福井県「三國湊きたまえ通り」でレトロな街歩きを楽しもう!

福井県「三國湊きたまえ通り」でレトロな街歩きを楽しもう!

更新日:2018/11/16 13:22

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
福井県坂井市の三国は、九頭竜川の河口に位置し、古くから水運を利用した物流拠点として栄えたところです。北前船の時代になると、寄港地として繁栄の最盛期を迎え、北前船で財を成した豪商らが街の発展を支えました。「三國湊きたまえ通り」には、栄華の時代を彷彿させる古い町家や建物が残されています。三国湊でレトロな街歩きを楽しんでみませんか?

三國湊座オススメの一品「三国バーガー」

三國湊座オススメの一品「三国バーガー」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

「三國湊きたまえ通り」の最寄り駅は、えちぜん鉄道三国芦原線の三国駅です。駅舎内には、観光案内所があり、散策に便利な“三国探索マップ”を入手することができます。

三國湊座オススメの一品「三国バーガー」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

三國湊きたまえ通りは、北前船交易で栄華を極めた旧市街地の愛称で、三国駅から徒歩約5分のところにあります。ストリートの入り口に立派な看板を掲げた「三國湊座」は、材木商だった建物を改装したもので、ご当地グルメの“三国バーガー”などがいただけます。

三國湊座オススメの一品「三国バーガー」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

三国バーガーは、三國湊座オススメの一品です。 福井県産のビーフと地元のお米の米パン・三国産のらっきょ・たっぷりの野菜・手作りソースで作るこだわりのハンバーガーです。ほかに、地元のエビを使って作るエビクリームバーガーもおすすめです。

<三國湊座の基本情報>
住所:福井県坂井市三国町北本町4丁目6-48
電話番号:0776-81-3921
営業時間:10:00〜17:00
定休日:毎週水曜日
アクセス:えちぜん鉄道三国駅から徒歩約5分

三國湊きたまえ通りの散策は「マチノクラ」から

三國湊きたまえ通りの散策は「マチノクラ」から

写真:モノホシ ダン

地図を見る

三國湊座の裏にある「マチノクラ」は、2016年(平成28年)3月にオープンした三国湊の海運と文学がテーマの2階建ての資料館です。

三國湊きたまえ通りの散策は「マチノクラ」から

写真:モノホシ ダン

地図を見る

案内役のボランティアガイドさんよる三國湊の説明や、女優の竹下景子さん主演のガイダンスムービーを見ることができます。三国の発展をうながしたのはよく知られているように北前船です。

北前船は、まさに動く商店で、天下の台所といわれた大坂で安く仕入れた生活物資を北海道や日本海沿岸で高く売り捌き、北海道で仕込んだ海産物を大坂や瀬戸内海沿岸で売るといった非常に効率のよい経済活動で、莫大な富を蓄えたのです。

マチノクラで、鉄道が開通する明治時代中期まで活躍した、北前船交易の良き時代を感じてみてください。

<マチノクラの基本情報>
住所:福井県坂井市三国町北本町4丁目6-48
電話番号:0776-82-8392
見学料:150円(中学生以下は無料)※旧岸名家(100円)とのセット割引入場券を利用の場合は200円
見学時間:10:00〜17:00
休館日:12月29日〜1月3日
アクセス:えちぜん鉄道三国駅から徒歩約5分

三國湊の繁栄を今につたえる「旧岸名家」

三國湊の繁栄を今につたえる「旧岸名家」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

三國湊きたまえ通りでぜひ見たい登録有形文化財の「旧岸名家」。三国で代々、材木商を営んだ、新保屋岸名惣助の住居で、三国独特の「かぐら建て」と呼ばれる江戸時代後期の天保の町家です。かぐら建てとは、妻入りの前面に平入りの前半分をつけた三国独特の建築手法です。

2階には、往時の商人がたしなんだ俳諧、日和山吟社や三国ゆかりの作家、高見順などの文化人展示室となっています。

三國湊の繁栄を今につたえる「旧岸名家」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

旧岸名家の、土間や通路には、福井市にある足羽山から採石された「笏谷石(しゃくだにいし)」が敷詰められていて、水を撒くと綺麗な緑色に変わります。

土間には、金品や帳面など大事なものを収め、金庫のように使われた車箪笥(くるまたんす)があって、火事の際に綱をつけて容易に移動できるように下部に車がついているのが特徴です。

ほかに船が沈んでも浮くようになっている船箪笥もあっていかにも北前船で繁盛した町らしい工夫が見られます。

三國湊の繁栄を今につたえる「旧岸名家」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

さらに涼やかな音色を楽しめる水琴窟や、美しい瀬戸焼のトイレを見学したり、空いていれば施設スタッフの手ほどきで、玄関の蔀戸(しとみど)の開閉体験などができます。時を越えて残る三國湊の町家で、かつての殷賑を感じてみてください。

