日帰り登山で楽しむ百名山「岩手山」で火山のパワーを感じよう

日帰り登山で楽しむ百名山「岩手山」で火山のパワーを感じよう

更新日:2019/09/05 13:27

岩手県の盛岡市内からもくっきりと見える岩手県のシンボルが、今回紹介する「岩手山」です。十和田八幡平国立公園に指定されているものの八幡平の人気に比べて訪れる人が少ないのが現状ですが、百名山の名に恥じぬ素晴らしい眺望を誇ります。しかも盛岡市内から近くアクセス良好!登山道も明瞭!、そして歩行時間7〜8時間と日帰りも可能!と三拍子揃っています。しかも火山のパワーに満ち満ちた信仰の山。これは登るしかない。

アクセス良好、市内からクルマで30分!

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南部富士の愛称をもつ「岩手山」は岩手県の最高峰(2,038m)にして盛岡市内からも間近に眺めることのできるシンボル的存在。すごく近くに見えますが、実際に近いんです。人気の「八幡平」が市内からクルマで90分ほどかかるところ、岩手山のメイン登山口である「馬返し」まではなんと30分程度。

バスは出ていませんがタクシーでも片道5000円程度ですから、気軽にアクセスできる距離ですね。

アクセス良好、市内からクルマで30分!
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メインの「馬返し」の駐車場から写真の緩斜面を少し登ったところに登山口とトイレ、さらに水場があります。一本道ですので迷うことはありません。

アクセス良好、市内からクルマで30分!
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そして実際の登山口はこちら。登山届けを出せますし、地図も掲示されています。通常のコースタイムは往復7〜8時間を目安としますので、日帰り登山が一般的ですが、登山に慣れていない人や出発が午前10時以降になってしまう人は途中にある避難小屋(食料と寝袋は持参なので注意!)を使って一泊二日の予定を組んでもOKです。

なお、地図がなくて不安という方に朗報です。岩手山は「モバイル登山システム」という携帯電話を用いたオンラインでの登山届けやGPS連動型地図を平成28年7月から無料で提供しているんですね〜。安全管理もばっちりですね(ただ道中では充電できまでんので電池残量には留意してください)。

登山道は良く整備されています!

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登山道は明瞭で道迷いも少なく、また一合目、二合目といった道標が点在しているので、後どれくらいで頂上なのかも分かりやすい親切設計。2.5合目で新道と旧道とに分かれますが、展望が良いのは旧道のほうですし、若干傾斜も緩めなので、旧道を登りに選びましょう。新道も通りたい場合は帰路に使えばOKです。

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旧道は五合目を過ぎたころから木々が低くなり、地面が火山砂礫となると展望がとれるようになります。振り返ると麓のまちを一望できます。道標には旧道の英訳にパノラマティックコースと書いてありますが、まさにその通りですね。なお七合目で分かれた新道と合流します。

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八合目に到着すると無人とは思えない立派な避難小屋が見えてきます。ここにはトイレも水場もありますので休憩するにはもってこいですね。

なお小屋は夏季シーズンのみ管理人が駐在し毛布や軽食を提供しますが、通常は無人です。使用したら綺麗にして元の状態にしておくのがマナーです。

また水場については夏季シーズンには水量が少なくなることもあるので、念のため飲み水は多めに持っていきましょう。

お鉢めぐりが楽しい頂上へ

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八合目を過ぎると分岐(不動平)がありますが、大きな岩と小さな避難小屋がある方面は別の登山口に降りる道なので、行きも帰りもそちらに行かないように注意しましょう。

お鉢めぐりが楽しい頂上へ
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八合目から山頂目指してついに到着!と思いきや目の前に広がる巨大クレーター。そう岩手山は記録されているだけでも17世紀頃から噴火を繰り返しており、富士山のように巨大なお鉢が存在するのです。

そして最も高い部分は奥に見える薬師岳(ちなみに手前のピークは妙高岳と呼ばれます)なので、あそこまでいかないといけません。

なお岩手山はこの山体全体の名前で各ピークには前述の通り正式には名前が別についています。一般的に岩手山に登ったと言うには薬師岳(ここが標高2,038m地点)を踏まないといけません!

お鉢めぐりが楽しい頂上へ
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傾斜の関係からお鉢は左回りがおススメです。お鉢の周りには小さな石仏が立っており、ここが信仰の山であることうかがわせます。

そして、お鉢周辺は遮るもののない大展望が楽しめます!次々と変わる景色に目を奪われそうです。

ただし遮るものがないということは同時に風にもさらされるということです。標高が高い場所なので夏でも防寒具と手袋は必須です。また悪天候時は風も相当強くなるので引き返すなどの判断も必要になってきます。

頂上から今度は逆方向へ

頂上から今度は逆方向へ
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ようやくピークに到達しました!ここから360度の北東北の大展望を楽しみましょう!

なお、看板に描いてある花はコマクサ。後述する別コースである焼走り方面から6月下旬頃に登ると見られる可憐な高山植物です。

頂上から今度は逆方向へ
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噴火口のほうを見るとその爆発のパワーを感じますね。戻るときは引き返すのではなくそのまま左回りに進みましょう。手前にみえる、ケルン(石を山積みにしたもの)の積んである妙高岳の反対側のふもとに「岩手山神社奥宮」がありますので、そこを目指します。

頂上から今度は逆方向へ
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なお1731年に噴火した際は溶岩が麓に流れています。今回登ってきた南東側の「馬返し」のコース方面ではなく北東側に流れました。このマグマが固まった場所が「焼走り溶岩流」と呼ばれ観光スポットとなっています。

こちら側にも登山コースが整備されており、今回とほぼ同じぐらいのコースタイムで登ることができます。前述した6月下旬頃の高山植物シーズンにはこちらからの登山を検討してみるのも良いですね。登山口は盛岡市内から少し遠くなり、クルマで45分ほどかかります。

岩手山神者奥宮で火山活動の息吹を感じる

岩手山神者奥宮で火山活動の息吹を感じる
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岩手山山頂(薬師岳)からお鉢を巡りながら中心の妙高岳の麓に回り込むと、地下から煙(火山性水蒸気)がたくさん出ている場所に辿り着きます。大地のパワーを感じるスポットです。ここが「岩手山神社奥宮」のある場所です。

ここをまっすぐ進むとお鉢めぐりの基点に戻りますが(一周約60分)、少し足を止めてお参りしていきましょう。

岩手山神者奥宮で火山活動の息吹を感じる
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「岩手山神社奥宮」はシンプルな石室というか、祠にすぎませんが、周りに吹き出る火山性水蒸気も相まって神秘的な雰囲気を醸し出しています。日本古来の山岳信仰のパワーを感じさせてくれる場所ですね。帰路の安全を祈願してから来た道を下山しましょう。

なお、繰り返しになりますが往復7〜8時間はかかるコースです。しっかりとした装備と時間に余裕を持って(秋には17時ごろには日が暮れます!)登山を楽しんでください。

雪の降る冬季を除く6〜11月が登山適時です。

それでは気をつけていってらっしゃいませ〜。

岩手山(馬返し登山口)の基本情報

住所:岩手県滝沢市上岩手山
電話番号:019−656−6534(滝沢市役所経済産業部商工観光課)
アクセス:滝沢ICから馬返し登山口駐車場までクルマで15分、盛岡市内から同30〜35分

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/18 訪問

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