写真:毎川 直也
地図を見る東急池上線で始発の蒲田駅から1駅の「蓮沼駅」。そこから住宅街を歩いて2分、木のぬくもりある雰囲気の建物が見えてきます。2017年12月にリニューアルオープンした「はすぬま温泉」です。漆喰で塗られた壁面に、木枠をあてた外観。一見銭湯には見えません。
正面にまわると「はすぬま温泉」と染め抜かれた暖簾、外国語対応の入浴マナーポスターが掲出されています。入口わきに置かれた「わ」と書かれた板は、板に「わ」と書かれているので、お湯が沸いた、つまり営業中の意味。ちなみにうらは「ぬ」。お湯を抜いた、営業していないという意味です。
写真:毎川 直也
地図を見る店舗横には通常の駐輪場に加え、5台のロードバイク専用駐輪場を完備。車も店舗横に3台、向かいの建物のガレージに1台、合計4台止めることができます。駅近の銭湯という好立地に甘んじることなく、様々な交通手段に対応しています。
写真:毎川 直也
地図を見る店内にはいるとまず料金を支払うフロント、そして待合所があります。歯ブラシやタオルなど、必要なものはここで購入しましょう。浴室にはシャンプー、ボディソープが備え付けられています。サウナ利用は別料金の300円をここで支払い、専用のタオルと敷物、サウナの扉の鍵を受け取りましょう。
脱衣場は木材をふんだんに使った、優しい色合いに仕上がっています。照明器具も木材、洗面台は枯山水を描いた陶器製と、徹底して和の雰囲気を演出しています。こだわりは見た目だけではなく機能性にもあり。ロッカーのサイズは大きめにとられ、スーツをかけられる縦長のロッカーも完備しています。
写真:毎川 直也
地図を見るはすぬま温泉の改装テーマのひとつ「大正ロマン」。それを象徴するのがこのステンドグラスです。日中は外の明かりに照らされ淡く、夜になると店内の明かりに照らされ濃く発色し、脱衣場の雰囲気を彩っています。天井は木枠で仕切られた格天井、そこから垂れるシャンデリアは木製。日本では販売されていない、ドイツから取り寄せた逸品です。
写真:毎川 直也
地図を見るこだわりは見上げるだけではありません。床に使われている木材は、本来は破棄されてしまう節のあるものをあえて使っています。かつて銭湯では、薪を使って湯を沸かすことが当たり前でした。その薪は基本的には廃材。再利用できないものをリサイクルしていた経緯があります。その「昔ながらの銭湯」のよさを残したい、伝えたい。そんな思いが込められています。
写真:毎川 直也
地図を見る浴室は柔らかい色合いの落ち着いた雰囲気。中央に3つに区切られた湯船が設置され、それを取り囲むように洗い場となっています。シャワーヘッドは可動式で、好みの方角に水流を当てることができるほか、鏡の横には手すり兼物掛けが設置されています。オシャレななかにも利用者のことを考えた機能が詰め込まれているのです。
写真:毎川 直也
地図を見る男女の浴室を仕切る壁には四季を表現した絵が配されています。テーマは「旅情花鳥風月」。ペインティングユニット「グラビティフリー」の作品です。湯船を中央に配置しているおかげで、水面が波立っていないときにはこれらの絵が水面に反射している様子を見ることができます。波が収まるにつれて鮮やかに浮かび上がる花鳥風月…浴場ならではの仕掛けです。
写真:毎川 直也
地図を見る一番奥の主浴槽は、背景画に描かれた滝の水が湯壺へ注がれ、そこから湯船へと流れていくような景色となっています。湯壺は花崗岩製の特注品、「お客来い来い」で縁起が良い鯉が彫り込まれています。滝に鯉ということで、鯉の滝登り、立身出世を意味しています。温泉の効能に加え、縁起もしっかりと担いでいるのです。
はすぬま温泉の湯船はすべて温泉でお湯張りされています。このお湯は緑茶のような色をした、ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で、汚れをすっきりと洗い流し、塩の成分で保温効果もある泉質です。一番奥の湯壷が設置されている湯船は通常の天然温泉。写真手前側は浅くつくられているため、大迫力の背景画を見ながら半身浴ができます。
中央には天然温泉に人工炭酸を加えた「炭酸温泉」。ぬるめの38度に設定してありますが、炭酸の血流改善効果でよく暖まり、どんどん汗がでてきます。
炭酸温泉の湯船では、静かに入浴するのがオススメ。湯船のなかで体を動かすと炭酸が揮発してしまうことと、バイブラ等水面に波が立つ設備がないため、水面に映る「旅情花鳥風月」が綺麗に見られます。
一番手前の湯船は水風呂。こちらの水風呂は加温しない源泉掛け流し。温泉本来の姿に触れることができます。こちらの湯口にあるライオンは、常連達から「はすぬマーライオン」と親しまれる、はすぬま温泉のトレードマークです。サウナと組み合わせて冷温交互浴をぜひ体験してみては?
はすぬま温泉の醍醐味は休憩所での会話です。温泉のこと、銭湯のこと、疑問点はお店のかたが気さくに答えてくれます。またお客さん同士の会話も多く、昔ながらの銭湯のよさがしっかりと根付いています。それが重要だと理解しているはすぬま温泉では、テレビの音量は低めにして営業しています。
そんなお客さん同士の会話を引き出してくれる仕掛けが、床面に仕込んであります。床下にディスプレイを埋め込むことで、池を再現しているのです。鯉や魚が泳ぎまわり、耳をすませば鳥の鳴き声も聞こえてきます。じーっと眺め続けていると、季節ごとに変わるレアキャラが登場することも。
そんな湯上がり時間を盛り上げる飲料は、定番の牛乳、炭酸飲料、アイスクリーム、お酒はおさえつつ、大田区の友好都市である秋田県美郷町の物品も販売しています。ニテコサイダー、りんごサイダーは美郷町の水でつくった、甘すぎない、清涼感のある炭酸飲料です。そして驚きなのはその隣に並ぶ「いぶりがっこ」。銭湯で販売しているところははすぬま温泉以外、見たことがありません。
新しさが注目されがちなはすぬま温泉。昔ながらの銭湯の良さを意識的に取り入れ、利用者の利便性を考え、そして徹底的に温泉を堪能できる。それが460円…破格と言っていいでしょう。温泉に行きたい、そんな思いが芽生えたらぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
住所:大田区西蒲田6-16-11
電話番号:03-3734-0081
営業時間:15:00〜25:00
定休日:火曜日
アクセス:東急池上線、蓮沼駅から徒歩2分
※浴室、脱衣場内の撮影は開店前に許可を得ておこなっています。営業中の撮影は厳禁です。
2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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