妖しく輝くウランガラスをお土産に!ノヴィー・ボルのチェコガラス工房アイエト

妖しく輝くウランガラスをお土産に!ノヴィー・ボルのチェコガラス工房アイエト

更新日:2019/03/13 19:18

さとちんのプロフィール写真 さとちん ご当地グルメライター、海鮮丼マニア、チェコ親善アンバサダー
チェコガラスの中でもウランを使ったウランガラスは、世界中でチェコでしか作られていない貴重なガラス。紫外線があたると妖精のように仄かに輝きます。

ノヴィー・ボルにあるアイエトはチェコガラス制作の様子を見学したり、ガラス製品を実際に作成することができるガラス工房。ここでは運が良ければウランガラスの作品を自分で作ることも可能です。
ウランガラス製品の販売もしているのでお土産にいかがですか?

ノヴィー・ボルから車で10分のリンダヴァ村

ノヴィー・ボルから車で10分のリンダヴァ村

写真:さとちん

チェコガラス…ボヘミアンガラスといった方がわかりやすいでしょうか?高い硬度と透明度が有名で、イタリアのベネチアンガラスと並ぶ高級ガラスです。

首都プラハから北に90Km。ドイツとの国境に近いノヴィー・ボル(Novy Bor)は、18世紀初頭には21軒の家があるだけの小さな村でした。ところが、この土地にはガラスの原料となるシリカやるつぼ用の粘土、窯の素材となる岩石が豊富だったことからガラスの製造が盛んに行われるようになり、18世紀中ごろには北ボヘミアのチェコガラス加工の中心地となったのです。

ノヴィー・ボルから車で10分のリンダヴァ村

写真:さとちん

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列車のノヴィー・ボル駅から車で11分。リンダヴァ(LINDAVA)村にあるのが、チェコガラス工房のアイエト(AJETO)。グラスや照明器具など多くのチェコガラス製品以外に、パリのペニンシュラホテルをはじめとする世界各地のラグジュアリーホテルや高級デパートを華やかに彩る照明を手がけているガラス工房です。ここで作られている製品の90%は海外に輸出されているんですよ。

広い草原と森が続く中に忽然と現れるピンクの建物。十数人のガラス職人が制作を行っているガラス工房です。よく見ると建物のまわりにはガラスでできた木や草のオブジェがさりげなく本物に混じって置いてあり、工房というより美術館のよう。

ノヴィー・ボルから車で10分のリンダヴァ村

写真:さとちん

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隣接しているレンガ造りのレトロな建物は実際にガラス制作ができる工房で、レストラン「スクラスカー カルチュマ」やお土産を販売しているショップも入っています。

世界有数のチェコガラスができるまで

世界有数のチェコガラスができるまで

写真:さとちん

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アイエトがリンダヴァに工房を作ったのは1994年のこと。デコラティブな製品が多かった中、硬度と透明度を向上させ、チェコガラスをシンプルでさらに上質なガラスへと進化させていきました。

2007年、アイエトから伝統的な技法と現代的なデザインを融合させたブランド「ラスビット(LASVIT)」が誕生すると、繊細でエレガントな作品は世界中へと広がっていきます。2017年からは日本でも販売が開始されました。

そんなアイエトのチェコガラス制作の場を見学できるというのですから、それだけでもノヴィー・ボルに行く価値があるというものです!

世界有数のチェコガラスができるまで

写真:さとちん

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見学は作業の邪魔にならないよう2階から行います。ガラス作りはチームワーク。3〜4人が1グループとなって、手際よく作業を進めていきます。

熟練の職人に混じって若い人の姿も見られます。一人前の職人になるまでは10年以上かかるとのことですが、一流のガラス職人になることを目標に真剣にガラス作りと向き合っている姿には、チェコガラスの明るい未来が見えます。

世界有数のチェコガラスができるまで

写真:さとちん

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1200度の溶解炉の傍で作業をするのですから、その熱さたるや尋常ではありません。脱水予防に水分をとるのですが、それがなんとビールなんです!ここでは1日に4杯までビールを飲んでも良いことになっているのです。なんともチェコらしい職場ですね。

