギングなどスポーツをしている人の姿が多いのも特徴です。境内には老若男女を問わず、憩いの場を求めて人々が足を運び、社務所横には陶器の腰掛けが設置されているほどです。
年中行事を鵠沼伏見稲荷神社で行う地元住民の方々は多く、「湘南の鎮守」として愛されていることを実感させられます。
所在地:神奈川県藤沢市鵠沼海岸5-11-17
電話番号:0466-36-5803
アクセス:小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」から徒歩10分。又は江ノ電バス「鵠沼車庫」徒歩1分
祈祷受付時間:9:00〜16:30
2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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