キラキラ宝石の煌めき!日本一の糞虫の聖地・奈良「ならまち糞虫館」

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キラキラ宝石の煌めき!日本一の糞虫の聖地・奈良「ならまち糞虫館」

キラキラ宝石の煌めき!日本一の糞虫の聖地・奈良「ならまち糞虫館」

更新日:2018/10/27 19:49

いずみ ゆかのプロフィール写真 いずみ ゆか ライター

“糞虫”聞きなれない言葉ですが、ファーブル昆虫記でお馴染みの俗にいう「フンコロガシ」のことです。実は、鹿でいっぱいの奈良公園は日本一の糞虫の聖地であるのをご存じですか?奈良を代表する糞虫「ルリセンチコガネ(種名:オオセンチコガネ)」の青い輝きは、まるでサファイアの様な美しさ。2018年7月8日にオープンした私設博物館「ならまち糞虫館」で、フン虫王子こと、館長・中村圭一さんと魅惑の糞虫ワールドへ!

奈良公園が日本一の糞虫の聖地って知ってる?

奈良公園が日本一の糞虫の聖地って知ってる?

写真:いずみ ゆか

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糞虫は、一般的には「糞を食べるコガネムシの仲間」の事を指します。

ところで、皆様は“日本三大糞虫聖地”があるのをご存じでしょうか?奈良県の奈良公園、宮城県の金華山、広島県の宮島です。国内には、約160種類もの糞虫が生息しており、中でも奈良県には約60種類が生息、その多くは奈良公園で確認することができます。金華山では15種類、宮島では14種類なので、奈良公園の種類の多さは圧倒的。奈良公園は、日本一の糞虫の聖地と言っても過言ではありません。

そして、多様な糞虫が観察できる奈良では、その美しさと希少性から糞虫ファンの心を捉えて離さない魅惑の糞虫を見る事ができます。その名(俗称)も「ルリセンチコガネ」。種名はオオセンチコガネと言い、赤銅色や緑色など色彩は様々で、日本各地で見ることができるのですが、奈良に生息しているオオセンチコガネだけは、なんとサファイアのように煌めく瑠璃色なのです!

奈良公園が日本一の糞虫の聖地って知ってる?

写真:いずみ ゆか

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そんな糞虫の聖地・奈良に、中学生の頃から糞虫の魅力にとりつかれて約40年、とうとう会社を早期退職し、糞虫の私設博物館をつくってしまった人物がいます。2018年7月8日にオープンした「ならまち糞虫館」の館長・中村圭一さんは、奈良公園はもちろんのこと、日本各地、世界各地の糞をほじくって糞虫探しをしてきた“キングオブ糞虫愛好家”。ちなみに中村さんは、キングではなく、“フン虫王子”を自認されています。

奈良公園がなぜ糞虫の聖地になったのかについて、「神鹿である鹿のフンが沢山あるからですよ!春日山原始林や飛火野の草地など多様な自然環境があるから、糞虫の種類も多いのです」と中村さん。

平城京は春日大社や興福寺、東大寺などの寺社が勢力を誇り、広大な敷地を持っていた歴史があります。世界遺産登録されている現状も含め、奈良公園は、数百年にわたり安定した自然環境が保たれてきました。そのため、今では他地域で見られなくなった糞虫も生息しているのです。

中村さん
「悪食のイノシシの糞だと、糞虫さんも美味く無い!って言うんです。鹿は、芝とか草とか上品なものを食べているから、美味い!って言っています(笑)。奈良公園は、安定的に鹿が糞を出してくれて、毎日1トン以上です」

余談ですが、中村館長さんが着ている糞虫Tシャツはなんと博物館のオリジナル。販売もしていますので、お土産にぜひどうぞ。(2000円)

奈良公園が日本一の糞虫の聖地って知ってる?

写真:いずみ ゆか

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それでは「ならまち糞虫館」がどんなところなのか、奥深い糞虫ワールドをご紹介しましょう。まず、糞の中に隠れて姿が見えない糞虫の如く、「ならまち糞虫館」も少々分かり難い場所にあります。

近鉄奈良駅から徒歩約15分。奈良市鳴川町「ならまち音声館」横の細道を道なりに進むと、「ならまちすーく」という様々な店舗が入った長屋街があります。その手前に写真のような看板が立ってますので、矢印の方向へ進んで行くと、たどり着くことができます。

是非、デートに!アート?それともジュエリーショップ?

是非、デートに!アート?それともジュエリーショップ?

写真:いずみ ゆか

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館内は、従来の博物館イメージを覆すオシャレ空間。標本展示では、一般の方が苦手意識を持つかもしれないと、「ジュエリーショップ」をコンセプトに館長の友人であるデザイナーさんの設計でつくられました。「彼女とジュエリーを見にくるような、カップルにお勧めのデートスポットです(笑)」と中村さん。

是非、デートに!アート?それともジュエリーショップ?

写真:いずみ ゆか

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中村さんのお話では、糞虫の美しさは、自然光の中で見るのが一番とのこと。しかし、ペンライトで光を当てるだけでも本当に宝石のように煌めきます(写真参照)。光の当り具合で色が変化することにもご注目を。

是非、デートに!アート?それともジュエリーショップ?

