中世の面影を色濃く残すザグレブ。その起源は古く、丘の上に作られたカプトルとグラデツ(現ゴルニィ・グラード)という中世の都市がふたつ合わさって、ザグレブと呼ばれるようになりました。ゴルニィ・グラード地区の南側の高台からは、旧市街、新市街含めたザグレブの全景が見渡せます。
ゴルニィ・グラード地区に建つ赤と青のモザイク模様の屋根が印象的な聖マルコ教会。カプトル地区の聖母被昇天教会と並んで、ザグレブを象徴する建物の一つです。屋根にデザインされた紋章は、左側がクロアチア、ダルマチア、スラヴォニアを表す紋章で、右側がザグレブの市章。教会は13世紀頃に建てられ、屋根の紋章は1880年の改修工事で付け加えられました。
聖マルコ教会周辺は、政府機関の建物も多いアッパータウン。中世には商人や職人が暮らしていた美しい街並みが続き、見張り塔のロトルシュチャク塔や聖母マリア像に人々が祈りを捧げる石の門など見所が多いので散策を楽しめます!
<聖マルコの教会基本情報>
住所:Trg Sv. Marka 5, 1000, Zagreb
電話番号:+385-1-4851-611
※内部の公開は、ミサや結婚式、特別なセレモニーやイベントが行われる時のみ
ゴルニィ・グラード地区の南東の高台の端に建ち、ザグレブで一番美しいバロック様式の教会と言われる聖カタリーナ教会。17世紀の初めに建設されたイエズス会の教会で、エレガントな白亜の外観が印象的です。横の広場は、カプトル地区の街並みが一望できる人気の観光スポットになっています。
<聖カタリーナの教会基本情報>
住所:Katarinin trg, 10000,Zagreb
聖母被昇天大聖堂(通称ザグレブ大聖堂)は、ザグレブの象徴的存在。二つの尖塔の高さは105mで、クロアチアで一番の高さを誇っています。建設は11世紀後半からロマネスク様式で始まりましたが、度重なる外敵の侵入、地震や大火によって破壊や工事の中断があり、現在のネオゴッシック様式になったのは1880年の大火以降。ザグレブの歴史とともにある大聖堂です。
この大聖堂の祭壇には、美しいレリーフの施されたガラスの棺に眠るステピナツ大司教の像が置かれています。彼は第二次世界大戦の激動の時代に大司教を務め、戦後ナチス・ドイツの傀儡政権であるウスタシャ政権に協力した罪で戦犯として裁かれます。しかし人道主義的な立場も貫いた人物で、1960年に故郷で病死。彼に対する評価は賛否両論あるものの、クロアチア独立政権によって名誉が回復し、今では静かに大聖堂に祀られています。
大聖堂の内部は、神聖で荘厳な雰囲気に包まれています。高い水色の天井、美しい大きなステンドグラス、パイプオルガン、聖母被昇天の描かれた絵画、聖母マリアを祀る祭壇などが見事です。クロアチアは信仰心の厚いカトリック教徒が多い国。熱心にお祈りする人々も絶えません。
<聖母被昇天大聖堂の基本情報>
住所:Kaptle 31, 10000, Zagreb
電話番号:+385-1-4814727
公開時間:月〜土 10:00-17:00/日・祝 13:00-17:00
入場料:無料
ドラツ広場の青果市場は、1926年から始まったザグレブの中では一番古い市場。「ザグレブの胃袋」と呼ばれ活気に満ちています。広場には、大量の新鮮な野菜や果物だけでなく、手作り工芸品なども売られ、気さくなザグレブ庶民の日常生活が垣間見れます。
青果市場のシンボル的な存在の物売り女性の彫像。多くの観光客が一緒に記念撮影をする観光ポイントになっています。この彫像からは、大きなカゴを頭に乗せて立つクロアチア人女性の逞しさを感じます!
