まんまる城の名残り?静岡県「田中城」は街ブラ歩きが面白い

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まんまる城の名残り?静岡県「田中城」は街ブラ歩きが面白い

まんまる城の名残り?静岡県「田中城」は街ブラ歩きが面白い

更新日:2018/11/30 11:07

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア、観光ライター

静岡県藤枝市に、日本にたった一つしかない形の城があります。田中城は、4重の円を描くような縄張をした珍しい城郭。住宅開発によってほとんどが失われてしまいましたが、街中に当時の面影が隠れています!現存櫓、不思議な橋、土塁や水堀、丸く円を描くような道など、田中城の見学スポットをご紹介。田中城は街歩きが面白いのです!

珍しい!日本にたった一つしかないまんまる田中城

珍しい!日本にたった一つしかないまんまる田中城

写真:いなもと かおり

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古墳時代に築かれた若王子古墳群や、奈良・平安時代の役所・志太郡衙跡、江戸時代には「藤枝宿」や「岡部宿」といった宿場町があった静岡県藤枝市。史跡名所が目玉となるこの街は、江戸時代、徳川家康が何度も訪れたスポットがあります。

藤枝市田中の住宅街を歩いていると、なにやら面白い発見が! 例えば、田中1丁目6の交差点付近には、コンクリート造の橋の真上に木の橋が設置されています。木の橋の下には何も障害物がないのにな……と首をかしげていると近くに解説看板が! 実はコレ、田中城にあった木橋の一部を復元しているのです。

珍しい!日本にたった一つしかないまんまる田中城

提供元:藤枝市郷土博物館・文学館・藤枝市文化財課

http://www.city.fujieda.shizuoka.jp/kyodomuse/inde…地図を見る

こちらは平成元年頃の田中城上空から見た写真です。
藤枝市田中の住宅街は、上空から眺めると摩訶不思議な形をしています。写真下部には中心に向かって四重丸を書いたような、まん丸な街並みが! これは、今から400年ほど前に、日本に一つしかない「円郭式」の縄張をした珍しい城が存在した名残です。

この城は、15世紀頃今川氏が駿河を治めていた時代に一色氏が築いた居館が前身となり、統治者が代わるごとに改修・拡張されていきました。武田氏の時代には、遠江攻略の拠点「田中城」として改修され、虎口を強化。徳川氏時代には外側に円が増え四重となりました。比類ない面白い形の城なのです!

街に残る遺構を見て歩みよう!

街に残る遺構を見て歩みよう!

写真:いなもと かおり

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開発でそのほとんどが住宅地となった田中城ですが、遺構が整備保存されているスポットもあります。代表的な場所は、西益津中学校のすぐ裏にある三之堀!本丸より外側に向かって3重目の堀にあたり、高さ5mの土塁と、水堀が残っています。

街に残る遺構を見て歩みよう!

写真:いなもと かおり

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三之堀は土塁の上にも立つことができますよ!往時の水堀の幅は18〜27m、深さは1.7〜4.2m、堀の向こう側には家臣の屋敷が並んでいました。戦の時は、水堀の向こう側に敵兵がいたのかも!?なんて想像しながら城を歩いてみて下さい。

街に残る遺構を見て歩みよう!

写真:いなもと かおり

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土塁跡は、中学校裏の三之堀だけではなく街中でも見かけます。ちょっとした高低差がヒント!

平島一ノ門に接続する土塁は44m残っており、埋め立てられた水堀跡は畑になっています。私有地のため立ち入りは気をつけて!マナーを守って見学しましょう。

ちょこっとだけ残る石垣

ちょこっとだけ残る石垣

写真:いなもと かおり

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三之堀前には武家屋敷が並んでいたそうです。現代の石垣が並ぶなか、一部には古めかしい異彩を放つ石垣もありますよ!

ちょこっとだけ残る石垣

写真:いなもと かおり

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田中城は土造り城だったそうですが、江戸期になると門や武家屋敷など限られた場所で石垣を使っていたことがわかっています。無造作に置かれた石が、意外にも城の展示物だったりするので注目してみてくださいね。写真は、平島二ノ門から出土した石垣です。

まっすぐ歩けない!まん丸な街

まっすぐ歩けない!まん丸な街

写真:いなもと かおり

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田中城跡は、街歩きが面白い!

道は円を描くようにカーブしているので、地図を見ないと迷子になります。勘だけでは目的地に向かえないところがグッときますね。もしも、自分が攻め手の兵だったら、本丸まで行くことができず討ち死にしてしまうかも!? そんな城のポテンシャルを味わう城歩きも旅を盛り上げます。

まっすぐ歩けない!まん丸な街

写真:いなもと かおり

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一説によると、現在西益津小学校が建っている本丸・二重目が今川氏時代、三重目が武田氏時代、四重目が徳川氏時代の増築と考えられています。歩いている道がどの時代に拡張された部分なのか、当時の姿に想いを馳せながら歩くのもまた一興です。

田中城は、17世紀になると徳川家康が趣味の鷹狩りを楽しむための宿泊施設として整備され「田中御殿」と呼ばれるようになりました。家康が度々田中御殿を訪れた記録が残っています。

現存する田中城の櫓

現存する田中城の櫓

写真:いなもと かおり

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本丸には、天守はなく二重二階の櫓がありました。戦の備えではなく、観月など風流を楽しむ際に使用した建物だったようです。その櫓は現在、田中城下屋敷に移築され、中に入ることもできます!

そんな田中御殿には有名な伝承が残っています。1616年1月、御殿に訪れた家康は天ぷらを食し、あまりの美味しさから食べ過ぎてしまったようです。腹痛をおこした家康はその後も体調が優れず……3ヶ月後に駿府城で亡くなってしまったそう。

この時の天ぷらの食べ過ぎが遠因になったとか、ならなかったとか。死因は胃がんではないか?と考えられていますが、その真相はわかっておりません。

現存する田中城の櫓

写真:いなもと かおり

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櫓内には、田中城を上から楽しめる模型もありますよ。全国にたった一つしかない、まんまるの円郭式城郭をご堪能ください。静岡市藤枝市を代表する観光名所、田中城跡は街歩きが面白い!!

田中城の基本情報

住所:静岡県藤枝市田中3-14-1(史跡田中城下屋敷)
電話番号:
054-644-3345(史跡田中城下屋敷)
054-645-1100(藤枝市郷土博物館 文学館・藤枝市文化財課)
【史跡田中城下屋敷】
営業時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日を除く)、祝日休日の翌日、年末年始(12月28日〜1月4日まで)
アクセス:JR東海道線「西焼津駅」よりバス五十海大住線に乗車、「六間川」バス停下車徒歩4分。車の方は、田中城下屋敷に駐車場あり

2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/11 訪問

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