「ローマン・バス」イギリス世界遺産の街バース最大の見どころ

「ローマン・バス」イギリス世界遺産の街バース最大の見どころ

更新日:2019/01/07 16:58

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア
街全体が世界遺産に登録され、イギリスではロンドンに次いで2番目に観光客が多いという「バース」。地名の由来には諸説ありますが、紀元前よりこの地に温泉が湧き出ていたことから、ゲルマン語でお風呂を意味する「Bath」とよばれるようになったという説が有力。この街の歴史は、ローマ人たちの手によって築かれた「ローマン・バス」ぬきには語ることはできません。さっそくその内部をのぞいてみましょう。

ローマ人が築いた巨大なレジャーセンター「ローマン・バス」

ローマ人が築いた巨大なレジャーセンター「ローマン・バス」

写真:Lady Masala

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ローマ人はもちろんのこと、ケルト人からも信仰の対象として崇められていたという温泉のある街「Bath(バース)」は、ロンドンにある Paddington station(パディントン駅)より列車でわずか1時間30分ほどの距離にあります。そのため、ロンドンからの日帰り旅行に人気の場所としても知られています。

ローマ人が築いた巨大なレジャーセンター「ローマン・バス」

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ここバース最大の見どころは、なんといっても「The Roman Baths(ローマン・バス:ローマ浴場博物館)」。2千年以上も昔にローマ人が築き上げたという一大スパ・コンプレックス(温泉複合施設)は、神殿を兼ね備えたレジャーセンターのような場所でした。お風呂やサウナで汗を流すだけでなく、社交の場であり、神々に祈りを捧げる神聖な空間であったことを忘れてはなりません。

ローマ人が築いた巨大なレジャーセンター「ローマン・バス」

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館内には、浴場跡からの出土品や、当時の生活様式を知ることができる復元模型などが展示されています。その内容は、祈りを込めて温泉に投げ込まれたコインや捧げ物、ゴルゴーン(ギリシャ神話に出てくる醜女の怪物)のレリーフや呪いのタブレットなどさまざま。

また、ローマ人に扮したスタッフが行き交い、入館者の目を楽しませてくれます。質問や写真撮影にも気軽に応じてくれるので、ぜひ、話しかけてみてください。

2千年の時を超えてよみがえるローマ人の叡智

2千年の時を超えてよみがえるローマ人の叡智

写真:Lady Masala

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大浴場のほかに温水プールやサウナも完備されていた「ローマン・バス」。床暖房の設備まであり、ローマ人の技術力の高さに驚かされます。また、広い脱衣場やマッサージ部屋があったことから、多くの人々がここを訪れ、思い思いの時間を過ごしていたことが伺えます。当時の様子を再現したスライドも用意されており、2千年の時を超え、ローマ人たちのささやき声が聞こえてきそうです。

2千年の時を超えてよみがえるローマ人の叡智

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4百年間にわたって人々の生活の中心にあった「ローマン・バス」でしたが、5世紀にローマ人が撤退した後は、使われることもなく地中深くに埋もれてしまいました。考古学的な発見により、再び脚光を浴びることとなったのは19世紀に入ってからのこと。発掘された浴場跡は、富裕層向けの温泉保養施設として復興を遂げたのです。

現在博物館となっている建物は、その時代に建てられたもの。展示の中心となる「Great Bath(グレート・バス)」を見下ろすテラスには、ヴィクトリア朝につくられたカエサルをはじめとする歴代のローマ皇帝やブリタニア総督像が掲げられています。

2千年の時を超えてよみがえるローマ人の叡智

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館内にある源泉「キングス・バス」からは、現在でも1日あたり、およそ110万7千リットルものお湯が湧き出ています。46℃で、溢れたお湯をエイヴォン川に流す仕組みもローマ時代そのまま。入浴できないのがとても残念ですが、飲泉できるので、ぜひ試してみてください。

呪いの女神!?「スリス・ミネルヴァ」

呪いの女神!?「スリス・ミネルヴァ」

写真:Lady Masala

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ローマ時代のバースは「アクア・スリス」とよばれ、世界中から人が集まりました。ここを訪れる人々は、人種も職業もさまざま。聖職者や身分の高い貴族、旅行者、物売りに肉体労働者、そして奴隷もいたといいます。

呪いの女神!?「スリス・ミネルヴァ」

写真:Lady Masala

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彼らが信仰していたのは、女神「スリス・ミネルヴァ」。遺跡からはその胸像が発見されており、館内に展示されています。ローマ人たちは、温泉の治癒力をスリス・ミネルヴァからの贈り物として崇め、源泉のそばに女神に捧げる神殿を建立しました。

スリスは先住民であるケルト人が信仰していた泉の女神で、ミネルヴァは医療を司るローマ神話の女神。このふたつが融合してスリス・ミネルヴァとなったのです。

呪いの女神!?「スリス・ミネルヴァ」

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浴場跡からは、スリス・ミネルヴァに願掛けをするために使われた「呪いのタブレット」が数多く発見されています。「親愛なるスリス・ミネルヴァ様、私の燭台を盗んだ者を罰してください。願いが叶った暁にはケープを捧げます」のように、板に罪状や復讐したい人物の名前などを記入しました。

書記を雇って書かせることもあり、盗人を懲らしめてほしいという内容が圧倒的に多かったといいます。日常の些細な出来事をスリス・ミネルヴァが裁いてくれると信じていたローマ人。女神がこの時代の人々にとって、身近な存在であったことが伺えます。

「ミュージアムショップ」でオリジナル商品を手に入れよう

「ミュージアムショップ」でオリジナル商品を手に入れよう

写真:Lady Masala

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博物館を見学した後は、ミュージアムショップをのぞいてみましょう。スリス・ミネルヴァやゴルゴーンをモチーフにした小物など、ここでしか買うことのできないオリジナル商品がたくさんあります。

また、クリスマスやイースターなどの行事が近づくと、華やかなオーナメントやグッズがディスプレーされます。ローズやラベンダーのソープやハンドクリーム、バースの地図をかたどったショッピングバッグなどはお土産に喜ばれそうです。

「ミュージアムショップ」でオリジナル商品を手に入れよう

写真:Lady Masala

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ローマ人が集ったであろう幻想的な雰囲気の「グレート・バス」をはじめ、興味深い資料が数多く展示されている「ローマン・バス」。入場料には日本語オーディオガイドの料金が含まれているので、詳しい解説を聞きながら館内を見学することができます。バース2千年前の歴史が凝縮された博物館にぜひとも足を運んでみてください。

ローマン・バスの基本情報

住所:Abbey Church Yard, Bath BA1 1LZ
電話番号:+44-12-2547-7785
入場料:£16.50(大人)
開館時間:
9:30-17:00(1月・2月・11月・12月)
9:00-17:00(3月-6月20日/9月・10月)
9:00-21:00(6月21日-8月)

2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

※関連MEMOには「バース観光1日モデルコース」を紹介した記事を掲載しています。よろしければそちらもご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/11/08−2018/11/09 訪問

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