洗練されたカフェやショップが多い新市街とは対照的に、青果市場周辺の路地には、手作りの手芸品店や雑貨屋、古着を売る店が軒を連ね、昔懐かしい雰囲気。ザグレブの旧市街は、今も素朴な街並みが残され、大都会の喧騒を忘れさせてくれます。
<ドラツ広場の青果市場の基本情報>
住所:Dolac 9, 10000, Zagreb
電話番号:+385-1-4561800
開催時間:8:00-13:00
一日中、多くの人々が行き交うイェラチッチ広場。ここはザグレブを新市街、カプトル地区、ゴルニィ・グラード地区に分ける分岐点で、観光の玄関口。広場前を多くのトラム(市内電車)が行き交い、周辺はカフェやレストラン、ショップの入ったビルが立ち並んでいます。イェラチッチ総督の騎馬像の前は、よく人々の待ち合わせに使われています。
イェラチッチ広場からイリツァ通りを西へ少し行ったところにあるケーブルカー乗り場。ケーブルカーを使えば、新市街から遠回りせずに、ゴルニィ・グラード地区のロトルシュチャク塔まで30秒ほどで上がれます。
ケーブルカー乗り場の周辺には、雰囲気の良いカフェやレストランが沢山あるので、観光途中で休憩するのには良いでしょう。有名なケーキ屋さんも近くに何軒かあります。
中央駅からイェラチッチ広場までの通り沿ったトミスラフ広場、ストロスマエル広場、ズリンスキー広場は市民の憩いの場。新市街はオーストリア=ハンガリー帝国統治下の18世紀後半に整備され、広場の周囲はウィーンを思わせるような華麗な建物が並んでいます。アールヌーボー様式のアート・パビリオンをはじめ、ストロスマエル美術館や近現代美術館などもあるので、興味のある方は是非立ち寄られて下さい。
<ケーブルカーの基本情報>
運行時間:6:30〜24:00の10分に1便
料金:3Kn
かつてロンドンとイスタンブールを結ぶオリエント急行が停車したザグレブ中央駅。威風堂々とした風格の駅舎は、長さが186.5m。19世紀後半に建てられ、華美でレトロな外観は新古典様式です。駅は何度か改修工事が行われていますが、オリエント急行の乗客が乗降した当時のままの姿を残しています。
宮殿のような壮麗な外観の「ホテル・エスプラネード・ザグレブ」。ザグレブ中央駅のすぐ傍にあり、オリエント急行の乗客を泊めるために1925年に建設されました。貴族や王侯など、世界中多くの上流階級の人たちが滞在した格式高いホテルで、内装も豪華でエレガント。アガサ・クリスティの小説『オリエント急行殺人事件』の登場人物の姿を思い描きながら、その時代に想いを馳せて泊まられてはいかがでしょうか。
<ホテル・エスプラネード・ザグレブの基本情報>
住所:Ul. Anton Mihanovica 1, 10000, Zagreb
電話番号:+385-1-4566666
20世紀初頭、多くのセレブを乗せて往来したオリエント急行。その名残りを感じさせる蒸気機関車は、今もザグレブ中央駅の線路の上に停車しています。オリエント急行の停車駅だったことは、今もザグレブにとって市民の誇り。もう一度、本物のオリエント急行を走らせて欲しいと願う鉄道ファンも多いでしょう。
<ザグレブ中央駅の基本情報>
住所:Trg kralja Tomislava 12, 10000, Zagreb
電話番号:+385-1-3782532
営業時間:24時間
ザグレブは、昔からバルカン半島と東西ヨーロッパを繋ぐ交通の要衝として発展してきました。空路、陸路ともに交通のアクセスが良く、今日でもクロアチア観光の玄関口として、多くの観光客が訪れています。
観光スポットは集約されているので、徒歩でも丸一日あれば十分見て回れますが、夜のザグレブもロマンティックですので、出来れば一泊されることをお勧めします。
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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