<旧岸名家の基本情報>
住所:福井県坂井市三国町北本町4丁目6-54
電話番号:0776-82-0947
入館料:100円(マチノクラとの共通券200円)
開館時間:9:00〜17:00
休館日:毎週水曜日(祝日の場合は直後の休日でない日)、年末年始(12月29日〜1月3日)

三國湊きたまえ通りのクライマックス「旧森田銀行本店」

三國湊きたまえ通りのクライマックス「旧森田銀行本店」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

三國湊きたまえ通りのクライマックスは、旧森田銀行本店。三国で最も有力な商人のグループだった森田家が、明治になって北陸線の開通で、物資輸送が船から鉄道に転換するのを察知し、業種転換を図って設立した銀行です(現在は福井銀行に合併)。

1920年(大正9年)10月に竣工した建物は、おもに公共建築に携わった建築家の山田七五郎が設計し、大工棟梁は地元の四折豊で、地上2階建てになっています。外観は西欧の古典主義的なデザインで左右対称、外壁は一見レンガ作りのようですが、じつはタイル張りです。

鉄筋コンクリート造りとしては福井県内に現存する最古のもので、国の登録有形文化財になっています。

三國湊きたまえ通りのクライマックス「旧森田銀行本店」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

内部は木と白漆喰の彫刻を基調とした広い吹抜けで、とくに営業室の天井の漆喰装飾は圧巻の一言です。そのほかカウンターは、ケヤキの一枚板を使用し、長さは約7mもあります。ここでも施設スタッフにより、詳しい説明を聞くことができます。当時の建築技術の粋を集めて造られた旧森田銀行本店の本店をじっくりと観察してみてください。

<旧森田銀行本店の基本情報>
住所:福井県坂井市三国町南本町3丁目3-26
電話番号:0776-82-0299
入館料:無料
見学時間:9:00〜17:00
休館日:12月29日〜1月3日
アクセス:えちぜん鉄道三国駅より徒歩約10分

三国港を守る「エッセル堤」

三国港を守る「エッセル堤」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

三國湊の日和山は、天気模様によって船の出入りを決めたところです。この高台に建つ曹洞宗の禅寺「金鳳寺(きんぽうじ)」では、旧岸名家などの有力商人たちが俳句を楽しむ団体、吟社(ぎんしゃ)をつくり、御堂(おどう)などから船の往来や風景を眺めながら風雅な句会を催していました。

<金鳳寺の基本情報>
住所:坂井市三国町北本町3丁目3-17
電話番号:0776-81-3510
拝観料:無料
アクセス:えちぜん鉄道三国駅から徒歩約7分

三国港を守る「エッセル堤」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

さらに海岸に出て北上し、「エッセル堤」にも足を延ばしてみましょう。三国港(現在の福井港)にある明治に造られた日本初の西洋式捨石防波堤です。三国港が、土砂の堆積によって船の運航に支障をきたすようになったため、航路への土砂堆積防止と防波を目的に造られました。

設計は、オランダ人土木技師のエッセルで、同じオランダ人のデ・レーゲが工事を担当しました。ちなみにリトグラフなどの版画製作で有名なエッシャーは、エッセルの息子です。建設にあたっては、近くの東尋坊や雄島から削り出された石材も多く使われました。

エッセル堤は、築後100年以上を経た現在でも現役で港を守る役割を果たしていて、国の重要文化財に指定され、さらに土木学会選奨土木遺産に、そして経済産業省近代化産業遺産にそれぞれ認定されています。

<エッセル堤の基本情報>
住所:坂井市三国町宿
見学:自由(ただし波の高いときや日没後は危険防止のため見学不可)
アクセス:えちぜん鉄道三国港駅より徒歩約5分

三国港を守る「エッセル堤」

写真:モノホシ ダン

地図を見る

エッセル堤からは、東尋坊や三国港の素晴らしい眺望が楽しめます。三国の丘の上に建つ洋館は、「みくに龍翔館(三国町郷土資料館)」で、エッセルの設計のもとに龍翔小学校として造られました。現在は、エッセルの資料や、三国町の歴史風土などを展示しています。

このように「三國湊きたまえ通り」は、江戸時代から明治時代中期にかけて、北前船交易によって繁栄をきわめた三国の歴史や文化を知ることのできる観光スポットです。ぜひ、三国を訪れた際には、タイムスリップしたような街並み歩いてみてください。

三國湊きたまえ通りの基本情報

住所:福井県坂井市三国町北本町4丁目6-55(三國湊町家館)
電話番号:0776-82-8392
アクセス:えちぜん鉄道三国駅から徒歩約5分 車利用の場合は、北陸自動車道金津ICから国道305号線を経由して三国方面へ約20分三國湊町家館や旧森田銀行本店の駐車場を利用

2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/11/03 訪問

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -