写真:沢木 慎太郎
地図を見るバンコクで最近、人気SNSの「Instagram」(インスタグラム)映えする観光スポットといえばワット・パクナムが話題。幻想的な天井画が見られるスポットとして人気があります。しかし、エラワン・ミュージアムも穴場のインスタ映えスポット。天井にはヨーロッパの教会風の大きなステンドグラスが輝き、神秘的で深い美しさに満ちています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらがエラワン・ミュージアムの外観。3つの頭を持つ、巨大なゾウのモニュメントが特徴の博物館です。
エラワン・ミュージアムは、バンコクの中心から外れた場所に位置していますが、行き方・アクセスは簡単。BTSとタクシーを使えば、効率的で安く早く行くことができます。BTSスクンビット線のサムローン(Samrong)駅で降り、タクシーを使えば約5分(料金は約140円)。タクシーの運転手さんに「チャーン(ゾウの意味)・エラワン」と言えば、わかってもらえるでしょう。
近い将来には最寄り駅のチャーン・エラワン (Chang Erawan)駅が開業し、駅から徒歩約2分と近く、よりアクセスが便利になります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る2003年完成のエラワン・ミュージアムですが、外国人観光客にはまだあまり知られていない穴場の観光スポット。さきほどの巨大なゾウのお腹は空洞となっていて、大きな仏像が祀られ、タイ人女性に人気のパワースポットとなっています。
仏教・ヒンドゥー教・キリスト教の3つの宗教を融合させた世界観が見られ、美術館と寺院を兼ねた珍しい観光名所。入場料金は外国人が400バーツ(約1400円)と高めですが、博物館すべてが壮大な芸術作品でまとめられ、思わず写真撮影に夢中になってしまいます。ワット・パークナムと同様に、バンコクの女子旅にもおすすめの観光スポット。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る3つの頭を持つエラワン象。インド神話に登場するゾウのことで、ヒンドゥー教のインドラ神(帝釈天)の乗り物とされています。自由に宇宙を駆け巡ることができる想像上の生き物。タイでは、エーラーワン(Erawan)と呼ばれています。
エラワン・ミュージアムのエラワン象は、銅製で高さ29メートル。重さは250トン。巨大ゾウの内部が天上界(写真)。ゾウを支えるピンクの台座の上階が須弥山(しゅみせん)で、下階が地獄をイメージし、全体としては仏教の宇宙観を表しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るエラワン象を支える台座はホールになっていて、高さ約15メートルの吹き抜け空間が広がっています。正面のお堂を取り囲むように、2つのらせん階段がうねりながら天井へと伸び、まるで鳳凰の翼のよう。左右で色や形が異なりながらも、絶妙なバランスが保たれています。
らせん階段は、蛇神のナーガをイメージ。天界へと続く階段のようです。ダリの絵のようにぐにゃりと曲がった不思議な空間。異世界へと引きずり込まれるかのような迫力が感じられます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るナーガの階段や壁や柱にも、世界の異なる宗教の世界が細やかな装飾で表現されています。しかし、タイの伝統的な美術も多く織り込まれ、鮮やかな色合いはタイの陶磁器のベンジャロン焼きを砕いて貼り付けたもの。ナチュラルな色合いは鉱石や砂といった自然素材を使い、細やかなところにまで芸術の美しさを見ることができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る圧巻なのは、天井の大きなステンドグラス。精緻で静かな世界観が感じられ、思わず見入ってしまいます。異彩を放つ天盤のステンドグラス。ドイツ人のアーティストが手がけたステンドグラスには乙女や蟹、獅子など12星座や世界地図が描かれ、星や月、太陽を表しています。
仏教施設ながらも、西洋の神を賛美する思想が織り込まれ、混とんとしながらも不思議な調和が美しく、この世のどこにも見られない不思議な聖域です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る星座を描いたステンドグラスは、東西の美術を融合し、世界に平和をもたらすアートの世界(人間界)を象徴。壁や階段には陶器(ベンジャロン焼き)を砕いた数多くの装飾品。タイの伝統的な装飾が見られると思ったら、曲線美の美しいアールヌーボー風のデザインもあり、ホール全体は淡いピンク色に包まれています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るナーガのらせん階段を登りきると、さらに人間界から天上界へと昇る階段が。象の後ろ足がらせん階段になっていて、ゾウのお腹にある寺院(ダーウドゥン天上界)へとつながっています。
