写真:モノホシ ダン
地図を見る名柄郵便局は、1902年(明治35年)に郵便受取所として開局し、1905年(明治38年)4月には「名柄郵便局」となって、郵便のほかに貯金、保険、為替、電信そして電話などの業務を行ってきました。旧名柄郵便局舎は、1913年(大正2年)に完成した、木造平屋建て、寄棟屋根の建物です。
その後、名柄郵便局は、1975年(昭和50年)に新郵便局の開設に伴って局舎としての役割を終えました。建物は、所有者から御所市へと無償貸与され、貴重な歴史的産業遺産として、国の補助金と、地元の名柄出身の作家・堺屋太一さんからの寄付金等により、約2年間かけてリノベーションされ、2015年(平成27年)春に「郵便名柄館Tegami Cafe」として生まれ変わりました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る館内は、郵便資料館と地元の野菜を使ったランチが人気の「Tegami Cafe(テガミカフェ)」からなっています。真っ白な壁と、木製の椅子とテーブルで統一されたカフェは、大正ロマンあふれるレトロモダンな印象です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郵便資料館でもあるため、昔の郵便関連の展示資料も充実しています。人車(写真左)は、明治から昭和初期にかけて、郵便物や小包の輸送に使われていたものです。局名看板は、旧名柄郵便局舎正面に掲げられていたものです。和文のほかに欧文で、「NAGARA POSTOFFICE」とも併記され、当時としては、とてもハイカラな様子だったことが伺えます。
掛箱(ポスト)は、1931年(昭和6年)以降に調達された木製の掛箱で、名柄郵便局が集配局であった時代に使用されました。取集時間は、1日1回でした。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「Tegami Cafe」のランチは、月替わりのテガミランチ(1200円)で、お米は、地元産の吐田米(はんだまい)を使い、野菜も地元の人が育てたもので、味噌汁は自家製です。ほかにミニデザートとドリンクが付いています。
写真:モノホシ ダン
地図を見るさらに、天使のパフェ(600円)は、葛城地区でロケが行われた、2017年公開の邦画『天使のいる図書館』で、主人公の小芝風花さん(吉井さくら役)が、映画の中で注文したものです。天使の羽を思わせるクッキーがついています。とくに葛城古道を歩いてきて、疲れを癒すにはピッタリのスイーツといえるでしょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見るほかにおすすめメニューでは、テガミコーヒー(550円)があります。机の下の引き出しに文具が入っていて、テガミコーヒーを注文の方、またはオリジナル切手(150円)を購入された方のみ使うことができます。郵便名柄館Tegami Cafeから、友人などにハガキを出されてはいかがでしょうか。なお、切手は持ち帰ることもできます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郵便庭園では、昔懐かしい丸型ポストと郵便配達夫の像、そして昭和の切手ブーム時などに発行された切手を展示しています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郵便配達夫の像は、彫刻家の吉野毅さんの作品で、台座には、堺屋太一さんの「郵便は歓びをつたえる 絆をふかめる 思い出をつくる それは今もここにある」の文字が刻まれています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郵便庭園に展示されている切手は、昭和の切手ブーム(1965年〜1975年頃)に発行されたものも多く、切手ファンには思い出の深いデザインばかりです。とくに「見返り美人」や「月に雁」などは、プレミア切手の代表格でした。
現在では、いろいろな娯楽や趣味が登場し、切手の収集家は、ほとんど姿を見かけなくなってしまいました。しかし、いまでもストックブックやファイルに保管されている方は多いと思います。郵便名柄館Tegami Cafeを訪れたら、自宅に帰ってタンスや本棚などを探してみてください。きっと懐かしい思い出が蘇ってくることでしょう。
このように郵便名柄館Tegami Cafeは、葛城古道にある数少ない昼食、休憩場所であり、ハイカラな大正ロマンや懐かしい切手たちに出会える施設です。ぜひ、歴史ハイクの途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
住所:奈良県御所市名柄326-1
電話番号:0745-60-8386
営業時間:11:00〜16:00(ラストオーダー15:30)
定休日:火・水曜日
アクセス:JR ・近鉄御所駅から徒歩約45分
車利用の場合は、西名阪自動車道香芝ICから約30分。専用駐車場利用
2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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