驚異的スーパートスカーナ!イタリア・マレンマのワイナリー「レ・プピッレ」

驚異的スーパートスカーナ!イタリア・マレンマのワイナリー「レ・プピッレ」

更新日:2018/12/22 14:15

Etsuko Ciaoのプロフィール写真 Etsuko Ciao 郷土料理お伝え旅ライター
伊トスカーナ州は、なだらかな丘と糸杉の美しい緑が魅力。世界的にも名だたるワインの生産地で、ワイナリー巡りはイタリア旅行の楽しみの一つ。トスカーナ州マレンマ地方の「レ・プピッレ」は、イタリアで権威ある「ガンベロロッソ」「 ビベンダ」にてスーパートスカーナ「サッフレディ」で2冠達成した女性オーナーのワイナリーです。マレンマの可能性を引き出し、世界市場へと発展させた情熱ワイナリーを訪ねてみませんか。

イタリアワイン界で注目のマレンマ「レ・プピッレ」ワイナリーへ

イタリアワイン界で注目のマレンマ「レ・プピッレ」ワイナリーへ

写真:Etsuko Ciao

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「マレンマ」の名前を初めて聞く方も多いかもしれません。トスカーナ州の南部に位置し、中世以前からの緑豊かな自然がそのままに残るワイン新興地。「レ・プピッレ」はマレンマ地方のスカンサーノ地域にあります。スーパートスカーナ「サッフレディ」を生み出し、イタリアワイン界のみならず世界からも注目度大のワイナリーです。

イタリアワイン界で注目のマレンマ「レ・プピッレ」ワイナリーへ

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レ・プピッレは1985年にオーナーのエリザベッタ氏が設立。その前身は1960年代に薬局を営んでいたエリザべッタ氏の義父フレディ氏がスカンサーノに2ヘクタールの畑を購入したのが始まり。当時マレンマは、まだ未開墾でワイン生産地として整備された土地ではなく、そのような観点からもマレンマ産ワイン創成期の造り手でした。その頃のフレディ氏は自家消費用・顧客贈答用としてワインを造っていました。

イタリアワイン界で注目のマレンマ「レ・プピッレ」ワイナリーへ

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フレディ氏が没した1985年に、20歳のエリザベッタ氏は生涯をかけたワイン造りを決意し「レ・プピッレ」が誕生。当時女性がワイナリー経営をするのは稀な時代。男社会の中で、家族経営から国際的な企業への道を力強く歩み始めたのでした。

エリザベッタ氏は、故フレディ氏と一緒に収穫したブドウ畑を徐々に広げていきました。現在はマレンマ地方のスカンサーノとマリアーノに合わせて75ヘクタールのブドウ畑を所有しています。

マレンマの象徴ワイン、サッフレディとモレッリーノ・ディ・スカンサーノ

マレンマの象徴ワイン、サッフレディとモレッリーノ・ディ・スカンサーノ

写真:Etsuko Ciao

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見学はオフィス横の樽熟成の貯蔵室から。案内してくださるのはマーケティング担当のフランチェスカさん。ワイナリー誕生の歴史からマレンマでのワイン造り、土壌、ブドウ品種、熟成等を説明してくださいます。

レ・プピッレが最初に手掛けたワインはモレッリーノ・ディ・スカンサーノ。マレンマのスカンサーノ地域で造られている、カジュアルに楽しめるワインです。レ・プピッレは早くから土地のポテンシャルに目をつけ、畑を購入し品質の向上と生産に力を注いで「モレッリーノ・ディ・スカンサーノ」を販売し始めました。

モレッリーノは、トスカーナ州で多く栽培されているサンジョヴェーゼ種を指しています。マレンマ地方特有の呼び名で、黒みがかった果実の色味を意味しています。

マレンマの象徴ワイン、サッフレディとモレッリーノ・ディ・スカンサーノ

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ワイナリーのシンボル的ワイン「サッフレディ」は、今やイタリアワイン界のみならず世界から大注目のスーパートスカーナです。誕生にあたり、その道のりは決して易しいものではありませんでした。オーナーのエリザベッタ氏は、義父フレディ氏の友人で「サッシカイア」の生みの親、醸造家ジャコモ・タキス氏に師事しワイン造りを教わりました。

