土佐伝統の町並みをぶらぶら散策!室戸市「吉良川の町並み」

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土佐伝統の町並みをぶらぶら散策!室戸市「吉良川の町並み」

土佐伝統の町並みをぶらぶら散策!室戸市「吉良川の町並み」

更新日:2018/12/27 14:18

浦賀 太一郎のプロフィール写真 浦賀 太一郎 週末トラベラー

高知市から国道55号を車でおよそ1時間40分。吉良川町は、江戸時代から林業が盛んで、明治から昭和にかけて良質な備長炭を産出し、商家や回船問屋が栄えました。とっても旅情をくすぐられるその町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、往時の人々の暮らしを今に伝えます。今回は、「台風銀座」と言われたこの地域独特の土佐漆喰や、いしぐろが彩り豊かな「吉良川の町並み」を紹介します。

まずは情報収集!古民家改修の「まちなみ館」へ

まずは情報収集!古民家改修の「まちなみ館」へ

写真:浦賀 太一郎

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吉良川に着いたら、まずは吉良川まちなみ拠点施設「まちなみ館」へ行きましょう。まちなみ館は旧長田邸、旧松本邸を修復し、町並み観光の拠点施設として生まれ変わっています。敷地内には軽食を頂ける「べっぴんさんの家」や、お手洗い、小休憩ができるスペースがあり、町並み散策に欠かせないマップも置いてありますよ。

まずは情報収集!古民家改修の「まちなみ館」へ

写真:浦賀 太一郎

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隣接のおまつり館では、国指定重要無形民俗文化財である、「吉良川の御田(おんだ)祭」の展示が興味深いです。鎌倉時代から続くお祭りで、民心の安定や五穀豊穣を祈念します。能楽には子供が生まれる場面もあり、子授けのお祭りとしても有名で、日本三大奇祭の一つ(諸説あり)に数えられています。

まずは情報収集!古民家改修の「まちなみ館」へ

写真:浦賀 太一郎

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まちなみ館の通りの先には、御田祭が行われる御田八幡宮があります。応神天皇を主祭神とする神社で、樹齢500年と推定されている「御田さんのクスノキ」はかなり立派な古木ですよ。

火災・暴風雨に負けない!土佐漆喰と水切瓦

火災・暴風雨に負けない!土佐漆喰と水切瓦

写真:浦賀 太一郎

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吉良川の民家の壁面には、土佐漆喰が多く使用されています。土佐漆喰の大きな特徴として、のりを使用せず、不純物を取り除いた消石灰に発酵した藁(ネズサ)を混ぜ、火災や雨に強く丈夫にしているという点があります。通常の漆喰の三倍も厚く塗り、一週間乾かして塗る、という工程を3〜4回も繰り返し、職人技で仕上げます。

最初クリーム色だった壁面は、一年間日に当たると藁の色素が抜け、輝くような艶が出て、鏡のような見事な白になるのです。土佐漆喰は、現存天守で重要文化財に指定されている高知城にも使われているんですよ!

火災・暴風雨に負けない!土佐漆喰と水切瓦

写真:浦賀 太一郎

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土佐漆喰に加え、吉良川の家屋を風雨から守るのは、壁面に3〜5段で水平に突出す「水切瓦」です。室戸地方は「雨は横から降る!」と形容される程、暴風が吹き荒れる地域。そんな厳しい自然環境から壁面を守る工夫が、この水切瓦なんです。

火災・暴風雨に負けない!土佐漆喰と水切瓦

写真:浦賀 太一郎

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漆喰壁に絶え間なく吹き付け、流れ落ちる海水を含んだ雨水は、土佐漆喰にとっては天敵と言えるでしょう。水切瓦は、流れる雨水を瓦に伝わせることによって、庇から直接地面へ落ちるように考えられたもので、漆喰の雨水被害を最小限に止める役割を果たします。水切瓦によって、外壁は100年もの耐久力を発揮するのです。

特徴は家屋の数だけあり!?個性豊かな商家の家々を巡る

特徴は家屋の数だけあり!?個性豊かな商家の家々を巡る

写真:浦賀 太一郎

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吉良川の二階建て家屋の特徴に、「つし」を挙げることができます。これは「厨子」と京の町家などでは書かれたりするものです。母屋の大屋根の中に組み込まれた部屋で、タンスなどの家具を収めたりと、物入れに使われています。写真は細木家住宅「つしのある家」です。

特徴は家屋の数だけあり!?個性豊かな商家の家々を巡る

写真:浦賀 太一郎

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吉良川の家屋は、どこか京風の雅な雰囲気を醸し出しています。室戸と京阪神地区は、遠そうに見えて実は、海路を使えば名古屋-京都間よりも近いんです。商家の町並みには上方文化の影響が見られるのはそのためと言えるでしょう。格子やなまこ壁のある細木家住宅「炭問屋の家」は現在も備長炭を商っていて、二つの蔵や二階に座敷のある離れなど、明治期の形態が良く保たれています。

特徴は家屋の数だけあり!?個性豊かな商家の家々を巡る

写真:浦賀 太一郎

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こちらの武井家住宅は、米穀商や遠洋漁業を営んだ商家でした。明治後期の建築ですが、壁面の煉瓦造り、つし二階(写真右)と二階(写真左)が混合した外観です。吉良川に残る商家の町並みは、それぞれの家屋につし、煉瓦やぶっちょう、右瓦・左瓦など少しづつ違った特徴があります。ぶらぶら歩きつつ眺めると、色々な発見があって楽しいですよ!

