チベット最大級!天空の巨大尼僧院・亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)

チベット最大級!天空の巨大尼僧院・亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)

更新日:2018/11/11 20:20

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
中国四川省西部に広がる東チベット。そこには、古くから受け継がれたチベット仏教の僧院やチベット文化が息づいています。

そんな中でも、チベット圏最大級のチベット僧院にして尼さんだけが住む世界最大の小島が存在する亜青寺は、中国人だけでなく絶景マニアの間で人気急上昇中のスポット。今回は標高3,260mの高所にある天空の巨大尼僧院と言われるふしぎな世界をご紹介します。

絶景マニアに大人気の東チベットとは

絶景マニアに大人気の東チベットとは

写真:Mayumi Kawai

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中国と中央アジアの間に横たわる広大なチベット。特に四川省西部、青海省東南部、雲南省北西部などのチベット東部一帯をカム地方と呼び、日本人の間では「東チベット」の愛称で知られています。

富士山の標高を軽く超えるチベット高原では、氷河雪峰に囲まれた厳しい自然の中にも多くのチベット僧院が建てられ、チベット文化が現在に受け継がれています。

現在中国政府の厳しい統制下にあるチベットでは、一部地域において外国人の入境規制が強化されつつあります。そんな中でも絶景マニアの間でひそかなブームとなり、中国では今や一大観光スポットともなっている亜青寺は、未だに外国人も立ち入り可能なチベット僧院。今回はそのふしぎな世界をご紹介します。

尼さんだけが住む天空の尼僧院「亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)」

尼さんだけが住む天空の尼僧院「亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)」

写真:Mayumi Kawai

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東チベットの甘孜(ガンズ Ganzi)チベット族自治州白玉(バイユ Baiyu)県に属する、チベット圏最大級の僧院の一つ、亜青寺。「アチェンガル・ゴンパ」の名称でも知られますが、中国では中国語読みの「ヤーチン Yaqing」が一般的です。

亜青寺と最寄りの町・甘孜との間には、標高4,600mの卓達拉山と4,410mの海子山が横たわり、かつては険しい峠道を超えていかねばならない秘境の地でした。しかし、近年道路整備が進み、トンネルも開通したことで、現在では車で約2時間程で訪れることができるようになりました。それを受けて、亜青寺内も銀行や商業施設、宿泊施設などが着々と整備され、観光地化が進んでいます。

尼さんだけが住む天空の尼僧院「亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)」

写真:Mayumi Kawai

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全景を見下ろす絶景ポイントは、この黄金仏像が鎮座する丘の上。ここを目指して登っていきましょう。

ただし、亜青寺は標高3,260mの高所のため、ちょっと坂を登るだけでも息が上がります。高山病になりやすい人は事前に対策を怠らないようにしましょうね。

尼さんだけが住む天空の尼僧院「亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)」

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見てください!これが、約1万2,000人以上の尼僧だけが暮らす世界最大級のチベット尼僧院の小島です。亜青寺には約2万人のチベット僧が修行をしていますが、この河を境に男女別に居住区が分かれ、島内は男子禁制です。もちろん男性観光客も同様。この地では、女性観光客だけが島内観光の特権を与えられています。

尼僧だらけの島に潜入!

尼僧だらけの島に潜入!

写真:Mayumi Kawai

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島には、真っ赤な壁の小さなバラックが密集して建ち並んでいます。迷路のように入り組んだ区画で、道はあちこち陥没隆起が目立ちます。しかし電気は通っており、公共の水場や商店もあり、暮らしには困らない環境が整っています。

尼僧だらけの島に潜入!

写真:Mayumi Kawai

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バラックには小さな2階を設置している家屋が多く、これは1階を居住スペース、2階を瞑想修行のスペースに分けているとか。あり物の突貫で作られた危なげ小屋は、壊れたらもちろん尼僧自身で大工さながらに補修しています。

尼僧だらけの島に潜入!

写真:Mayumi Kawai

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公共の水場では尼さんたちがせっせと洗濯しています。日本では昔懐かしいこの光景。ちなみに、空気が乾燥し風も強いのですぐ乾くようです。

亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)境内の様子

亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)境内の様子

写真:Mayumi Kawai

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尼僧の島以外はもちろん男性も観光可能。亜青寺でもっとも目立つ黄金仏塔の足元には巨大なマニ車がぐるりと設置され、それをコルラ(マニ車を回しながら一周し巡礼)する人々が跡を絶ちません。仏塔内には華麗な巨大仏像が鎮座しています。

亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)境内の様子

写真:Mayumi Kawai

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人々が静かにコルラする姿は、ずっと見ていても飽きません。「タシデレ(こんにちは)」と手を合わせて挨拶すると、皆笑顔で応えてくれますよ。

亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)境内の様子

写真:Mayumi Kawai

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ある僧院では高僧のありがたい説法が行われています。ここは一般の観光客も観覧可能で、静かに撮影する分には問題ありません。液晶モニターが導入されたハイテクな説法部屋では、老若男女、見習いの幼い子どもからお年寄りまで世代を超えて高僧の説法に耳を傾けています。

亜青寺のもう一つの目玉・「天葬(鳥葬)台」

亜青寺のもう一つの目玉・「天葬(鳥葬)台」

写真:Mayumi Kawai

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亜青寺のもう一つの観光の見どころ、というには不謹慎かもしれませんが、チベット仏教の古い葬送慣習である「天葬(ティエンザン Tianzang)台」も有名です。日本では鳥葬という名で知られ、いわゆる、亡くなった方の遺体をハゲワシなどの猛禽類に食べさせる儀式です。

亜青寺のもう一つの目玉・「天葬(鳥葬)台」

写真:Mayumi Kawai

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チベット仏教における死生観は、魂が抜け出たあとの肉体はただの肉の殻に過ぎず、魂が転生するためには鳥たちにことごとく食べられることが重要だと考えられています。そのため、ハゲワシらが食べやすいように遺体解体職人がおり、それらの儀式は遺族関係者の前で行われます。日本では到底考えられませんが、こうした儀式は第三者の観光客でも参加可能となっています。

亜青寺のもう一つの目玉・「天葬(鳥葬)台」

写真:Mayumi Kawai

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天葬台のすぐそばには血の匂いを嗅ぎつけたおびただしい数のハゲワシが今か今かと待機しており、その異様な光景に身震いします。

亜青寺では原則毎日行われていますが、あくまでも御遺体がなければ儀式を見ることはできません。またあくまでも死者への敬意と魂の転生を祈って静かに見守ることが肝要です。なお、儀式は想像以上に過激なため、観覧は自己責任でお願いいたします。


いかがでしたでしょうか。近い将来、外国人入境禁止が噂される亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)。いろんな意味で強烈な個性と魅力に溢れたチベット文化に触れることができます。ぜひ気になったら、お早めに訪れてみてください。

亜青寺(アチェンガル・ゴンパ)の基本情報

住所:中国四川省甘孜蔵族自治州白玉県昌台区阿察鎮
入場料:無料(外国人はパスポート要持参)
アクセス:甘孜(ガンズ)の町から乗り合いタクシーで約2時間〜2時間半。乗り合いタクシーは人が集まらないと発車しないため要注意。一人45元(往復90元)。途中、4,798mの峠と4,410mの海子山を超え、さらに亜青寺自体も標高約4,000m付近にあるため、高山病対策と防寒対策は必須

2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/23 訪問

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