チェコガラス作りに挑戦

チェコガラス作りに挑戦

写真:さとちん

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レンガ造りの建物内にある小さな工房では、2人1組でチェコガラスの制作をしている様子を目の前で見学することができます。写真で制作中の蛍光色に輝いているガラスがウランガラス。ごく微量のウランを混ぜ着色することで、黄色、もしくは黄緑色の光を放つガラスになります。

1830年代から1940年代まではウランガラスの器やアクセサリーが多く作られていましたが、現在では民間でのウランの取り扱いが難しくなったため、チェコでしかウランガラスは作られていません。

アイエトでは大量注文が入った時にウランガラス作りを行っています。

チェコガラス作りに挑戦

写真:さとちん

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工房では実際に自分でガラスづくりができる体験プログラムがあります。
熱してやわらかくなったガラスに長い管を通して空気を入れ、膨らませたら模様のついた型に入れて形を整える吹きガラスという製法。熟練したガラス職人が横で丁寧にサポートしてくれるので、10年の修業期間を吹っ飛ばし、誰でも簡単に素敵な作品を作ることができます。

自分だけのビアジョッキや花瓶はチェコの良い思い出になりますね。

チェコガラス作りに挑戦

写真:さとちん

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体験プログラムは工房で使用していたガラスを使うので、タイミングよくウランガラス製品を制作中のところにあたると、ウランガラスの作品を作ることができるんです。

お土産にしたいウランガラス

お土産にしたいウランガラス

写真:さとちん

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もしウランガラスを制作していなくても、お土産でウランガラスの製品を買って帰ることができます。

写真はウランガラスのキューブ。冷蔵庫で冷たくして氷代わりにも使用できます。氷と違って溶けないので飲み物が薄くなることはありません。ウランガラスは紫外線(ブラックライトなど)を当てると蛍色に輝くので、オシャレなバーでこっそりお友達のグラスにウランガラスを入れて、ビックリさせちゃうのも楽しそう。

ウランガラスと聞くと体に悪いのでは?と思う人がいるかもしれませんが、ウランの含有量は微量で体には害がないレベルです。むしろ微量の放射線が体に良いという説まで。

飾っているだけでもきれいですよね。チェコでしか作られていないのですから、お土産にしたら喜ばれること間違いなしです。しかもお値段一個25コロナ(約125円)!

お土産にしたいウランガラス

写真:さとちん

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ウランガラス以外でもネックレスやピアスなどアクセサリーもとってもかわいいです。しかもリーズナブル!写真のネックレスとピアスのセットは300コロナ(約1500円)。あれもこれも、たくさん買い過ぎてしまいそうです。

観光もいいですが、伝統工芸を身近で見学したり、実際に体験するのも忘れられない旅の思い出になりますよ。しかも貴重なお土産まで買えちゃうんですから。

広い庭では野生のヌートリアを間近で見ることも!

広い庭では野生のヌートリアを間近で見ることも!

写真:さとちん

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広大な庭も是非散策してみてください。工房の入口同様ガラスのアート作品が自然の中に飾られています。かわいい動物との出会いも待っていますよ。

広い庭では野生のヌートリアを間近で見ることも!

写真:さとちん

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かわいい動物というのは野生のヌートリア。人間を怖がっていないので、餌を食べる姿や、敷地内の小川を泳ぐ様子を目の前で見ることができます。

広い庭では野生のヌートリアを間近で見ることも!

写真:さとちん

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レストラン「スクラスカー カルチュマ」のメニューは広いテラス席でもいただくことができます。チェコの伝統料理とビールを飲むのには最適なロケーション。暖かい日に出かけたいですね。

ノヴィー・ボルは首都プラハから少し離れていますが、車で10分ほど走ると国立公園のボヘミアンスイスがあります。ガラス工房見学を涼しい午前中に済ませ、その後はハイキングというプランで出かけるのもお勧めです。

アイエトの基本情報

住所:Tr. T. G. Masaryka 278, 473 01 Novy Bor
電話番号:+420-487-722-677
アクセス:首都プラハから列車でニンブルク(Nymburk)、もしくはムラダー・ボレスラフ(Mlada Boleslav)で乗り換えてノヴィー・ボル駅まで2時間半から3時間。ノヴィー・ボル駅から車で10分

2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:チェコ政府観光局

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/20−2018/10/29 訪問

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