タキス氏のアドバイスで、ワインをスーパートスカーナにすべく国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培を始めました。ブドウ畑と醸造所の整備、栽培方法を改良、努力を重ね1987年にはカベルネ・ソーヴィニヨン100%のサッフレディを世に送り出したのです。

それは非常に革命的で1987年のリリース以来、世界中にセンセーショナルを巻き起こし、イタリアで権威ある「ガンベロロッソ2017」「ビヴェンダ2016」の2誌で最高賞を獲得、生命力に溢れ、別次元で偉大と評価されました。

マレンマの象徴ワイン、サッフレディとモレッリーノ・ディ・スカンサーノ

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収穫時期は毎日畑からの収穫があり、それぞれのステンレスタンクへ入れられて第一発酵します。その後、ワインにより樽熟成や、ステンレス熟成と異なる過程へ進みます。土壌、気候、地形などのテロワールにより、適しているブドウは何か、どんな木の樽に入れるのか、ワインの種類によって樽の木材など、ブドウを植える前から全て計画のもとにワイン造りはすすめられています。

イタリアンエレガンスな一室にて試飲タイム

イタリアンエレガンスな一室にて試飲タイム

写真:Etsuko Ciao

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ワイナリー見学の後は、いよいよ試飲タイム。敷地内の別棟へと移動します。案内されたのは別荘のような一部屋。アンティークでエレガントな家具、小物で統一され、まるで友人宅へ招かれたかのようです。

イタリアンエレガンスな一室にて試飲タイム

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試飲するワインは約3種類。写真左からモレッリーノ・ディ・スカンサーノ、モレッリーノ・リセルヴァ、ポッジョ・ヴァレンテです。

モレッリーノ・スカンサーノDOCGは、軽やかで飲みやすく毎日楽しめるワイン。使用されているブドウは、トスカーナの王様「サンジョヴェーゼ」、サクランボのようなフルーティ感を与える「チリェジョーロ」、マレンマのグローセット県でよく使われる「アリカンテ」です。ワインの醸造はステンレスタンクのみで仕上げています。

モレッリーノ・リセルヴァは、ブドウは「サンジョベーゼ」と「カベルネソーヴィニヨン」で造られ、生産から4年後にいただくのが飲み頃時期。特別な日におすすめな一本です。

イタリアンエレガンスな一室にて試飲タイム

写真:Etsuko Ciao

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ポッジョ・ヴァレンテは、100%「サンジョベーゼ」の紫がかったルビーレッド。穏やかな酸とタンニンのバランスも良く、まろやかな余韻が飲んだ後に続きます。(ヴィンテージによってサンジョベーゼ以外の品種を加えている年もあり)

買い逃しなく!サッフレディ他名品が勢揃いの売店

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写真:Etsuko Ciao

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見学と試飲後は、売店でワインの購入が可能です。試飲した3種類はもちろんのこと、それ以外のワインがズラリ勢揃い。ボトルサイズは、ワインによってはハーフサイズ(375ミリリットル)もあります。お友達へのプレゼントや、1本は空けられないけどワインが飲みたい時にぴったりです。

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一番のおすすめはマレンマの象徴「サッフレディ」。エリザベッタ氏が、収穫を見ずに亡くなった義父フレディ氏に捧げたワインです。当初はカベルネソーヴィニョン100%で造られていましたが、現在はメルロー、プティヴェルドも使うようになりました。

力強くて濃密、ブラックチェリーやカシスを感じさせ、タンニンは滑らかな味わい。ワイン産地としてマレンマの可能性を引き出し、証明したスーパートスカーナです。

世界的なワイン評論家のジェームズサックリング氏から2012年は100点、2013年は98点のハイスコアを獲得。

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「ポッジョ アルジェンタート」は、トスカーナでは割とめずらしいトラミネールと、ソーヴィニョンブランで造られた白ワイン。爽やかで華やかなフルーティさが特徴です。酸とミネラルを感じ、すっきりと飲みたい時におすすめな1本です。

注目度が急上昇しているトスカーナ州のマレンマ地方。可能性を秘めたマレンマ産ワインをぜひご堪能下さい。

Fattoria Le Pupilleの基本情報

住所:Piagge Del Maiano,92 A,58100 Grosseto (GR)
電話番号:+39-0564-409517
ファックス:+39-0564-409519

ワイナリ―見学希望は、関連MEMOの公式ホームページ内「Contacto us」からお問い合わせ下さい。

2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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