天上界と続くらせん階段の壁や天井には、仏教の世界をテーマとした絵が描かれています。天人の絵などが描かれ、どれも淡い筆づかい。西洋の教会壁画に使われているテンペラ技法によって描かれたもので、数百年後も繊細な色彩を保つことができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る天上界へと向かう途中には、ご覧のような素敵なシャンデリアが飾られています。これも仏教の宇宙観を表しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真が本堂。この場所は、エラワン象のお腹部分にあたり、最も高い場所に位置しています。ゾウの胎内は薄暗く、神秘的な世界。ここは、“ダーウドゥン天上界”と呼ばれる聖域で、多くのタイ人たちがこの場所で祈りを捧げています。
ミュージアム(博物館)ですが、芸術作品や宗教性として強く打ち出した建築。これまでの既成概念にとらわれない独創的なまでに美しい寺院です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る本堂の中央には黄金に輝く仏像があります。この仏像を中心に、歴史的な仏像が左右に並んでいます(中央にある黄金の仏像は撮影できますが、左右の仏像は撮影禁止)。最上段には小さな黄金の仏像が安置され、仏舎利が収められています。
中央に置かれた黄金の仏像は優しい曲線が美しい。天井や壁にもテンペラ技法で宇宙が描かれ、ブルーグリーンのライトがひっそりお堂を照らしています。荘厳で神秘的な雰囲気が漂い、静かに祈りを捧げたくなる聖域です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るところで、エラワン・ミュージアムの創立者は、華僑出身の財界人レック・ウィリヤパン氏(故人)。タイ全土の観光名所を再現したテーマパーク「ムアン・ボーラーン」(Ancient City)や、パタヤの「サンクチュアリ・オブ・トゥルース」(The Sanctuary of Truth)を手がけたことでも知られています。
タイの文化や芸術を後世に伝えることを目的とした壮大な芸術作品。ミュージアムの地下には、タイや中国の古美術が展示され、ナーガ神界を表しています(撮影は禁止)。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るさまざまな宗教観や美術が融合し、世界のどこにもないシュールな美しさ。日本では考えられないような荘厳なミュージアムは、世界を冒険しているような躍動感があり、不思議に心が休まる聖域。
ミュージアムのまわりは庭園となっていて、珍しい植物が生い茂り、散策コースにもなっています。ゾウのモニュメントや、川のせせらぎもあり、ゆったり落ち着いた雰囲気。タイ土産店のほか、木陰で休めるレストランやカフェもあり、タイ料理も楽しむことができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る幻想的な天井画といえばワット・パクナムが人気の観光スポットとなっていますが、エラワン・ミュージアムも見どころが多く、バンコク観光をより楽しめることでしょう。サイアム地区からBTSとタクシーを使えば約30分とアクセスも良いので、訪ねてみてはいかがでしょうか?
なお、ワットパークナムやワットロンクン、サンクチュアリ・オブ・トゥルースなどのタイのインスタ映えスポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
住所:99/9 Moo 1, Tambon Bangmuangmai, Amphur Muang, Samutprakarn 10270
電話番号:+66-2-380-0305,+66-2-371-3135
アクセス:BTS(Samrong)駅からタクシーで約5分
開館時間:8時〜17時(年中無休)
入館料金:外国人の大人400バーツ、子供200バーツ
服装・注意事項:短パンやミニスカートはNG(腰布などを貸してもらえます)。特に女性はノースリーブやタンクトップなど、肌の露出度が高い服装はNG。館内の一部は撮影禁止。瞑想・祈りの場でもあり、大声を出さず、マナーを守って静かに参拝しましょう。
2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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