写真:松縄 正彦
地図を見る東京あきる野市。ここに曹洞宗の寺、「宝光寺」があります。寺の開祖は不明ですが500年以上の歴史をもつお寺です。寺の周辺は自然が豊富で、山裾に寺が位置しています。
ここにあるのが鎌倉の大仏様よりも大きな大仏で、その名は「鹿野(ろくや)大仏」。鹿野とは面白い名ですが、昔この寺の敷地内に湯が沸き出し、この泉で野生の鹿が傷を治していた事に由来しています。
写真:松縄 正彦
地図を見る寺の駐車場から参道沿いに少し歩くと、参道右手下にこの「鹿の湯跡」が残されています。この湯は明治初期までは多摩の七湯の1つとして数えられ有名でした。ちなみにお釈迦様が悟りを開いた場所は「鹿野苑」といわれており、鹿野の名前はお釈迦様と御縁のある名前にもなっています。
写真:松縄 正彦
地図を見るこの鹿の湯がある山は「鹿野山」と呼ばれますが、この山の山上に大仏様が鎮座されており、駐車場からも遠望する事ができます。
この大仏様、高さが12m(台座を含めると18m)、重量が60トンあります(ちなみに鎌倉大仏は高さが11m、台座を含めると13.35m、重量が121トンです)。鹿野大仏様は重量が軽い事も特徴です。
また後述しますが、この大仏様の表情にもご注意ください。見る角度でいろんな表情が楽しめるのです。それでは参拝に行きましょう。
写真:松縄 正彦
地図を見る現在はまだ全体が公開されておらず西参道のみから行く事になりますが、回りは自然豊かです。木々に囲まれ、鳥の声を楽しみながら参拝できます。ただし途中からは登りになりますので、御高齢の方は必要であればあらかじめ杖を借りられると良いでしょう(参拝用の杖が用意されています)。
写真:松縄 正彦
地図を見る山頂近くには“山神様”が鎮座されています。小さな祠ですが、ここにも参拝しましょう。なお、参道脇には他にも“野仏”やちょっとかわいい“道祖神”もいます。気がつき難いかもしれませんが、捜しながら歩くと楽しめます。
写真:松縄 正彦
地図を見るさて山頂で大仏様にご対面です。この大仏様、正式には「釈迦牟尼如来」様といいます。青銅製で、山形市内で鋳造され、パーツを組み合わせて作られました。重量が軽く、大きく作れた背景はこの辺りに秘密があるのかもしれません。
この大仏様は、戦後数十年たっても未だ祖国に戻れない戦没者の霊や東日本大震災の行方不明者のご冥福を祈り、かつ全ての人々の平和と安全を願うために建立されたものです。
建立を決意されたのは先代住職で、40年も前の事ですが実現できず、後を継いだ現住職が建立を急ぎ、5年かけて完成(2018年)しました。この背景には、東日本大震災で修行仲間を失った事があったとの事です。
写真:松縄 正彦
地図を見る下からお顔を見上げますと、ずっしりとしたお顔が印象的ですが、静かに下を見ておられます。
釈迦牟尼とはお釈迦様を仏として敬った名前で、最も一般的には(日本では)、釈迦が法を説く姿で造作されています。しかし、鹿野大仏様の手印は両手を合わせる“禅定印”をしており、これはお釈迦様が悟りを開いた時のポーズです。まさに悟りを開いた鹿野苑におられる姿のようです。
写真:松縄 正彦
地図を見る一方で、駐車場から大仏様のお顔を見ると印象が大分異なります。目の表情から、何か周囲全体にも気が行き届いている雰囲気が伝わってきます。この表情は諸々の霊や多くの方々のご冥福を祈っているのでしょうか。
実は、大仏製作に当たっては、関係者の皆さんが見え方について大分ご苦労されたと伝わっています。
大仏建立の背景などを思い浮かべ、表情の違いを楽しみ、大仏建立に込められた願いなどを深く味わってください。
写真:松縄 正彦
地図を見るところで、大仏様の横には手水舎が設置されていますが、これが面白い仕組みになっています。常時水が流れているのではなく、柄杓を筒先の下、“先端部より奥”に差し入れるとセンサーが検知して“柄杓分だけの水”が出てくるのです。
通常のように筒の先端部に柄杓を近づけても水が出てこなく、不思議に思ってしまいますが、ここは山上、無駄をしないエコな工夫がここになされています。
住所:東京都西多摩郡日の出町平井3392
電話番号:042-597-0711(秋川霊園管理事務所)
アクセス:JR利用の場合、武蔵五日市駅あるいは福生駅からバスにて「上平井バス停」あるいは「宝光寺バス停」下車
※管理事務所内にはお土産コーナもあり、事務所の横にはトイレも設置されています。
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/8更新)
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