写真:乾口 達司
地図を見る美具久留御魂神社は大阪府富田林市に鎮座する神社。宮町の集落を見下ろす丘陵地に東を向いて鎮座しています。
「美具久留御魂神社」と書いて何と読むでしょうか。正解は「みぐくるみたまじんじゃ」。なかなか読めない社名ですよね。
写真:乾口 達司
地図を見る主祭神は大国主命とされる美具久留御魂大神(大国主命)。その左右に天水分神(あめのみくまりのかみ)・弥都波迺売命(みずはのめのみこと)・国水分神(くにのみくまりのかみ)・須勢理比売命(すせりひめのみこと)が配置されています。
社伝によると、その創建は崇神天皇の時代にさかのぼります。当地に大蛇が出没したことで、天皇は大国主命をまつらせました。その後、丹波国氷上郡の氷香戸辺の神託によって「美具久留御魂」の名を賜ります。美具久留御魂神社名は神託のなかの「山河之水泳御魂(やまがわのみくくるみたま)」という文言にちなんでおり、その名のとおり、山から流れ出た水を配分するということに由来します。
写真:乾口 達司
地図を見る中世には南北朝の英雄・楠木正成が建水分神社とあわせて当社を崇拝しており、建水分神社が「上水分社」と呼ばれたのに対して、「下水分社」と呼ばれていました。いまでもご覧の石灯籠に刻まれた文字から、当社が「下水分社」と呼ばれていたことがわかります。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は山麓に位置する下拝殿。ここから石段を登って本殿へと向かいますが、まずはここで鈴を鳴らし、お参りしましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るご覧のように、拝殿から本殿までは急な石段が続いています。手すりを使い、足元に注意しながら、ゆっくり登りましょう。お気をつけください。
写真:乾口 達司
地図を見る本殿をまわりこむようにして、山道が山頂へのびています。山道を登ること、約5分。ご覧のような簡易の鳥居が設けられている山頂に到着します。簡易の鳥居と立ち入り禁止を示すロープの向こうにあるこんもりとした盛り土、実はこれ、前方後円墳なのです。
美具久留御魂神社の裏山、その山頂付近には4基から成る古墳群が存在し、「美具久留御魂神社裏山古墳群」と呼ばれています。ひょっとすると、古墳の被葬者は美具久留御魂神社の祭神に当たる人物かも知れませんね。
写真:乾口 達司
地図を見るほかにも、山頂付近には、全国の一宮をまとめて拝む遥拝所(奉拝所)が点在しています。それぞれの遥拝所から拝むと、全国各地の一宮をそれぞれめぐったのと同じご利益が得られるというわけです。こういった信仰も見られるため、本殿を参拝した後は山頂付近まで足をのばしてみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る下拝殿の前に立った折には、ご自身の後ろをぜひ振り返ってみてください。ご覧のように、大阪府と奈良県との県境にそびえる二上山を真正面に眺めることが出来ます。美具久留御魂神社の魅力は、そこにあります。
二上山は日本最古の社とされる大神神社(奈良県桜井市)の御神体・三輪山(みわやま)の真西に位置しており、その二上山を真正面に見るということは、三輪山・二上山・美具久留御魂神社が東西一直線に並んでいるということになります。その点を踏まえて、美具久留御魂神社が古代の信仰にもとづく特別な神社であるとする考えもありますが、果たして三輪山・二上山・美具久留御魂神社の一直線の並びは偶然なのか、あるいは、古代人にとっては何らかの必然性のある配置だったのか、ご自身であれこれ推理してみてはいかがでしょうか。
美具久留御魂神社がいかに独特の存在感を放つ社であるか、おわかりいただけたことでしょう。その珍しい社名ともども、謎めいたその存在を通して、美具久留御魂神社をめぐる古代史の世界に分け入ってみてはいかがでしょうか。
住所:大阪府富田林市宮町3丁目2053
電話番号:0721-23-3007
アクセス:近鉄長野線「喜志駅」から徒歩約15分
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/10/8更新)
- 広告 -