写真:肥後 球磨門
地図を見る徳島県鳴門市の鳴門公園内にある「大塚国際美術館」の入り口に立つと「あれ?」と奇妙な感じがしますが、その訳は入り口は見えても奥の建物が見えないからです。瀬戸内海国立公園内で建築規制があるため山をくりぬいて作った地下3階、地上2階の巨大な美術館は周囲の山々と一体化しています。
写真:肥後 球磨門
地図を見る展示されているのは全て「陶板名画」です。写真のフェルメールも。名画を陶板に複製するには、著作権者や所有者の許諾を得ることから始めなければなりません。現地調査や陶器の板への転写・焼成が終わったらさらに絵画を選定した著名な美術史家や原画の所有者による検品でようやく完成します。
原画と寸分たがわぬ出来栄えには舌を巻くほどです。
写真:肥後 球磨門
地図を見る『モナ・リザ』はルーヴル美術館では防弾ガラスの中にあり鑑賞を制限する柵がありますが、陶板名画は2000年経っても経年劣化がないので至近距離まで近づいて鑑賞できます。画家の筆遣いや絵の具の質感などを感じ取ってはいかがでしょうか。
写真:肥後 球磨門
地図を見るこの美術館の最初の見どころが「システィーナ・ホール」です。ミケランジェロによる『最後の審判』と『天地創造』が描かれたシスティーナ礼拝堂を再現したホールで、ローマ教皇の公邸であるバチカン宮殿にある礼拝堂を忠実に再現しています。天井画の全てが陶板画でできているとは信じられないほどです。
「システィーナ・ホール」の隣にある「スクロヴェーニ礼拝堂」は吸い込まれてしまいそうな美しい青色の天井が印象的です。壁画は新約聖書にまつわる物語が描かれています。この礼拝堂では実際に結婚式を挙げることもできるので、タイミングよく挙式の場面に立ち会えるかもしれません。
写真:肥後 球磨門
地図を見る聖テオドール聖堂や聖ニコラオス・オルファノス聖堂など内部が精巧に再現されている作品も多く、その緻密さに驚きます。
写真:肥後 球磨門
地図を見る地下二階にはルネサンスやバロックの作品が展示されていて、イタリアのウフィツィ美術館所蔵のボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』などが鑑賞できます。
写真:肥後 球磨門
地図を見るここでの最大の見ものがレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』で、そのスケールの大きさには圧倒されます。原画は劣化を防ぐために見学の制限がかけられていますが、2000年劣化しない陶板で再現されているので制限なしです。
写真:肥後 球磨門
地図を見る修復前後の2作品を向かい合わせで展示してあるので違いがよくわかるのも大塚国際美術館ならではの特徴ではないでしょうか。修復時に、キリストのこめかみあたりに釘を打って糸を引き正確な遠近法でこの大作を描いたことが分かりました。
正面からだけでなく左右の端に立って見ると両端の人物が大きく見え遠近法の手法がよくわかります。
写真:肥後 球磨門
地図を見るゴーギャンの『ヒマワリを描くゴッホ』とともに展示されているのがゴッホの7つの『ヒマワリ』です。
写真:肥後 球磨門
地図を見るゴッホの『ヒマワリ』は水彩などを含めると数十点におよび、そのうち花瓶に入った『ヒマワリ』は全部で7点あるとされています。オランダやドイツ、イギリスなど世界中に散らばっているゴッホのヒマワリ作品を一度に鑑賞できるのもこの美術館ならではです。
写真:肥後 球磨門
地図を見るかつて武者小路実篤らが美術館をつくるため展示用に購入した『ヒマワリ』も見られます。この作品はかつて兵庫県芦屋市にあり通称“芦屋のヒマワリ”と呼ばれていましたが、空襲で焼失し幻の作品となりました。
陶板とはいえ、原寸大に再現されたゴッホ独特の肉厚な絵の具のタッチと筆跡の迫力を十分に堪能できます。
写真:肥後 球磨門
地図を見る私立美術館としては日本最大級の延床面積なので順路に従って全ての作品を観てまわると、その距離なんと約4km。そんな広大な美術館内で疲れたら『モネの「大睡蓮」』の池に隣接した「カフェ・ド・ ジヴェルニー」での休憩をおススメします。
写真:肥後 球磨門
地図を見るこの池にモネが愛した睡蓮が咲き始めるのは5、6月頃からで、夏にピークを迎え10月頃まで楽しめます。自然味あふれる庭を見ながら、美術鑑賞の間のひと時にコーヒーとケーキはいかがでしょうか。コーヒーはサーバーで提供されるのでたっぷりといただけるのがうれしいです。
このカフェの他にランチがいただける「レストラン・ガーデン」やセルフスタイルのカフェ「カフェ フィンセント」もあるので、休憩しながらゆっくりと世界の名画を楽しんではいかがでしょうか。
とにかく広い大塚国際美術館。たっぷり時間をかけて名画を鑑賞するのはもちろん、時間が限られていれば1時間コース・2時間コースがある美術ボランティアによる定時ガイドがおススメです。「古代・中世」「ルネサンス・バロック」、「人気作品ベスト10」など時間やテーマにあわせて参加してみてはいかがでしょうか
当日限りであれば再入場が可能なので、鳴門の渦潮が発生する時間に退館して渦潮を見物後再入館するのもおススメです。
住所:徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
電話番号:088-687-3737
アクセス:神戸淡路鳴門自動車道 鳴門北ICより3分
2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/7更新)
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