4km続く黄金の道!東京都八王子市「甲州街道イチョウ並木」

4km続く黄金の道!東京都八王子市「甲州街道イチョウ並木」

更新日:2018/10/23 10:41

沢原 馨のプロフィール写真 沢原 馨
東京都八王子市はかつて甲州街道の宿場として発展した町。市域の中心部を甲州街道が東西に抜けています。そのうち、「追分」交差点から高尾駅前に至る約4kmの区間はイチョウ並木になっていて、秋になると美しい黄葉の景色を見せてくれます。延々と続くイチョウ並木の黄葉は壮観ですよ。公園に立ち寄ったりしながら、のんびり歩いてみるのがお勧め。イチョウ並木が秋の色に染まる季節、八王子を訪ねてみませんか。

「多摩御陵」造営記念として植えられたイチョウ並木

「多摩御陵」造営記念として植えられたイチョウ並木

写真:沢原 馨

地図を見る

市域の中心部を東西に抜ける甲州街道(国道20号)、イチョウ並木となっているのは、陣馬街道が分岐する「追分」交差点から高尾駅前までの約4kmの区間。イチョウの数は763本(平成28年現在、八王子市公式サイトによる)。春の新緑の頃から秋の黄葉まで、イチョウ並木は美しい景色を見せてくれて、市民に親しまれています。

八王子市に昭和天皇と大正天皇の陵墓のある「武蔵陵墓地」があることをご存知の方も多いでしょう。「武蔵陵墓地」は、そもそもは大正天皇の陵墓「多摩御陵(たまごりょう)」として造営されたのですが、甲州街道のイチョウ並木はその造営記念として昭和4年(1929年)に植えられたのです。

「多摩御陵」造営記念として植えられたイチョウ並木

写真:沢原 馨

地図を見る

甲州街道のイチョウ並木、特に秋の黄葉の頃の景観は見事なものです。八王子市民にとっては深まる秋を実感させる風物詩と言ってよく、「そろそろ甲州街道のイチョウ並木が色づいてきましたね」といった会話が挨拶代わりに聞かれたりします。例年、黄葉の見頃の11月下旬には市民手作りによる「いちょう祭り」も開催されて賑わいます。甲州街道のイチョウ並木が黄金に染まる季節、八王子を訪ねてみませんか。

追分交差点から高尾駅まで、のんびり歩いて黄葉の並木を楽しもう

追分交差点から高尾駅まで、のんびり歩いて黄葉の並木を楽しもう

写真:沢原 馨

地図を見る

「追分」の交差点はJR中央線西八王子駅から歩いて15分ほど。西八王子駅は「追分」と高尾駅との間に位置していますので、少し重複してしまいますが、こだわり派の方は「追分」交差点から出発して全区間を歩き通してみてはいかがでしょう。もちろん西八王子駅前から出発しても充分に楽しめますよ。

甲州街道は交通量の多い主要道路ですので、のんびりとした散策に向いているとは言い難いのですが、それでも黄金に染まったイチョウ並木の歩道を歩くのは素敵なひとときです。日差しを浴びて黄金に輝くイチョウの美しさを堪能しながら、のんびりと高尾駅を目指しましょう。

追分交差点から高尾駅まで、のんびり歩いて黄葉の並木を楽しもう

写真:沢原 馨

地図を見る

甲州街道のイチョウ並木は距離が長いからか、黄葉に染まる時期が微妙にズレます。例年、高尾側は黄葉が早く、追分側が遅い傾向にありますので、追分側ではまだ緑でも、高尾駅に近づくにつれて黄葉が深まっていくことも多いのです。また個体差なのか、環境によるのか、木によって黄葉の進み方が違っていたりします。全区間を歩いてみると、いろいろな景観を見ることができて楽しいですよ。

イチョウ並木の景観を上から!歩道橋からの眺めを堪能しよう!

イチョウ並木の景観を上から!歩道橋からの眺めを堪能しよう!