丘地区の「いしぐろ」やモダンな「熊懐家」の鬼瓦も必見

丘地区の「いしぐろ」やモダンな「熊懐家」の鬼瓦も必見

写真:浦賀 太一郎

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吉良川の地形は、商家の並ぶ浜地区と、地震によって隆起した微高地の丘地区から構成されています。先に触れた水切瓦や土佐漆喰の町並みは商家の並ぶ浜地区でしたが、ここで紹介するのは、「いしぐろ」と呼ばれる防風石垣が民家の周囲に築かれた丘地区です。

丘地区に見られるいしぐろは、近隣の浜石や河原石を用い、半割にして、「ハンダ」と呼ばれる赤土と漆喰を練り合わせた接着剤で整然と積み上げた練り積みや、丸石の空積みなど、家々で積み方が違い、町並みに微妙な変化を与えています。

丘地区の「いしぐろ」やモダンな「熊懐家」の鬼瓦も必見

写真:浦賀 太一郎

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また、浜地区と丘地区は家屋の海抜高さがほぼ同じとなります。浜地区は(つし)二階建て、丘地区は平屋建てが主で、屋根の高さを合わせることにより、丘地区の家屋に吹き付けるはずの風を、上手く逃がすような仕組みになっているのです。

石垣の高さも計算されつくしています。高ければ暑苦しく光が入らず、低ければ暴風を受けてしまう。絶妙な高さに築かれた石垣は、吹き付ける風を上に逃がして、光や手頃な風は入るようになっているのです。先人の経験による知恵の深さを感じることができますね!商家が京風なら、いしぐろは琉球や南方の島々の民家を思い起こさせる、質朴な風景です。

丘地区の「いしぐろ」やモダンな「熊懐家」の鬼瓦も必見

写真:浦賀 太一郎

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大正時代に建てられた熊懐家住宅は、昭和中期まで郵便局として使用されていました。郵便マークの鬼瓦がユニークです。郵便ポストは使用出来ませんが、大正レトロのモダンな雰囲気は、吉良川の日本風な町並みに程よいアクセントをもたらしています。

<吉良川の町並み(まちなみ館)の基本情報>
住所:高知県室戸市吉良川町甲2200-1
電話番号:0887-25-3670
アクセス:高知市内から車で約1時間40分(国道沿いに無料駐車場有)
開館時間:9:00〜16:00(火曜定休)
※吉良川の町並みについて、詳細はMEMO欄の公式HPを確認ください。

室戸の幸とジェラートが美味しい!キラメッセ室戸

室戸の幸とジェラートが美味しい!キラメッセ室戸

写真:浦賀 太一郎

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吉良川の町並みを見学したら立ち寄りたいのが、「道の駅 キラメッセ室戸」です。吉良川の町並みから3kmほど南下した所にあり、鯨料理など多彩な室戸の食材を堪能できるレストラン「食遊-鯨の郷-」。室戸の海山で採れた「安うて活きがええもん」が毎日並ぶ直売市場「楽市(写真)」。VRやARを駆使して室戸の浦人と鯨の歴史を紹介する資料館「鯨館」があります。

室戸の幸とジェラートが美味しい!キラメッセ室戸

写真:浦賀 太一郎

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楽市では採れたての新鮮な果物、野菜、鮮魚などを直売!室戸ならではの魚のお寿司や、地元食材のお惣菜も人気です。室戸世界ジオパークセンターでも購入できる「IROIROむろと(写真)」は、室戸で採れた柿やトマトなどをカットしたドライフルーツで、柑橘系はヨーグルトの味付けにピッタリ!季節の食材を使用しているので、それこそ「IROIRO」楽しむことができるんです。

室戸の幸とジェラートが美味しい!キラメッセ室戸

写真:浦賀 太一郎

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スイーツももちろん充実!甘さ、カロリーを控えめにした完全手づくりのジェラートは、なんと60種類ものレパートリーがあるとのこと。室戸の農産物の底力を垣間見られる種類の多さで、行く度に違った味のジェラートが並び、その都度、どの味にしようか悩むこと間違いなしですよ!写真はやまももジェラートと、自家製コーヒーのフロート。西山きんとき芋のクリーム大福もおすすめです。

<道の駅 キラメッセ室戸(楽市)の基本情報>
住所:高知県室戸市吉良川町丙890-11
電話番号:0887-25-2918
アクセス:高知市内から車で約1時間45分(無料駐車場有)
開館時間:8:30〜17:00(月曜定休)
※楽市の情報です。レストラン、資料館はMEMO欄の公式HPを確認ください。

実は文化の集積地だった!吉良川の町並み

一般に室戸といえばとても遠い場所というイメージがありますが、海運が盛んだった時代は、室戸地域は京にも近く、古代から様々な地域との文化交流があったことが伺えます。商家と農民家の二つの顔を持つ個性的な町並みを、是非ぶらぶら満喫してくださいね!

2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/01 訪問

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