博物館の町フルディムでチェコの文化に触れる旅をしよう!

博物館の町フルディムでチェコの文化に触れる旅をしよう!

更新日:2019/03/11 20:50

さとちんのプロフィール写真 さとちん ご当地グルメライター、海鮮丼マニア、チェコ親善アンバサダー
チェコの中でもボヘミア地方と呼ばれるエリアの東側に位置するフルディム。19世紀には学術や芸術が栄え「東ボヘミアのアテネ」と呼ばれていました。そのなごりで町には今も博物館や美術館が多く残っています。

今回はフルディムで立ち寄りたい博物館と、近くにある小さな町トジェベホヴィツェ・ポト・オレベムにある貴重なベツレヘム(キリストの生誕を描いたジオラマ)の博物館を紹介します。

チェコ最古のマリオネット博物館はフルディムに。

チェコ最古のマリオネット博物館はフルディムに。

写真:さとちん

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首都プラハから110q東にあるフルディム。町の中心はネオ・ゴシック様式聖母マリア大聖堂が建つレッセル広場。観光案内所も近くにあります。

チェコ最古のマリオネット博物館はフルディムに。

写真:さとちん

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ユネスコの無形文化遺産に登録されているチェコのマリオネット。その歴史と文化について知りたい人はチェコで一番古いマリオネット博物館(Museum of puppets)に出かけてみましょう。レッセル広場からは歩いてすぐ、写真左側の建物です。

18世紀、フルディムを含む東チェコからチェコのマリオネットの文化が始まります。当時は馬車に荷物を乗せ、町から町へと移動して劇を行うというもので、いくつかのファミリー劇団によって各地に広まっていきました。

マリオネット博物館は首都プラハに建造される予定でしたが、チェコのマリオネットの歴史が始まった東チェコの地にこそ作るべきと訴え、1972年、フルディムに最初のマリオネット博物館が建てられました。建物はルネッサンス様式だった個人の家を改築したものです。

チェコ最古のマリオネット博物館はフルディムに。

写真:さとちん

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19世紀後半になるとマリオネット用の劇場ができ、20世紀には政府のサポートもあって大ブームとなりました。マリオネット劇で特に人気だったのは「ファウスト」のように悪魔が出てくる物語。テレビも映画もない時代、マリオネットは子どものためではなく、大人のための娯楽だったんです。

そのうち一般の人たちもマリオネット劇を行うようになり、自分で人形を作ったり、マリオネットセットが販売されるようになりました。第一次大戦中は兵士が戦場でマリオネット劇を行っていたとか。

博物館には18世紀に作られたものから現代のものまで約50,000体の人形が展示されています。ほとんどがひとりのコレクターによって集められたものだというのが驚きです。20世紀の有名な人形劇アーティスト、イジー・トルンカやヨゼフ・ヴァルハラ、ヴォイタ・スハルダなど、社会的ブームとなった作品も展示されていますので、是非注目してみてください。

マリオネット見学以外にも見どころ満載!

マリオネット見学以外にも見どころ満載!

写真:さとちん

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売店にはお土産に喜ばれそうなかわいいマリオネットやグッズがたくさん!プレイルームでは、自分でマリオネットを操って人形劇を体験することもできます。

マリオネット見学以外にも見どころ満載!

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博物館の建物はルネッサンス建築としても大変貴重なもの。塔からは360度フルディムの町が見渡せます。

マリオネット見学以外にも見どころ満載!

写真:さとちん

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博物館のテラスも素敵なフォトスポットです。博物館をバックに、フルディムの町をバックに、どちらにしてもインスタ映え間違いなしの1枚が撮れます。

<マリオネット博物館の基本情報>
住所:Bretislavova 74, 537 01 Chrudim
電話番号:+420-469-620-310
アクセス:フルディム駅から徒歩14分

繊細で美しい彫刻が並ぶバロック彫刻博物館

繊細で美しい彫刻が並ぶバロック彫刻博物館

写真:さとちん

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マリオネット博物館から歩いて3分の場所にあるバロック彫刻博物館(Muzeum barokních soch)。17世紀と18世紀前半の東ボヘミア地方の石像と木造彫刻が展示されています。

繊細で美しい彫刻が並ぶバロック彫刻博物館

写真:さとちん

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繊細で美しい彫刻に圧倒されますが、建物自体も17世紀に建てられた以前カプチン修道院を改築したものなので、館内の壁画や窓、柱などにも是非注目してください。

こちらはクラシック音楽コンサート、結婚式、卒業証明書の授与など、様々な文化的・社会的イベントにも利用できます。ミニシアターも併設しているんですよ。

繊細で美しい彫刻が並ぶバロック彫刻博物館

写真:さとちん

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一部昔のままの部分も残してあり、改築前の様子も見学できるようになっています。すぐれた再建技術は世界からも称賛され、多くの賞を受賞しています。

