写真:小野 和伸
地図を見る共同浴場とは、温泉地に建てられた地元の方々が管理する温泉を用いた入浴施設です。料金も100円、又は200円と低価格に設定されており、地元以外の方々に開放されている施設もあります。アメニティは設置されていませんので、持参しなければなりません。別府市では、入浴セットを片手に市内を歩く方を頻繁に見かけます。地元の方が共同浴場へ歩いて向かっているだけですが、その光景が温泉都市「別府」らしく感じられます。
写真:小野 和伸
地図を見る別府市内の共同浴場は、公民館(集会場)が付属されている場合が多いです。このことからも、別府市の方々にとって、温泉は地域の共用のものであり、中心的存在だったことが感じられます。
別府市で有名な共同浴場「竹瓦温泉」の2階にも集会場が併設されていることをご存知でしょうか。その他、改修された市営温泉「不老泉」「海門寺温泉」「亀陽泉」にも、しっかりと集会場スペースが確保されています。共同浴場を利用される場合は、是非御注目下さい。
写真:小野 和伸
地図を見るまた、別府市内の共同浴場の浴槽は、地盤面より下に設けられていることが多く、建物に入ると階段で下へ進みます。これはポンプが無い時代、地上に湧出した温泉を溜めるための工夫であったと言われています。現在は改修してバリアフリー化された施設もありますが、多くの共同浴場で今もなおその名残は残っています。
「共同浴場」と言うと、少し難しいイメージがあるかもしれませんが、是非観光客にこそ挑戦して頂きたい。そこで、入浴するのが楽しい3ヵ所の共同浴場をご紹介致します。
写真:小野 和伸
地図を見る浜脇温泉エリアにある東町温泉は、東別府駅より徒歩1分の位置に建てられています。外壁に「電車の待ち時間にちょっと一風呂!」と掲げられておりユーモアが感じられます。建物は2階建てとなっており、2階は公民館の用途として使われております。
料金ボックスにお金を投入し、階段を下りると浴室があります。脱衣室と浴室が一体となった広い空間、階段を下りた分、天井は凄く高くなっており開放感も感じられます。その様な広い空間の中央に、ポツンとある浴槽にまず魅かれます。
写真:小野 和伸
地図を見る男女の間仕切り壁に該当する部分に、素晴らしい絵が描かれています。緑の部分、カラフルな部分など抽象的ですが、良く眺めるとそれが何か次第にわかってきます。
この壁画は、別府市の都市そのものが描かれています。青は別府湾、緑は高崎山、ピンク等は別府市の都市です。小判型の浴槽に沿って温泉に浸かり、浴槽の縁に頭を置くと、壁画を良い位置で眺めることができます。これはもう最高の贅沢です。
男湯は別府の都市が描かれていますが、女湯は東別府周辺で有名な、桜の景色が描かれています。女湯の壁画にご興味のある方(女性)は、是非東町温泉までお立ち寄りの上、ご自身の目でお確かめ下さい。
写真:小野 和伸
地図を見る<東町温泉の基本情報>
住所:大分県別府市浜脇1丁目16-1
電話番号:0977-22-1288
アクセス:日豊本線「東別府駅」より徒歩1分
泉質:単純温泉
料金:大人100円
営業時間:5:30〜22:30
写真:小野 和伸
地図を見る別府温泉エリアにある紙屋温泉は、江戸時代より記録が残っている歴史ある共同浴場です。看板に掲げられている「路地裏の情緒」という言葉が似あいます。もちろん2階には、公民館が設置されています。玄関前には飲泉用の温泉が流れており、気軽に飲んで楽しむことも可能です。男女別の出入口の中央に番台があり、料金を支払った後に階段を下ります。脱衣室と浴室は分離されています。
写真:小野 和伸
地図を見る紙屋温泉は、比較的熱いと評判の温泉ですが、この熱さに慣れると病みつきになります。美肌効果のある温泉なので、湯上り後は肌のスベスベ具合もお楽しみ下さい。
女湯は「鶴見岳」が、男湯は「高崎山」が描かれています。両方とも別府の都市に寄り添うように聳えている名峰です。関東の銭湯では「富士山」を良く見かけますが、別府市では「鶴見岳」と「高崎山」が最も身近な名峰です。この様な絵の選択も、地域性を感じられて面白いところです。ダイナミックに描かれた名峰は、レトロな雰囲気の浴室と良く馴染んでいます。
