“子育て狛犬”を撫で安産祈願!東京・中野沼袋氷川神社

“子育て狛犬”を撫で安産祈願!東京・中野沼袋氷川神社

更新日:2018/12/24 22:09

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
東京・中野沼袋にある氷川神社の御祭神「須佐之男命」は、文武両道に卓越した神様。古代人からも熱い信仰を集めていた。五穀豊穣祈願と病などの厄除に御利益があると崇められている。境内には「三本願い松」や「境内社」など、見どころがたくさんある。戌の日ともなれば「子育て狛犬」に安産祈願する参拝者が多く訪れている。さらに、鳥居の脇では「七福神」全神の礼拝が一度にできる。ちなみに、中野区内で唯一の場所である。

西武新宿線「沼袋駅」から歩いて2分!

西武新宿線「沼袋駅」から歩いて2分!

写真:井伊 たびを

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東京都中野区沼袋にある「氷川神社」へ訪れるには、新宿から田無方面に向かう、西武新宿線が便利だ。「新井薬師前駅」を過ぎ、間もなく「沼袋駅」へ到着するというころ、右側車窓から見える神社である。つまり沼袋駅北口から、線路沿いに歩いて2分という、アクセスの良さに恵まれた神社だ。

西武新宿線「沼袋駅」から歩いて2分!

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「中野沼袋氷川神社」は、「大宮氷川神社」より御分霊を授かり、当地に奉祀したのが始まりだ。当社の御祭神は、八岐大蛇(やまたのおろち)退治の神話に登場する主人公・須佐之男命(すさのおのみこと)である。

「子育て狛犬」を三回撫でて“安産祈願”

「子育て狛犬」を三回撫でて“安産祈願”

写真:井伊 たびを

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鳥居をくぐれば、まず迎えてくれる「子育て狛犬」は、“親子の情愛”を巧みに表現した江戸時代の名工・平田栄太郎と平田栄次郎の作である。親の腕に身も心も委ね、安心しきった子供の狛犬。その表情に、石工のノミさばきの巧みさが漲り、現代人にも親子の情愛を伝える芸術品である。

「子育て狛犬」を三回撫でて“安産祈願”

写真:井伊 たびを

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この「子育て狛犬」は、古くから三回撫でるとお産がかるくなるとの言い伝えがあり、特に戌の日には安産祈願の参拝者が多く訪れている。

「子育て狛犬」を三回撫でて“安産祈願”

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台座の刻字を読み取れば、1864年(文久4年)の作である。

御祭神は「須佐之男命」である

御祭神は「須佐之男命」である

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当社の御祭神・須佐之男命は、厄除けのご利益があることで知られている。勇壮な性格の持ち主で武勇にすぐれ、心も非常に広く、気丈な神様として崇められている。

出雲の国(島根県)に降臨した須佐之男命は、その地方を荒す強大な賊を平定させ、付近の国々の住民に農耕・狩猟・植林の方法を教え、土地の開発に力を注ぎ大いに国造りに貢献した。その一面、文学の道にもすぐれ、文武両道に卓越した神様である。

御祭神は「須佐之男命」である

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「須佐之男命」が八岐大蛇を退治したのは、農業の営みを脅かす暴風雨や洪水などの自然災害から、収獲物を守るためであり、もともと“農業の守護神”という性格が非常に強かったことを物語っている。

日常生活を営む上で、もう一つ大きな障害となるものに「病気」がある。古代人はこれらの厄から逃れることを願うのに、神様の中でも最も威光が強く、雄々しい性格の持ち主である須佐之男命にその信仰を求めた。

すなわち、人間生活に必要な五穀豊穣の祈願と、生を受けた者の宿命である病気から自分たちの安全を祈る事。この二つの身近で素朴な願いが、“須佐之男命信仰”として全国に広まったのである。

「道灌杉」と「三本願い松」と「境内社」

「道灌杉」と「三本願い松」と「境内社」

写真:井伊 たびを

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1477年(文明9年)4月、太田道灌が豊嶋一族と合戦(江古田原・沼袋合戦)した際、当社に本陣を置き、戦勝を祈願して社頭に杉一本を献植した。後年それは、「道灌杉」と呼ばれるようになり、天を目指し雄々しく伸びていたが、1944年(昭和19年)に惜しくも枯れてしまっている。

「道灌杉」と「三本願い松」と「境内社」

写真:井伊 たびを

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また境内には、「三本願い松」がある。昔からわが国は自然の恩恵や営み、特に“木に宿るとされる魂”に対して謙虚な姿勢があった。

「悪しきことはスギ去れ、願い叶うをマツ」と杉の木に願いを掛けて、不運・災難から逃れ松の木に幸福を願うと必ず叶うと信じられてきた。

「三本願い松」に思いを託し、大神さまのお陰を戴き、健康で豊かな日々を過ごせるように祈念したいものだ。

「道灌杉」と「三本願い松」と「境内社」

写真:井伊 たびを

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水の神、田の神、病気平癒の神である「天王社」、をはじめとする数多くの境内社がある。火災、盗難除けの神、であり縁結び・知恵の神である「御嶽神社」は、ぜひお参りしておきたいものだ。

「力石」と「中野七福神」

「力石」と「中野七福神」

写真:井伊 たびを

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「力石」は、昔、若者たちが力比べに使ったもの。持ち上げられた「大石」に、その重量や姓名を刻んで奉納したものである。単なる「力比べ」の娯楽の面だけではなく、本来は“神事儀礼”であり、より重い石を持ち上げることにより、一人前として社会に認められるという“通過儀礼”でもあった。

「力石」と「中野七福神」

写真:井伊 たびを

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ありとあらゆる幸運をもたらせてくれる「七福神」は、室町時代ごろから 幸運、福運、とくに金運をさずけてくださる「七神」としてまとめて信仰されるようなった。こちらの「中野七福神」は、2009年(平成21年)8月、天皇陛下御即位20年並びに天皇皇后両陛下御成婚50年を記念して、奉齋されたものである。

中野区内で、一度に「七福神」の礼拝ができる唯一の場所として、区内外から多く参拝者が、福の神の御利益を授からんと訪れている。

また、お時間に余裕があれば、お隣の駅「新井薬師前」より、歩いて5分の「新井薬師」にも、参拝されることをお勧めする。詳しくは記事下の「関連MEMO」をご参照のこと。

中野沼袋氷川神社の基本情報

住所:東京都中野区沼袋1-31-4
電話番号:03-3386-5566
アクセス:西武新宿線「沼袋駅」北口より徒歩2分

2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/08/24 訪問

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