キプロスの首都ニコシア 歴史ある古都の見所を訪ねる

キプロスの首都ニコシア 歴史ある古都の見所を訪ねる

更新日:2018/10/10 10:57

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
地中海の東、トルコの南に浮かぶ島国キプロス。四国の半分程度の大きさですが、EU加盟国の一つです。その首都ニコシア、起源は新石器時代にまで遡るという歴史ある町で、旧市街はヴェネツィア時代に築かれた城壁に囲まれ、趣のある街並みが広がっています。
しかしその中央にキプロスを南北に分断するグリーンラインが設けられ、複雑な状況を抱えた国家でもある事を示しています。そんなニコシアの見所を今回はご紹介します。

城壁の中で最大のファマグスタ門

城壁の中で最大のファマグスタ門

写真:大竹 進

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キプロスはヨーロッパ・アジア・アフリカを結ぶ地中海上の要衝にあり、数千年の歴史の中で多くの王朝の支配を受けてきましたが、それだけに様々な文化の足跡が今に残る魅力的な国です。

旧市街を取り囲む城壁は、ヴェネツィアに支配されていた16世紀に築かれたもので、今もその姿をしっかり留めています。

城壁の中で最大のファマグスタ門

写真:大竹 進

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城壁は写真にある様に円形で11の砦があり、全長4.5キロにもなりますが、城内に出入りする門は3ヵ所だけでした。

城壁の中で最大のファマグスタ門

写真:大竹 進

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その中で一番大きな門がファマグスタ門で、堂々たる姿で佇んでいます。幅45mもありますが、現在はカルチャーセンターとして使われています。

<ファマグスタ門の基本情報>
開館時間:10:00〜13:00、16:00〜19:00
(5〜9月の午後は17:00〜20:00)
休館日:土・日・祝
入場料:無料

フレスコ画が素晴らしい聖ヨハネ教会

フレスコ画が素晴らしい聖ヨハネ教会

写真:大竹 進

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首都ニコシアの旧市街にある聖ヨハネ教会。1662年に建立され、大主教座が置かれている格式ある教会です。

フレスコ画が素晴らしい聖ヨハネ教会

写真:大竹 進

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教会内には1733年から描かれ始めたフレスコ画や、17〜18世紀に描かれたイコン(宗教画)があり、いずれも見事なものですが、残念ながら撮影禁止ですので、あなたの目で直接確かめて下さい。

フレスコ画が素晴らしい聖ヨハネ教会

写真:大竹 進

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聖ヨハネ教会の鐘楼の上に翻っているのはギリシャ国旗です。住民はギリシャ民族という意識が強いのか、キプロス国旗よりもギリシャ国旗の方がキプロス国内では良く目につきます。

<聖ヨハネ教会の基本情報>
開館時間:月〜金8:00〜12:00、14:00〜16:00/土9:00〜12:00
休館日:日・祝
拝観料:無料
撮影:不可

ビザンティン美術館と大主教の館

ビザンティン美術館と大主教の館

写真:大竹 進

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聖ヨハネ教会の直ぐ後ろにビザンティン美術館があり、8〜18世紀のイコン(宗教画)のコレクションが素晴らしく、キプロス国内でも最大の収蔵数を誇っていますが、美術館も残念ながら撮影禁止です。

<ビザンティン美術館の基本情報>
開館時間:月〜金9:00〜16:00/土9:00〜13:00
休館日:日・祝
入場料:4ユーロ
撮影:不可

ビザンティン美術館と大主教の館

写真:大竹 進

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ビザンティン美術館の隣には、キプロスがイギリスから独立した翌年の1961年に建てられた大主教の館があります。建物の正面には大主教であると同時にキプロスの初代大統領であった、マカリオス3世の像が置かれています。

ビザンティン美術館と大主教の館

写真:大竹 進

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大主教の館の前にはキプロスの国旗が掲げられています。国土の形がキプロス特産の黄銅色(オレンジ色)でデザインされ、オリーブの枝は平和を象徴しています。

グリーンラインのクロスポイント

グリーンラインのクロスポイント

写真:大竹 進

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ニコシア旧市街を南北に延びるメインストリート、リドラス通りです。歩行者天国になっていて、革製品や貴金属、土産物店、レストランなどが並び賑わっています。ここでランチを楽しんだり、お土産探しをしたり、行き交う人を眺めながら街角のカフェでティーブレイクも良いですね。

グリーンラインのクロスポイント

写真:大竹 進

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リドラス通りを北上すると、キプロスを南北に分断するグリーンライン(緩衝地帯)があり、検問所であるクロスポイントで国連軍の兵士が見張りに立っています。1974年のキプロス紛争により、トルコ人・イスラム教徒が居住する北キプロスと、ギリシャ人・ギリシャ正教徒が居住する南キプロスに国土が分断され、現在に至っています。

北キプロスは正式には「北キプロス・トルコ共和国」と言い、トルコの庇護により1983年にキプロス共和国から独立宣言しましたが、トルコ以外には承認されていません。

グリーンラインのクロスポイント

写真:大竹 進

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クロスポイントを抜けて「北キプロス・トルコ共和国」に入ると通貨もユーロからトルコ・リラに変わり、トルコ国旗が掲げられています。小さな島国であるにも拘わらず、キプロス共和国、ギリシャ共和国、トルコ共和国という3つの国の国旗が掲げられている複雑な国情を垣間見る事が出来ます。

キプロス最大のキプロス考古学博物館

キプロス最大のキプロス考古学博物館

写真:大竹 進

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旧市街を取り囲む城壁の西の外側にあるキプロス考古学博物館。キプロス最大の博物館で、紀元前7000年の旧石器時代からビザンティン前期までの貴重なコレクションが展示され、キプロス島全体の歴史や文化を知る事が出来ます。

キプロス最大のキプロス考古学博物館

写真:大竹 進

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館内には紀元前1世紀頃に制作された大理石のアフロディーテ(ヴィーナス)像を始め、青銅の像やテラコッタ(素焼きの焼き物)、黄金のアクセサリーなど展示の種類も豊富です。

キプロス最大のキプロス考古学博物館

写真:大竹 進

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紀元前3000年頃の遺跡から発掘された「ポモスの偶像」。腕を広げた女性の姿をかたどっていて、豊饒や多産を願って制作されたものと考えられています。キプロス発行の1ユーロと2ユーロのコインにはこの「ポモスの偶像」が描かれています。

<キプロス考古学博物館の基本情報>
開館時間:火〜金8:00〜16:00/土9:00〜16:00/日10:00〜13:00
休館日:月
入館料:4.5ユーロ
撮影:可

徒歩で見て回れるニコシアの見所

今回ご紹介したニコシア旧市街の教会や美術館、南北キプロスを分断するグリーンライン、そして城壁脇にあるキプロス考古学博物館などは徒歩で充分回り切れる範囲にあります。

メインストリートのリドラス通り南側にあるライキ・ギトニア地区は旧市街でも最も昔の街並が残されており、趣のある小道の散策が楽しめるエリアですので、ぶらぶら歩きをしてみてはいかがでしょうか。

またギリシャ系住民が殆どで東方教会の信者が大多数を占める南キプロス側でもモスクは幾つかあり、教会とモスクの両方の風景を楽しめる町でもあります。

こんな魅力の一杯詰まったキプロスの首都ニコシアに、あなたも訪れてみませんか。

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/06/19 訪問

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