長崎五島の世界遺産・野崎島のルーツ!王位石へのトレッキングツアー

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木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター

新たに世界遺産となった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。構成資産の一つである野崎島は潜伏キリシタンが移り住んだ島であり、旧野首教会が佇んでいることで知られています。

一方で潜伏キリシタンが移住してくる遥か以前より、野崎島は「王位石(おえいし)」という御神体が鎮座する神の島として知られていました。いわば野崎島のルーツともいえる「王位石」のトレッキングツアーに参加してみてはいかがでしょう。

海上安全の御神体として信仰されてきた王位石

海上安全の御神体として信仰されてきた王位石

写真:木村 岳人

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五島列島は日本と大陸を繋ぐ航路上にあり、古くより数多くの交易船が行き来していました。その証拠として、野崎島の西隣に位置する小値賀島には、古代中国船の停泊に使われていた碇石(いかりいし)が残されています。

また平坦な土地が少ない五島列島の人々は漁業で生計を立てていたということもあり、野崎島に聳え立つ「王位石」は海上安全を祈願する沖ノ神島(おきのこうじま)神社の御神体として、五島列島一帯から信仰を集めるようになったのです。

小値賀島の東海岸に位置する前方(まえがた)集落には、野崎島の沖ノ神島神社と対を成す地ノ神島(ちのこうじま)神社が鎮座しています。その鳥居は野崎島に面して建てられており、そこから王位石を望むことができるようになっています。小値賀島の人々は地ノ神島神社から王位石を遥拝し、あるいは船で野崎島に渡って沖ノ神島神社に参拝していました。

海上安全の御神体として信仰されてきた王位石

写真:木村 岳人

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野崎島は隆起によって形成された島であり、険しい山々が南北に連なる地形となっています。比較的なだらかな島中央部の東岸には沖ノ神島神社の氏子が住み、神官屋敷を中心とする野崎集落を形成していました。神の島である野崎島の住人は、長らくこの野崎集落のみでした。

神の島に移住してきた潜伏キリシタン

神の島に移住してきた潜伏キリシタン

写真:木村 岳人

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江戸時代の後期になると、五島藩の開拓移民政策によって西彼杵(にしそのぎ)半島の外海地区に住む人々が五島列島の各島に移り住んできました。実はこれらの移民は潜伏キリシタンであり、江戸幕府の禁教令による弾圧から逃れるべく新天地を目指して移住してきたのです。

野崎島にも野首集落と舟森集落の二つの潜伏キリシタン集落が形成されました。明治6年に禁教令が解除されるとカトリックへ復帰し、両集落に教会堂が建てられています。しかしながら高度経済成長期による集団離村によって野崎島の全集落が廃村となり、実質の無人島になってしまいました。

神の島に移住してきた潜伏キリシタン

写真:木村 岳人

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潜伏キリシタンの歴史が評価されて世界遺産になった野崎島ですが、そもそもなぜ野崎島が移住先として選ばれたのかというと、ズバリ沖ノ神島神社とその御神体である王位石があったから。古くから信仰されてきた神の島の住民であれば、キリシタンだと疑わる可能性は低いだろうと考えたのです。

要するに王位石は野崎島に潜伏キリシタンの集落が築かれるに至った要因と言え、訪れる価値は大いにあります。

王位石へはトレッキングツアーに参加しよう

王位石へはトレッキングツアーに参加しよう

写真:木村 岳人

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王位石がある沖ノ神島神社は野崎島北部の山頂付近に位置しており、小値賀島からの町内船が発着する野崎港から山道を歩く必要があります。その登山道は九州自然歩道の一部として整備されているものの、迷いやすい箇所が多くて遭難の危険性があることからガイドツアーへの参加が推奨されています。

ツアーの予約は7日前まで、小値賀港のフェリーターミナル内に窓口があるNPO法人「おぢかアイランドツーリズム」で受け付けています。催行期間は10月から6月までと、夏季は休止しているので注意しましょう。

往復約5時間の登山となりますので、それに適した動きやすい服装をご用意ください。長袖のシャツに長ズボン(ジーンズはNG)、ケガや防寒対策の為の手袋も必要です(軍手でOK)。靴は足首まで覆う登山靴がベストですが、なければ履きなれた運動靴で良いでしょう。ストックは持参しなくても現地で借りることが可能です。汗をかくので飲み物は十分に用意し、万が一の行動食も忘れずに。

序盤の急坂を乗り切ってしまえば後は楽々

序盤の急坂を乗り切ってしまえば後は楽々

写真:木村 岳人

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朝8時に野崎港へ到着し、ビジターセンターに荷物を置いてからガイドさんと共に出発です。廃村となった野崎集落を後にし、かつては畑が広がっていた荒れ地を抜けると登山道に入ります。

序盤はきつい上り坂が続いて息が切れますが、ガイドさんが常に参加者の状態を把握しており適切に休息を取ってくれるので安心です。登山経験の少ない方でも問題ありませんし、子どもでも10歳以上ならば参加可能。坂道を上り切ると比較的平坦な尾根道となり、後は沖ノ神島神社まですいすい歩くことができます。

ガイドさんは王位石のことのみならず野崎島の歴史や自然についても精通しており、道中で聞けるお話はとても楽しく為になります。より詳しく野崎島について知ることができるという点でも、ツアーに参加する意義があるというものです。

王位石の神秘を体感しよう

王位石の神秘を体感しよう

写真:木村 岳人

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かつて野崎島は、小値賀島に住む人々の薪取り場として利用されていましたが、沖ノ神島神社の周囲だけは神域として原生林が保たれています。尾根から沖ノ神島神社へ下る最後の道に沿って巨木や巨石が続いており、これぞ神域というべき神秘的な雰囲気です。

最後の石段を上って沖ノ神島神社の社殿に到達すると、その頭上には巨大な王位石が聳えています。24mもの高さがある二つの立石に、テーブルのような横石が乗るその形状はまるで鳥居のよう。あまりにもできすぎた造形のため、自然の産物なのか人の手によって築かれたものなのか定かではありません。

王位石の神秘を体感しよう

写真:木村 岳人

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社殿の裏手をよじ登ると、王位石を間近で見ることができます。複雑な形状に組み上げられた巨石は圧巻の一言。かつては石の上で神楽が奉納されていたともいい、まさに神を感じるにふさわしい磐座です。

参拝を終えて野崎集落に戻ってくるのはお昼過ぎ。帰りの船まで十分な時間がありますので、旧野首教会の見学ももちろん可能です。野崎島をまるごと体感できるツアーとして、これ以上ないくらいにオススメです。

野崎島・王位石トレッキングツアーの基本情報

催行期間:10月〜6月(夏季休止)
予約期限:7日前まで
予約電話番号:0959-56-2646(おぢかアイランドツーリズム)
予約受付時間:9:00〜18:00(年末年始を除き無休)
最小催行人数:2人
料金:1人あたり5,000円、1人での催行を希望の場合は9,000円
※別途町内船「はまゆう」の運賃が必要(大人500円、小学生以下250円)

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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