写真:いずみ ゆか

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館内には、ペンライトやルーペが置いてありますので、必ず使用することをお勧めします。ルーペで観察することで、角があることが分かる糞虫もいるからです。

フン虫王子・館長の中村さんのおススメ糞虫ベスト3

フン虫王子・館長の中村さんのおススメ糞虫ベスト3

写真:いずみ ゆか

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ここで、“フン虫王子”中村さんが選ぶ、日本の糞虫ベスト3をご紹介しましょう。

<NO.1>
やっぱりこれは外せない!奈良でしか見ることができない「ルリセンチコガネ(オオセンチコガネ)」。一口に瑠璃色の輝きといっても、一匹一匹の個体で発色は異なります。

「自然光の元で見るのが一番キレイなので、ここで糞虫の魅力に触れたら、すぐ近くの奈良公園で実際に探してみて下さい。お勧めシーズンは春と秋です」

フン虫王子・館長の中村さんのおススメ糞虫ベスト3

写真:いずみ ゆか

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<NO.2>
「ゴホンダイコクコガネ」特にオス

オスのゴホンダイコクコガネには、名前の通り5本角があります。まるでカブトムシのような姿。
「ルーペで見るとよく分かります。頭部に大きな1本と前の胸に4本であわせて5本。だってカッコイイでしょう?」

フン虫王子・館長の中村さんのおススメ糞虫ベスト3

写真:いずみ ゆか

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<NO.3>
本当に小さい!「ヒメツツマグソコガネ」
糞ではなく、朽木の中に生息しており、奈良以外では、なかなか見つけることができないレアな糞虫。

「『日本産コガネムシ上科図説』には「産地としては奈良県春日山が有名」と書いてあり、★★★(※注)の準稀種です。それだけレアなのに普通に奈良公園に居るから驚きです!」

※注『日本産コガネムシ上科図説』には、星5つまで表記があるが、星3つでもかなりレア

外国の糞虫の魅力

外国の糞虫の魅力

写真:いずみ ゆか

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展示は、日本の糞虫だけでなく、外国の糞虫も。シカヅノエンマコガネ(タンザニア産・オス)の二本の見事な角や世界一美しいと言われるニジイロダイコクコガネ(南米産)など、じっくり観察すると時が経つのを忘れるほど。糞虫はカブトムシと同じで、メスには角が無く(もしくは小さく)、オスに立派な角があります。

外国の糞虫の魅力

写真:いずみ ゆか

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ファーブルが見た糞虫「スカラベ・ティフォン」も。実は、基本的に日本の糞虫は、糞を転がしません。フンコロガシはアフリカ大陸から朝鮮半島まで分布していますが、なぜか日本には居ないのです。館内では、スカラベで知られるフンコロガシが作った育児球(糞の玉)を育てているので、観察することもできます。

外国の糞虫の魅力

写真:いずみ ゆか

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糞虫の標本や図鑑、関連の本などもあり、多角的に糞虫を学べる場所です。

奥深い糞虫の世界、未来のフン虫王子の壮大な作品にもご注目を!

奥深い糞虫の世界、未来のフン虫王子の壮大な作品にもご注目を!

写真:いずみ ゆか

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デートスポットを目指した糞虫館ですが、実際は親子連れや子供の来館が多いそう。館内には、未来のフン虫王子を予感させるスーパー小学生の研究成果も展示されています。篠田結一郎くん(当時小学5年生)が制作した『糞虫研究』は、実際に糞虫を自分で捕まえ、さらに仮説を立てて実証し、生態を詳細に記した玄人はだしの作品。

昆虫学の世界では、昆虫の細密画を描く能力が必要と聞きますが、彼の画力はすごい!
とても小学生の頃に書いたとは思えないハイレベルな研究内容に、次世代の南方熊楠かも?と可能性を感じさせます。

奥深い糞虫の世界、未来のフン虫王子の壮大な作品にもご注目を!

写真:いずみ ゆか

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さらに篠田君は達筆。「大雪隠黄金」はオオセンチコガネのこと。雪隠とはトイレのことです。「無念…全滅…」何があったのか気になる方は、現地で篠田君の研究をご覧下さい。

奥深い糞虫の世界、未来のフン虫王子の壮大な作品にもご注目を!

写真:いずみ ゆか

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奥深い糞虫の世界。糞虫たちは、今日も毎日、奈良公園で一生懸命、糞をお掃除しています。一見、目には見えないけれど、大仏様よりも古くから奈良の地にいる糞虫たちを実際に見てみたいと思いませんか?

「寺社仏閣だけでは無い、もう一つの世界に誇る奈良の魅力を知って欲しい」と中村さんは、糞をつつく小枝を手に奈良公園を歩いています。

「ならまち糞虫館」では、糞虫観察ツアー(※)も開催していますので、フン虫王子・中村館長さんと一緒にぜひ、聖地・奈良公園へ探しに行きましょう。

※糞虫観察は、春は、メスを求めてオスが歩き回るため発見しやすく、秋は生まれたてピカピカの糞虫を見る事ができるため、春秋がベストシーズン

※イベントは要予約。別途参加費が必要

「ならまち糞虫館」基本情報

住所:奈良市南城戸町28−3
開館日時:土日のみ(13:00〜18:00)
入館料: 大人300円、小人100円(イベントは要予約、別途参加費必要)
アクセス:「近鉄奈良駅」から徒歩約15分(駐車場なし)

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/07 訪問

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