樹齢1200年!国内最大級 牛島の藤に逢いに春日部市「藤花園」へ

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樹齢1200年!国内最大級 牛島の藤に逢いに春日部市「藤花園」へ

樹齢1200年!国内最大級 牛島の藤に逢いに春日部市「藤花園」へ

更新日:2014/03/28 15:52

埼玉県と千葉県をつなぐ東武野田線という単線に、「藤の牛島」という小さな駅があります。ふだんは人通りも少ないその駅も、毎年4月下旬から5月上旬にかけては観光客で大賑わいに。お目当ては粕壁の藤、牛島の藤、と呼ばれて尊ばれてきた樹齢1200年以上、日本最大級の藤の古木です。あなたもこのGWに、国指定特別記念物であり、新日本名木百選にも選ばれた藤の古木に逢いに、「藤花園」へ出かけてみませんか?

弘法大師がお手植えした?樹齢1200年の牛島の藤

弘法大師がお手植えした?樹齢1200年の牛島の藤
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「クレヨンしんちゃん」でおなじみの埼玉県春日部市、その市花は藤です。なぜなら春日部市の牛島には、推定樹齢1200年とされる国内最大級の藤の樹があるから。

春日部市教育委員会は藤の伝説として次のように表しています。
「むかし、柳原で農家の娘が長い間病気で苦しんでいた。旅僧から娘の病気に生垣の中にある藤を寺に納めるとよくなるといわれたので、藤を寺の境内に移し植えたところ病気は治ったという。この寺は蓮花院といわれ今はないが、藤だけが残されてそのあとをしのばせている。」

また、藤花園のパンフレットやHPには、「当園は元真言宗連花院の境内なりしを明治7年当寺の住職藤岡好三氏其の筋へ出願なし、廃寺となり爾来所有者変わり現在にいたる、また、人々の言伝えによると1200余年前、弘法大師お手植えの藤とも聞きおよぶ。」と記載されています。

つまり、蓮花院という寺は今の藤花園のこと。
とすると、旅の僧とは弘法大師、ということになるのでしょうか?
その真偽はともかくとして、藤花園の藤は昔から人々に愛され尊ばれてきたことは確かなようです。

一本の古木から広がる700平方メートルの藤の絨毯

一本の古木から広がる700平方メートルの藤の絨毯
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藤花園に入ったら、まずは小山のようになっている見晴し台に立ってみてください。樹齢1200年の古木、牛島の藤の全容が見渡せます。
ですが、ふつうのレンズでは一枚の写真に収めることはできません!
たった一本の藤の古木が咲かせる花房、それを支えるための藤棚の面積は、なんと700平方メートルにも及ぶからです。
残念ながらこの写真でも左右にまだまだ続く藤棚を写しきることができませんでした。かなりの広角レンズ、あるいは魚眼レンズがあれば可能かもしれません。

抒情詩人・三好達治(1900〜1964年)もこの藤がお気に入りで、牛島古藤歌(うしじまことうか)という詩を書いています。また、晩年はほぼ毎年のように、牛島の藤を見に訪れていたとか。三好達治の詩を思いつつ、牛島の藤を眺めてみてください。

牛島古藤歌

 葛飾の野の臥竜梅(がりょうばい)
 竜うせて もも すもも
 あんずも青き実となりぬ
 何をうしじま千とせ藤
    はんなりはんなり

 ゆく春のながき花ふさ
 花のいう揺れもうごかず
 古利根の水になく鳥
 行々子啼きやまずけり

 * 行々子(ぎょうぎょうし)とはヨシキリという鳥の異名

 メートルまりの花の丈
 匂いかがよふ 遅き日の
 つもりて遠き昔さへ
 何をうしじま千とせ藤
    はんなりはんなり

根元周囲10メートル超の特別天然記念物

根元周囲10メートル超の特別天然記念物
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さて、見晴し台から降りて藤棚の下を歩き、700平方メートルの藤の絨毯を生み出したその古木の姿を見てみましょう。
竹で作られた柵に囲われた根元の周囲は10メートル以上、主幹の根の周囲は4メートルもあるとのこと。その領域を護るしめ縄に下げられた紙垂(しで)が、この古木が放つパワー、霊力といったものを感じさせます。

昭和3年に天然記念物指定を受け、昭和30年には文化財保護法により国指定の特別天然記念物となった牛島の藤は、平成元年には新日本名木百選にも選ばれました。

花房は満開時には2メートルにもなりますが、今よりも100歳以上も若かった明治時代にはその長さは3メートルにも及んだとか。「九尺藤」という品種の原木だとのことです。

臥竜のごとき根源、ほろ酔いの夢

臥竜のごとき根源、ほろ酔いの夢
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藤の古木の、さらにその根源をお見せしましょう。竜のごとく地を這う藤の根。その木肌は鱗のようです。1200年もの時を経てなお静かにその地に身を臥せ、こんこんと眠り続けている、その姿はまさしく臥竜のよう。苔むした根幹のやさしい日だまりでは、新しい緑が生まれ育まれていきます。

この藤が永い時を生き、なおかつ貴く匂い立つその秘密は、、、その肥料にあるのかもしれません!?
この藤の肥料は、なんと酒粕なんです!
地元の古い酒造メーカーが酒粕を寄贈してくれているんだとか。
春が訪れるたび咲く幾千幾万の薄紫の花房は、美味しい酒粕でほろ酔い気分の幸福な竜が見ている夢そのもの、なのかもしれません。

ほんの3週間、藤花の時期にしか入れない庭園

ほんの3週間、藤花の時期にしか入れない庭園
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藤花園は毎年4月下旬から5月上旬、藤の花が咲く時期にしか開かれない庭園です。もとは蓮花院という真言宗のお寺でしたが、明治7年に廃寺となり何度かその所有者を変え、今では「藤花園」として小島家に管理されています。

その敷地は2ヘクタール。樹齢1200年の古木以外に樹齢800年、200年のものなど、古く大きな藤があります。築山や小さな竹林があり、池のまわりには花菖蒲やツツジなど初夏の花々が植えられていて、樹齢500年の老松も必見です。四季折々、趣き深い散策ができると思われる庭園なのに、ほんの3週間ほどしか入れないというのがとても残念。

園内の売店では藤紫色の和菓子やうどんを食べることができます。美しい藤色を出すためにアヤムラサキイモという芋の粉を混ぜているらしいのですが、そのデンプン質のせいか、とてもモッチリとしていて美味しいです。

一年365日ある中の、たった3週間だけしか開かれない庭園。樹齢1200年の藤の古木を護るためにだけある藤花園を、ぜひ訪れてみてください。

さいごに

牛島の藤は、例年だとゴールデンウィークあたりがいちばんの見頃です。
今なお美しく咲き誇る樹齢1200年の藤の古木に、ぜひ逢いにいらしてください。

平成26年の藤花園の開園期間は、4月19日(土)から5月8日(木)まで。
開園時間は朝8:00から夕方18:00。
入園保存料が大人1000円、子供500円がかかります。

詳しくは「藤花園」のHPをご覧くださいね。開花状況も写真でチェックすることができますよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/23 訪問

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