<バロック彫刻博物館の基本情報>
住所:Chrudimska beseda siroka 85, 537 01 Chrudim
電話番号:+420-603-881-004
アクセス:フルディム駅から徒歩15分

ミュシャのポスターが常設されているフルディム地方博物館

ミュシャのポスターが常設されているフルディム地方博物館

写真:さとちん

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フルディムの歴史や文化に関する展示を行っているのが、バロック彫刻博物館から徒歩8分のフルディム地方博物館(Regional Museum of Chrudim)です。19世紀後半に建てられルネッサンス様式とバロック様式の2つの建物で構成されています。

考古学、民俗学、文化、芸術、フルディムに関するあらゆる資料がここに集まっています。

ミュシャのポスターが常設されているフルディム地方博物館

写真:さとちん

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この博物館で見逃せないのが常設展示されているアルフォンス・ミュシャのポスター。ミュシャの妻マルシュカ・ヒティロヴァーがフルディム出身だった縁で41枚のポスターが展示されています。

ミュシャのポスターが常設されているフルディム地方博物館

写真:さとちん

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<フルディム地方博物館の基本丈夫>
住所:siroka 86, 537 01 Chrudim
電話番号:+420-469-620-330
アクセス:フルディム駅から徒歩9分

キリスト生誕のジオラマが展示されているベツレヘム博物館

キリスト生誕のジオラマが展示されているベツレヘム博物館

写真:さとちん

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フルディムから列車で50分、車なら40分の位置にあるトジェベホヴィツェ・ポト・オレベム(Trebechovice pod Orebem)は人口6,000人弱の小さな町です。

ここには日本人にはあまり馴染みのないベツレヘムの博物館があります。ベツレヘムはキリストが誕生した時の様子を描いたジオラマのこと。クリスマスが始まる前にジオラマを作り、クリスマスになったらイエス・キリストの人形を入れて完成です。この博物館には全部で500個のベツレヘムが展示されています。

ベツレヘム作りは趣味として行われていて、一部の地域ではそれぞれの家庭で作ったベツレヘムをクリスマスに自宅を開放して一般公開していました。どの家のベツレヘムが一番素晴らしかったか町の話題となっていたとか。今の日本でいうとクリスマスのイルミネーションを競い合っているようなものでしょうか。

キリスト生誕のジオラマが展示されているベツレヘム博物館

写真:さとちん

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様々な材料で作られたベツレヘムが展示されている中、横が2メートル以上ある大きなベツレヘムが展示されています。これは1940年にひとりのおばあさんが作ったもので、象やラクダを見たことがなかったおばあさんは、孫から絵本を借りて象とラクダの人形を作ったと言われています。家事や仕事の合間をぬってコツコツと作るのがベツレヘムでした。

キリスト生誕のジオラマが展示されているベツレヘム博物館

写真:さとちん

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博物館の中でも一番圧巻なのが2000個以上の木造のパーツで作られた巨大なベツレヘム。横7メートル、幅3メートル、高さ2メートルは世界一の大きさです。しかもなんとこのベツレヘム350個の部品によって動くんです!100年以上前に作られたとは俄かに信じられない作品です。

これを作ったヤン・プロボシュトは彫刻家でも技術者でもなく、馬車の運転手でした。奥さんのために作った小さな木製のベツレヘムがまわりに好評だったことから、このような大作を作りだしたんです。172人の人形の中にはヤン・プロボシュト本人や家族、友達もいて、本当に楽しんで作っていたんだなというのが伝わってきます。お金と時間をかけてベツレヘム作りをしている夫を奥さんがどう見ていたかはわかりませんが…。

このベツレヘムは1999年にチェコの国家文化遺産に指定されました。

売店には簡単に作れる紙のベツレヘムがお土産として販売されていて、チェコのお土産として喜ばれそうです。

<ベツレヘム博物館の基本情報>
住所:Masarykovo namesti 1426, 503 46 Trebechovice pod Orebem
電話番号:+420-495-592-053
アクセス:トジェベホヴィツェ・ポト・オレベムの駅から徒歩11分

フルディムへのアクセス

首都プラハからフルディムまで列車の場合パルドゥビツェで乗り換えて1時間半ほど。パルドゥビツェからは列車で25分です。トジェベホヴィツェ・ポト・オレベムまではプラハから1時間30分。やはりパルドゥビツェで乗り換えとなります。プラハから日帰りで2つの都市をまわることも可能です。チェコの歴史と文化を体験できる4つの小さな博物館をまわってみませんか?

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:チェコ政府観光局

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/20−2018/10/29 訪問

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