男湯には「高崎山」が描かれていますが、男湯の壁画にご興味のある方(男性)は、是非紙屋温泉までお立ち寄りの上、ご自身の目でお確かめ下さい。
写真:小野 和伸
地図を見る<紙屋温泉の基本情報>
住所:大分県別府市千代町8番の2
電話番号:0977-24-3028
アクセス:日豊本線「別府駅」より徒歩15分
泉質:ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩・塩化物泉
料金:大人100円
営業時間:13:00〜23:00
写真:小野 和伸
地図を見る別府市の東西に延びる道路の一つに、「永石通り」と呼ばれる道路があり、その周辺は共同風呂が集中しています。先程ご紹介した紙屋温泉も同様ですが、末広温泉も永石通りの付近に建てられています。もちろん2階には集会場が設置されています。男女別の出入口の中央に料金ボックスがあり、入浴料を投函して中へ入ります。
写真:小野 和伸
地図を見る男湯は「鶴見岳」、女湯には赤く染まった「由布岳」が描かれています。由布岳は、鶴見岳の隣に寄り添う様に聳える名峰で、別名「豊後富士」と呼ばれている大分県の富士山です。
鶴見岳と由布岳はそれぞれ女性の山、男性の山として逸話が残っており、その山を選択し男湯と女湯に描いた点が、作者のメッセージ性が感じられて面白いです。
驚くことに、絵は四方全てに描かれています。美しく優しい雰囲気の絵に包まれて入浴する温泉は、心が凄く和みます。女湯の壁画にご興味のある方(女性)は、是非末広温泉までお立ち寄りの上、ご自身の目でお確かめ下さい。
写真:小野 和伸
地図を見る<末広温泉の基本情報>
住所:大分県別府市末広町4-20
電話番号:090-5725-5215
アクセス:日豊本線「別府駅」より徒歩15分
泉質:単純温泉
料金:大人200円
営業時間:7:00〜22:00
写真:小野 和伸
地図を見る共同浴場は、交流の場です。入浴する際は、十分にかけ湯を行い、マナーを守って入浴しましょう。入浴する際、加水する際は一声かけるなど、他の利用者に配慮を行うと、お互い気持ち良く入浴できます。
また、他の地域では見かけない習慣ですが、別府市内の共同浴場では、浴槽の縁に座ってはいけません。浴槽の縁は、肩まで浸かった際に頭を置く場所となり、枕の様な場所に座ることは不適切という考え方があります。
温泉に浸かり、他愛もない話で盛り上がることも面白い体験です。また年季の入っている建物も多い為、レトロな懐かしい気持ちにも浸れます。共同浴場ならではの楽しみ方です。
写真:小野 和伸
地図を見る別府温泉郷には「別府八湯温泉道」というスタンプラリーがあります。対象となっている温泉に入浴すると、スタンプを押す事ができ、スタンプを88ヵ所分集めると「名人」に認定されます。
東町温泉、紙屋温泉、末広温泉共通ですが、浴室の絵は男女別のものが描かれており、通常であれば片方の絵しか見ることはできません。反対側の絵がどうしても気になる方は、別府八湯温泉道名人会のお掃除プロジェクトに参加する方法も一つの手段です。そのイベントに参加し掃除を頑張ると、そのご褒美として男性は女湯の、女性は男湯の一番風呂に入浴することが可能です。
別府の温泉をさらに深く楽しみたい方は、関連MEMOに記載のホームページをご参照ください。
今回ご紹介した温泉は、全て駐車スペースが確保されています。また、3湯とも「別府八湯温泉道」の対象施設でもあります。入浴するとスタンプを押すことができますので、修行中の皆様も、観光でお越しの皆様も、是非別府という観光地を浸かってお楽しみ下さい。
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/13更新)
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