映画が製作されたのは1953年のアメリカ。俳優のグレゴリー・ペックが演じた新聞記者のジョーは、オードリー・ヘプバーン演じるアン王女にイタズラをしかけます。
ジョーは「真実の口」に手を入れて、抜けなくなるという悪ふざけ。それを見たアン王女は信じてしまい、叫んだ挙句に泣きだすのでした。その場所は、門を入った中に!
真実の口がある舞台がサンタ・マリア・イ・ンコスメディン教会です。中に入ったら正面左側に進んで下さい。そこにあるのが本物の真実の口。手を入れてみましょう。
真実の口が教会の外壁に設置されたのは1632年、とても古い時代のことでした。では、いつ頃作られたものかとなれば紀元前4世紀頃、古代ローマ帝国の時代という研究成果が出ています。
現代において、円盤の形で連想されるのはマンホールの蓋では?
実は古代ローマでも排水溝のマンホールの蓋であったと言われているのです。
では、なぜ真実の口に手を入れる行為が生まれたのでしょう。これは人間の善悪を見る行為。口に手を入れた時、悪人は手を噛み切られる、あるいは抜けなくなるという話なのです。
この話は、中世の詩人等が「石板の顔は不倫をした女の手を噛み切る」と書き残しており、それが始まりと考えられています。このように当時は不倫女性と限定した話でしたが、いつのまにか人間の誠実さを見るという内容に変化したのです。
真実の口から右に進むと、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Basilica di Santa Maria in Cosmedin)の礼拝堂に入ることが出来ます。この教会はとても古く、6世紀に造られたもの。当時この付近は市場がありました。
ちなみに、教会名に使われているコスメディンはコスメの語源で、ギリシャ語の装飾という意味からきています。
真実の口ばかりが観光地として取りあげられるのですが、教会の歴史もしっかりと頭に入れておきましょう。
教会内にある髑髏(しゃれこうべ)。少し怖い感じがするかも知れませんが、聖者の遺骨を残すという考えは世界中にあるものです。信仰の場ではよくあることですので、落ち着いて観光を続けましょう。
では、この髑髏は誰なのでしょうか。諸説あるというのが実際の状況なのですが、その中の一つに聖バレンチノ(ウァレンティヌス)というものがあり、こちらの教会ではそのように表示をしています。
彼の記念日は2月14日でバレンタインデーの由来となった人物。3世紀頃、キリスト教が迫害されていた時期に棄教を求められても応じなかったため、ローマにおいて処刑された聖者なのです。
髑髏が誰なのかの確定は出来ませんが、いずれにせよ教会で重要な人物であることに変わりはありません。
真実の口から礼拝堂を通り、案内に従って進むと出口の手前にお土産コーナーがあります。せっかく本物の真実の口がある教会を観光したのですから、記念になる一品はいかがでしょうか。
最後に、イタリアは世界遺産を含めた観光の宝庫です。ローマのコロッセオはもちろん、シエナ、ベニス、フィレンツェ、アマルフィと魅力の見どころ満載。下記の関連MEMOに観光ポイントをリンク設定していますので、ぜひ、旅行の参考としてみて下さい。
住所:Piazza della Bocca della Verita, 18, 00186 Roma
電話番号:+39-06-678-7759
アクセス:メトロB線「チルコ・マッシモ駅」下車、徒歩10分
2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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