京都市と大津市の境にそびえる比叡山は、古来より神の宿る山として宗敬されてきました。この霊峰を仰ぎ見て育った伝教大師最澄が天台仏教を究める為に比叡山に籠り、一乗止観院を建立したのが788年のこと。これが比叡山延暦寺の始まりと言われています。
伝教大師最澄による開創以来、国家を鎮め護る寺として、また日本仏教の母山として、日本の宗教と歴史の中心的な役割を担って来た比叡山延暦寺。1994年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
写真:旅人間
地図を見る比叡山延暦寺では、度重なる戦乱や災害が見舞われながらも守り抜かれてきた数多くの国宝や重要文化財があります。ところが、通常参拝できる文化財はほんの一部にすぎません。
そこで伝教大師1200年大遠忌記念として、秘められし仏像など約70点が国宝殿に集結し大公開!この企画展「至宝展」は2018年11月30日まで開催されています。今回見逃してしまうと二度と見られないかもしれない秘仏、また今回が初公開となるものも多数あります。
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地図を見る館内はもちろん写真撮影は不可ですが、エントランスに限り撮影が可能のスペースがあります。そこには釈迦如来坐像(平安時代)と不動明王立像(江戸時代)が展示され、一緒に記念撮影も出来ます。
この釈迦如来坐像は、水難除けの仏様として信仰されている仏様です。織田信長の焼き討ちの際、湖に投げ出され、自ら岸辺まで泳いだと伝えられています。
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地図を見るこの至宝展で絶対に見逃せないのは、瑠璃堂の薬師如来坐像(室町時代)でしょう。瑠璃堂は織田信長の比叡山焼討ちで唯一逃れた建物。その本尊の薬師如来坐像は、今回が初公開。しかも最初で最後の公開との噂もありますので、この機会に絶対に拝観しておきたい。
西塔に位置する瑠璃堂は国の重要文化財。1693年に移築されたと記録に残され、延暦寺の建造物の中では西塔の釈迦堂(転法輪堂)についで古いとされています。延暦寺に来た時は、国宝殿のある東塔だけでなく、西塔まで足を延ばしてみるのも良いでしょう。
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地図を見る1階展示室の奥には、四天王立像(平安時代)が展示されています。広目天、増長天、多聞天、持国天、この平安時代の四天王が四体揃うのは珍しく、その気品ある迫力には圧倒されるでしょう。今後、この四体が揃って展示されるかは未定で極めて貴重です。
四天王立像の後ろには、同じく平安時代の薬師如来坐像が見られます。比叡山に籠り修行していた最澄は草庵に自刻の薬師如来を奉安し、これを本尊とし延暦寺が開かれました。この薬師如来坐像は寄進されたもので重要文化財。四天王と共に並ぶ姿は実に荘厳で感動的。
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地図を見るこの静かな空間の中で、国宝や重要文化財に指定されている数々の仏像と対峙していると、大切な何かを語りかけてくれているような感覚に見舞われます。保存状態の素晴らしさ、先人が懸命に守り抜いて来た想い、国の宝の重み、その全てに心が震えます。
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地図を見るその他にも、国宝に指定されている天台法華宗年分縁起(平安時代)や伝教大師入唐牒(唐時代)と言った国宝の書跡、また非公開の比叡山で最古級の仏像として貴重な観音菩薩立像(平安時代)などが展示され見所は盛り沢山。
通常は非公開とされている仏像や仏画など貴重な文化財の数々が一堂に集結し、国宝殿の「至宝展」は息をする時間すら勿体ないほど贅沢な内容。この「至宝展」は2018年11月30日まで。まだ見に行っていない方は、これがラストチャンスですよ!
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地図を見る住所:滋賀県大津市坂本本町4220
電話番号:077-578-0001
開館時間:8:30〜16:30
期間:2018年8月1日〜11月30日
入館料:大人500円 中高生300円 小学生100円
※延暦寺諸堂巡拝料が別途必要となります。
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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