写真:塚本 隆司
地図を見る和倉温泉の中央辺りに北陸鉄道(通称:北鉄)のバス乗り場がある。今回紹介する「のとフライト号」をはじめ、能登半島の観光を楽しめる定期観光バスの発着地なのだ。毎日運行している定期観光バスは、空席さえあれば当日でも乗車できる。この日は雨だったが、傘も貸してくれるのはうれしい。
「のとフライト号」の最初の目的地は、「輪島の朝市」。
和倉温泉からは約1時間。能登島を経由しながら海岸線を走る。途中に見える景色・その土地の歴史など、観光バスの運転手さんの説明に聞き入りながら、旅をするのはいいものだ。
「輪島の朝市」での散策は1時間程度。魚介類はもちろんだが、中程に位置する酒蔵「日吉酒造店」で能登杜氏が仕込んだ日本酒を試飲できるのも、バスの旅ならではの楽しみだ。各店で差し出された試食を肴に試飲とは、少々申し訳ない気もしていたがその美味さに納得。旅先での美味いモノと美味い酒。お気に入りのセットを見つけるのも旅の楽しみだ。
提供元:能登のお祭り館 キリコ会館
地図を見る次に向かったのは、「能登のお祭館 キリコ会館」。
写真からも伝わる、この圧倒的な迫力。
「キリコ(切籠)」とは、能登地方独特の巨大な御神燈。大きなものでは、高さ10mを越えるという。これを担ぎ出すお祭りが「能登キリコ祭り」なのだ。能登地方の夏秋は、どこかでキリコ祭りが見られるというほど、祭り一色になるという。
能登人の神々への「感謝」と「祈り」。群衆にもまれながら、共に日本人の心にふれることができる祭り。祭り囃子が流れる館内で、そんな祭りの雰囲気を年中感じることができる。行けば実際の祭りに必ず行きたくなること、間違いない。
奥能登の観光名所「白米(しらよね)千枚田」。能登半島北岸を走る国道249号線と日本海との間の僅かな崖地に、現在1004枚の棚田が作られている。多い時には8000枚の棚田が広がっていたと聞く。
昔、1000枚の棚田を持つ老夫婦が農作業の後、棚田を数えれば998枚しかない。もう一度数えてもやはり998枚。諦めて帰ろうと二つの菅笠を手に取ると、下から2枚の棚田が出てきたそうだ。
そんな小さな棚田もある千枚田。能登の厳しい自然が作り出す米は、とても美味しいという。
私は、これほど凄い作品が収蔵されている美術館に行ったことはない。
俵屋宗達・円山応挙・長谷川等伯・雪舟・狩野探幽らの絵画。利休や芭蕉らの書、本阿弥光悦・楽家初代長次郎・野々村仁清・柿右衛門などの焼き物。
驚愕の品々が並べられている。
なぜ、奥能登にこんな名品の数々があるのか。
「南惣(なんそう)」家は、かつての奧能登大野村の天領庄屋。歴代当主が惣右衛門、または宗右衛門と名乗ったことから南惣と呼ばれ、鎌倉期以前より今日まで続いているという。
その歴代当主の収集品が展示されているのが米蔵を改装して作った「南惣美術館」というわけである。中庭も美しく、まさに隠れた名所である。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真:塚本 隆司
地図を見る珠洲ビーチホテルで昼食と地ビール・奥能登ビールを頂き、珠洲焼資料館を見学。次は最後の目的地・奥能登のシンボルともいうべき「見附島」。別名「軍艦島」。まさに迫り来る軍艦のようだ。
空海が佐渡島からやってきて最初に見つけたことから名がついた「見附島」から、悲しい男女の伝説から名づけられた「恋路海岸」までの海岸線は、恋人達のデートスポット。見附(みつけ)から恋路の「えんむすビーチ」と呼ばれている。浜辺に建つ「縁結びの鐘」をうち鳴らす二人には、幸せが訪れるそうだ。
奥能登の旅といえば、まさに秘境にでも旅立つような気持ちになり行きにくい印象を受けてしまう。それでも観光バスなら安心して旅ができる。
定期観光バス「のとフライト号」は名前の通り、降車希望があれば能登空港へも立ち寄る。能登の旅を満喫したその足で空港へと向かい帰路につく事も出来るのだ。
旅の限られた時間を有効に使える定期観光バスの旅。是非、うまく活用して旅を満喫しよう。
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(2024/12/14更新)
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