写真:よしおか
地図を見る「花嫁のれん」と聞くと、テレビ番組を通じてご存知になられた方も多いと思います。東海テレビ放送・フジテレビ系列で放送された昼ドラマ『花嫁のれん』は創業100年を誇る金沢の老舗旅館「かぐらや」で繰り広げられる姑・嫁のコメディー。2010年よりシリーズ化されており、「花嫁のれん」の認知度も高まってきているのではないでしょうか。
「花嫁のれん」とは、幕末から明治にかけて見られた北陸地方の花嫁道具のこと。花嫁は結婚前日に嫁ぎ先にのれんを持参し、仏間の入り口にかかげます。結婚式当日、のれんをくぐることでその家の一員として認められる、という風習が加賀藩前田家の領地であった加賀、能登、富山に多くみられました。
花嫁たちはのれんをくぐり、新たな生活への一歩を踏み出していったのです!
写真:よしおか
地図を見る「花嫁のれん展」が開催される一本杉通り商店街は、能登半島七尾市にある、600年以上の歴史を持つ街道です。七尾駅からしばらく歩くと、朱色の「仙対橋」が見えてきます。その橋を左に曲がれば、約450mほどのまっすぐ伸びる商店街が目の前に広がります。昔、大きな一本の杉があったことから「一本杉通り」と名付けられたそうです。
商店街には、約50店舗のお店が立ち並び、どの建物も昔ながらの木造の長屋。そのうちいくつかは登録有形文化財に指定されています。この商家や民家の屋内に100枚以上もの美しいのれんが展示され、年を追うごとに観光客も増え、人気になりつつある展示会です。
2004年から行われてきた「花嫁のれん展」。地域の伝統文化を守り、まちづくりを行ってきた地道な努力が評価され、一本杉通り商店街は2013年に「ティファニー財団伝統文化大賞」を受賞しました!花嫁のれん展は全国でもここにしかなく、高く評価されています。
もちろん、昼ドラマ『花嫁のれん』のロケ地にもなりました。店内での撮影のほか、主役の神楽菜穂子役・羽田美智子さんが通りを歩くシーンなどが撮影され、風情ある画となっていました。
写真:よしおか
地図を見る古い町並みの一本杉通り商店街に色鮮やかな美しいのれん。非常に趣きがあります。各店舗の中にのれんが飾られているので、のれんを見ながら、お店の商品も見ることができるという一石二鳥の探索ができます。各店舗の雰囲気もそれぞれ違うので、楽しんでください。
「花嫁のれん展」の期間中には花嫁道中が行われるので、間近でのれんをくぐる花嫁を見ることができます!街中の人々が一丸となり、お祝いをします。花嫁道中は1日のみですので、開催日時等の詳細は「花嫁のれん展公式サイト」でご確認くださいね。
写真:よしおか
地図を見る花嫁のれんには宝船や鳳凰などの吉祥文、鶴など縁起の良い柄、新婦の実家の紋が友禅染によって描かれ、またとして同じ模様は存在しません。のれんの色や柄には時代ごとに流行り廃りがあり、時を感じることができます。
現在では、お正月やお祝い事の際に掛けることはありますが、それ以外では使用される事が少なくなってしまいました。時代は変化しますが、自分だけの花嫁のれんを持つことは素敵ですよね。
写真:よしおか
地図を見る各のれんには、所有している花嫁さんのお名前、そして由来が書かれたパネルがあるので、各々の思いを感じることができます。
また、各店先には女の店主が多いことに気づくことでしょう。そう、一本杉通り商店街は代々女の人が店主になっている店が多いからこそ「花嫁のれん」が多く残っているのです。店先々で店主たちが丁寧にのれんにまつわるお話や、お店の歴史などを語ってくださるので、とても勉強になりますよ!
「一枚一枚に物語がある」
そう思うとなんだか気持ちがほっこりとし、何時間でも見ていられます。
そして、花嫁のれんは家紋や花鳥が色鮮やかで美しく芸術性が高いということから、近年フランスのパリでも注目され始めています。日本の伝統技術としてより今後も注目を浴び、伝承していきたいのものです。
「花嫁のれん展」は毎年4月下旬から5月上旬まで開催されます。ゴールデンウィーク期間中は、日本最大の曳山祭り「青柏祭(せいはくさい)」も行われています!祭りで騒いだ後は、花嫁のれんに癒される・・・この期間中、七尾市一本杉通り商店街ではまたとない楽しい時間が流れます。
青柏祭の当日は特に混雑が予想されるので、自動車の方はお早めにお越し下さい。駐車場は七尾マリンパークにあります。
「花嫁のれん」を通して、北陸の伝統ある嫁入り儀式に触れてみませんか?
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この記事を書いたナビゲーター
よしおか
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