写真:SHIZUKO
地図を見る古事記・日本書紀に書かれた『おのころ島』は、漢字だと『自凝島』と書き「自ずから凝り固まってできた島」という意味だそうです。おおまかには淡路島のことですが、その中でもピンポイントでここだ! という場所が諸説あります。
その中で最有力なのが、淡路島の北端、本州・明石市に一番近い岩屋にある『絵島(えしま)』です。
イザナギ・イザナミの2人が、まだ何もない海原に降り立ち、その海面をかき回して持ち上げた矛から滴り落ちたしずくが島になったとされています。そして、この島で二人は結婚し、子どもを産んだというのです。
神話を信じるかどうかはそれぞれの判断ですが、ちょっとロマンチックな話だと思いませんか。
写真:SHIZUKO
地図を見る淡路島の北側にある岩屋港にほど近い絵島は、もともとは陸続きだったのですが、海の浸食により本島から切り離されたもの。なので今は橋を渡って絵島へアプローチします。
絵島に渡ってまず驚くのは、その岩肌の模様。ここに来るまでの道とは全く違う風景に、神秘的なものを感じずにはいられません。ベージュ色の岩肌にマーブル状に描かれる自然の造形の美しさ。滑らかに見える表面ですが、触ってみるとざらざら。そう、これは砂岩なんです。砂からできた岩ですね。2000万年前という、とてつもない過去に形成された、地質学的にもとても貴重な場所です。舗装された道路からからは全く想像することもできませんが、この辺りが日本の最初の国土、つまり日本の国の始まりの地とされているのもわかるような気がします。
美しいマーブル模様は、地層の中の鉄分が、岩の割れ目から出てきて、酸化した結果、きれいな模様を作り上げているということです。
写真:SHIZUKO
地図を見る絵島全体を見ると、そのピークに鳥居とお社があるのが判ります。現在は登頂禁止なのですが、これは『松王丸』を弔ったお社です。
話は12世紀、平清盛が活躍していた時代。清盛は宋(中国)との貿易のために大輪田の泊り(現在の神戸港の西端)をどうしても外国に向けた安全な港として開港したいと考えていました。そのため、沖に人工島を作り、港を守ることにしました。しかし、激しい潮流や風のせいで何度も築港用の護岸が流され、悩みに悩んでいました。もう人柱を立てて海にささげるしかないと人柱を集め始めた時に、とても大切にそばに置いて可愛がっていた松王丸が「自分が人柱になるので、民衆を解放してほしい」と申し出ます。もちろん清盛は断固としてその申し出を断っていたのですが、最後にはどうしようもなくなり、愛した松王丸を人柱に建て、難工事が成功しました。
松王丸が生きていた時、清盛はよく一緒に、この美しい島の上の出る月を眺めいつくしんでいたそうで、そんな思い出の地の最高地点に松王丸を祀ったということです。
写真:SHIZUKO
地図を見る国生み伝説の絵島で日本の成り立ちの神秘に触れた後は、一気に現代にタイムスリップ。絵島から車ならあっという間、歩いても15分くらいの位置に、日本の建築技術の粋を集めた『明石海峡大橋』があります。
明石海峡大橋は、本州と淡路島を繋ぐ世界最長のつり橋。その巨大な吊り橋を支えているメインケーブルがつなぎとめられている構造物を『アンカレイジ』と言います。まさにその、アンカレイジのそばから明石海峡大橋を見上げることのできる場所が『松帆アンカレイジパーク』なんです。
公園内には、海の底にある吊り橋の構造物模型や、施工時に構造物を海に沈めるために使われた『鋼製シンカー』や『深海潜水用作業装置』が展示されていて、とても興味深いので、ぜひ立ち寄っていただきたいと思います。また『道の駅・あわじ』が併設されていますので、地元の新鮮海産物や、淡路名産の玉ねぎ関連の商品やお土産を手に入れることが出来ます。
写真:SHIZUKO
地図を見る明石海峡大橋の雄大な姿を見られる、観覧車のあるサービスエリアとして人気の高い『淡路ハイウェイオアシス』は、ガラス張りの天井の高い建物がとってもおしゃれ。広々とした一階の物販店と二階のレストランを中心に構成されています。
美味しいものだらけですが、ここでのお勧めは『淡路牛ハンバーグドック』。一個500円とちょっと高額ですが、淡路島名産の淡路ビーフがハンバーグになって、二個もはさまれたホットドッグなんです。売り切れ必至なので、立ち寄った際には、ぜひ、食べてみていただきたいと思います。
阪神間からはとてもアクセスのいい淡路島。アクセスがいいといっても、海を渡らなければならないので、都市部からは短距離なのに旅行欲を満足させてくれる場所です。
絵島へ行ってみると、突然の風景変化に誰でもが驚くと思います。
神話や歴史に裏打ちされた場所は、やはりパワーのある場所ですから、パワー不足だなーなんて感じる時には、絵島へ行って海を眺めながら、ゆっくりとパワーチャージされてみてはいかがでしょう。
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(2023/11/30更新)
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