写真:沢原 馨

地図を見る

イチョウ並木となった約4kmの区間、甲州街道には4基の歩道橋が設置されています。この歩道橋の上からの眺めが、何と言ってもお勧めです。甲州街道の両脇にイチョウ並木が延び、視界の奥へと遠ざかってゆく風景が美しいですね。時刻によって順光になったり逆光になったり、さまざまな表情を見せてくれますよ。

イチョウ並木の景観を上から!歩道橋からの眺めを堪能しよう!

写真:沢原 馨

地図を見る

「中央図書館前」交差点に設けられた歩道橋も、そうした歩道橋のひとつ。西八王子駅の近くなので、西八王子駅から散策へ出発する人もぜひ立ち寄ってみましょう。この辺りでは甲州街道は真っ直ぐに延びています。歩道橋の上から眺めると、一点透視法的に視界の奥へ収束してゆく、素晴らしい景観が楽しめますよ。

イチョウ並木の景観を上から!歩道橋からの眺めを堪能しよう!

写真:沢原 馨

地図を見る

そろそろ高尾駅も近づいた町田街道との交差点、「町田街道入口」交差点に設けられた歩道橋からの眺めもお勧めです。ここから西を見れば、甲州街道が緩やかに曲がっていて、カーブに沿って黄金色のイチョウが重なり、美しい景観を楽しむことができます。その向こうに見えるのは、もちろん高尾山。甲州街道のイチョウ並木が黄葉に染まる頃、高尾山もそろそろ紅葉の季節です。

河岸の風景が美しい!陵南公園にも立ち寄ってみよう!

河岸の風景が美しい!陵南公園にも立ち寄ってみよう!

写真:沢原 馨

地図を見る

追分交差点から約2.8km、甲州街道に「多摩御陵入口」交差点があります。言うまでも無く、交差点から北へ入り込んだところにかつての「多摩御陵」、現在の「武蔵陵墓地」があるのですが、その手前、南浅川河岸に都立陵南公園が設けられています。陵南公園にも立ち寄ってみましょう。河岸の紅葉も美しく、散策の一休みにもちょうどよいでしょう。

河岸の風景が美しい!陵南公園にも立ち寄ってみよう!

写真:沢原 馨

地図を見る

甲州街道から「武蔵陵墓地」に向かう途中で南浅川を渡ります。架けられている橋は「南浅川橋」。現在の橋は昭和11年(1936年)に造られました。「多摩御陵」への参道でしたので、それに相応しい威厳のある意匠の橋です。橋マニアならずとも一見の価値がある橋ですよ。

河岸の風景が美しい!陵南公園にも立ち寄ってみよう!

写真:沢原 馨

地図を見る

その南浅川橋の上流側左岸と下流側右岸に分かれて陵南公園が設けられています。橋の上流側に視線を向けると、公園横の河岸に植えられたイチョウやサクラなどが日差しを浴びて美しい景観を見せてくれます。川の流れとの取り合わせにも良い風情があって、ぜひ見て欲しい景観です。もちろん公園内を散策するのもお勧め。モミジの紅葉などが楽しめますよ。

イチョウ並木の甲州街道を歩いて深まる秋を楽しもう!

イチョウ並木の甲州街道を歩いて深まる秋を楽しもう!

写真:沢原 馨

地図を見る

甲州街道のイチョウ並木が黄葉に染まるのは、例年、11月の中旬から下旬にかけて。都心に比べれば少し早めに黄葉します。少しずつ秋が深まってゆく頃、延々と続くイチョウ並木を楽しみに八王子の町を訪ねてみてはいかがでしょう。賑やかな雰囲気の好きな方なら「いちょう祭り」に合わせて訪ねてみるのもいいですね。

追分交差点から高尾駅前まで約4km、途中で陵南公園などに立ち寄ったりしながらのんびり歩けば2時間ほど。時間と体力に余裕があれば、「武蔵陵墓地」にも立ち寄ってみましょう。秋の町散歩、先を急がずゆったりとした気持ちで楽しみましょう。

甲州街道イチョウ並木の基本情報

住所:東京都八王子市千人町〜並木町〜東浅川町〜高尾町
アクセス:JR中央線西八王子駅、または高尾駅下車、徒歩約5分

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -