江戸時代の海運は、風向きや潮の流れに大きく左右されたため、順風や順潮になるのを待つ必要がありました。呉市大崎下島の御手洗地区は、隣接する島との関係で比較的潮流が緩やかであったことから、風待ち、潮待ちの港として栄えました。
御手洗地区がある大崎下島は瀬戸内海国立公園内にあり、晴れた日には来島海峡大橋や四国が一望できます。また、「歴史の見える丘公園」から見える、瀬戸内海の島々の美しさも見事。いつまでも眺めていたい風景が広がります。
平成6年に重要建造物群保存地区に選定された御手洗は、江戸中期から明治時代にかけての歴史的な街並みが色濃く残っています。
町並み保存センターも兼ねた、呉市指定文化財にもなっている「旧柴屋住宅」は、伊能忠敬が測量した際に宿舎にしたと言われており、忠敬測量の図のレプリカが展示してあります。
「旧柴屋住宅」の周辺は、御手洗の町並みが美しく見られるエリアです。江戸時代には四軒の茶屋があり、花街としても栄えました。
明治時代に建てられた「なまこ壁」の屋敷。映画館としても使われたハイカラ建築「乙女座」。天井に屋久杉を使うなどの贅をつくした町屋「若胡子屋跡」など、歴史的にも重要な建物が多く点在しています。
せまい土地であったため何度も埋め立てによって土地を大きくした集落内は、中心路や連絡路、生活路が網の目のように張り巡らされています。迷路のような入り組んだ路地を、あっちへこっちへと歩くことで、御手洗の生活感が感じられることでしょう。
<御手洗町並み保存センターの基本情報>
住所:広島県呉市豊町御手洗174
電話番号:0823-67-2278
アクセス:御手洗港バス停下車徒歩3分
屋敷や町屋以外にも、大正レトロ感漂う建物があります。洋館の理髪店は三色サインポールが回転しており現在も営業しています。うすい水色の木の外壁が、控えめながら健在ぶりをアピールしているかのようです。
御手洗港のバス停前にも同じような色の建物があります。こちらは比較的新しい建物で、大正洋館風に新築されたか、リノベーションされたものでしょうか。先ほどの理髪店と同じ色の外壁で、御手洗の町並みに溶け込んでいます。
御手洗は、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されているだけでなく、古都保存財団(現古都飛鳥保存財団)の「美しい日本の歴史的風土百選」にも選定されたことがあります。
平成20年には豊島大橋の開通で「安芸灘とびしま海道」が全線で開通し、呉市から直接、車でアクセスできるようになり、御手洗も訪れやすくなりました。
御手洗の文化をさらに深く知るには、祭りの時期に合わせて訪問するのもよいでしょう。7月の第4土曜に行われる夏祭りでは、各家の軒先に、青地に白い家紋が描かれた門幕を飾り、町全体が独特の雰囲気になります。
また、地域の住民有志で作った団体が、重伝建地区とは何かを常に問いかけながら町並み保存活動をしており、御手洗の「町おこし」を牽引しています。
瀬戸内の風を浴びながらのんびりと散策すると、心がホッと落ち着く港町・御手洗。本州からちょっと足を伸ばして出かけてみませんか。
御手洗は広島県呉市の大崎下島にあり、呉市中心からは30kmほど離れています。安芸灘とびしま海道で呉市と結ばれており、船を使わずアクセスができます。全国に100か所以上ある重伝建地区の中でも、御手洗は国立公園内にあるにもかかわらず、多くの観光客でごった返していませんので、落ち着いた観光ができます。ぜひ瀬戸内海のドライブを兼ねて訪れてみてください。
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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