埼玉のバードウォッチングの名所!冬の国営武蔵丘陵森林公園へ

埼玉のバードウォッチングの名所!冬の国営武蔵丘陵森林公園へ

更新日:2019/01/19 15:19

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター
埼玉県の国営武蔵丘陵森林公園は、その名の通り深い森に包まれた、全国で始めてオープンした国営公園です。深い森には多くの種や実のなる植物があふれ、それらを糧として冬には多くの野鳥たちが訪れます。園内をぶらりと歩くだけでも、都心ではなかなか出合えない珍しい鳥に出合えるほか、水鳥の集う池や、室内から鳥の観察を楽しめるカフェも! 鳥に嬉しい様々な環境の揃った広大な公園を、じっくりと散策してみましょう。

広大な国営公園には、森あり、池あり、広場あり!

広大な国営公園には、森あり、池あり、広場あり!

写真:鷹野 圭

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東京ドーム約65個分にもおよぶという広大な面積が自慢の武蔵丘陵森林公園は、日本発の国営公園として1974年にオープンしました。その名のとおり敷地の多くが深い森に囲まれており、存分に森林浴を楽しめるスポットですが、他にも広い池や湿地帯など多様な環境が揃い、それぞれの環境を好む大小様々な生きものが暮らしています。

写真は、ちょうど公園の中央付近に位置するレストランから池(山田大沼)を見下ろしたところ。冬場は風が冷たいので屋外席はあまり使われませんが(汗)、林の隙間から眺める池の風景はなかなかのもの。加えて、サギやカモなどの水鳥が多く観察できます。

広大な池は、俯瞰でも近距離でも楽しめることでしょう。

広大な国営公園には、森あり、池あり、広場あり!

写真:鷹野 圭

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1日たっぷりと歩き回れる広大な面積と多彩な環境を持つ武蔵丘陵森林公園ですが、その反面「あまりに広過ぎ&見所が多過ぎて開園時間中に歩いて全部を見切れない」という大きなデメリットがあります(汗)。そのため、事前にある程度地図(下記Webサイトからダウンロードできます)を見ておき、行きたい場所をあらかじめ絞っておくといいでしょう。

その上で利用すると便利なのが、汽車の形をした園内バス。乗車賃は1回210円かかりますが、お得な一日乗り放題券(400円)も売っています。バスの車窓からのんびりと森の風景を眺めるのも乙な楽しみ方です。

もちろん、時間と体力に余裕があるなら「歩く」というのも1つの選択肢。あるいはランニングなどに利用するのもいいかもしれません。

広大な国営公園には、森あり、池あり、広場あり!

写真:鷹野 圭

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広い武蔵丘陵森林公園には、1日たっぷりと滞在できるようにレストランや売店なども複数設置されています。写真は、園内南側に位置する展望レストラン。すぐ目の前には大きな芝生広場が広がっていて、レジャーやピクニックなどには最適です(冬場は寒いと思いますが……)。

森と違い、こうした開けた草原は生きものが少ないように感じるかもしれませんが、実は冬場になると結構多くの野鳥がウロウロしていたりします。セキレイやツグミの仲間などが特に多いので、驚かさないよう、少し離れた所から観察・撮影してみましょう。

冬の森林公園で、野鳥を探してみましょう

冬の森林公園で、野鳥を探してみましょう

写真:鷹野 圭

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森林公園内で一番広い水場である山田大沼には、上記のとおり多くの水鳥が飛来します。最も賑わうのは、多くのカモ達が北国から飛来する晩秋〜早春。オナガガモやヒドリガモ、ハシビロガモなどの多様なカモが水面に浮かびます。池に迫り出した木の上には、写真のようにサギの仲間が佇んでいることが多いですが、まれにカモを狙うタカの仲間が現れることも……?

冬の森林公園で、野鳥を探してみましょう

写真:鷹野 圭

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名前のとおり森林に包まれたこの公園ですが、森の中は光が少なく、枝が被ってしまうことも多いので、実はバードウォッチングにはあまり適していません。小鳥の食べ物となるような実のなる樹木があり、なおかつあまり木の密度が高くない場所を探してみましょう。

写真は、松の木を訪れたヤマガラ。種である松ぼっくりをついばんでいることがあります。

冬の森林公園で、野鳥を探してみましょう

写真:鷹野 圭

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野鳥が多く生息しているだけに、それを糧とする肉食の猛禽類もよく現れます。開けた上空に目を向けると、運がよければ優雅に舞うタカの姿も見られるかもしれません。写真は、ノスリという猛禽類。後ろ向きで少々残念な写りですが、非常に高い位置を飛んでいることが多く、咄嗟に撮影するのはとても困難です。カメラだけでなく、できれば双眼鏡も持参して上空をチェックしてみましょう。

冬、足元に目を向ければ……?

冬、足元に目を向ければ……?

写真:鷹野 圭

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関東地方と一括りにしても、東京と神奈川、そして埼玉とでは暮らしている生きものの種類も結構異なるもの。都心部ではなかなか見られないような鳥も、森林公園内では意外なほど簡単に観察できることもあります。

写真のトラツグミもその一種。名前のとおりトラを髣髴とさせる模様が特徴で、都心部では藪に隠れていることが多いのもあってレア度の高い鳥とされていますが、この公園では比較的メジャーな存在です。時には写真のように、開けた芝生広場に出てきてしまうことも!

冬、足元に目を向ければ……?

写真:鷹野 圭

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こちらは無印のツグミ(鶫)。トラツグミと同様に冬の小鳥で、大きさはスズメ以上ハト未満といったところです。冬鳥の中では比較的ポピュラーな存在で、首都圏、場合によってはビル街なんかでも姿を見かけることがあります。木の枝に止まっているよりも、むしろ広場をうろついていることの方が多いですね。

鳥によって、好みの環境はまるで異なるもの。森林公園を一周して様々な鳥に会いつつ、それぞれの趣向を探ってみるのも面白いかもしれません。

冬、足元に目を向ければ……?

写真:鷹野 圭

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冬といえば花が少ない……確かに春に比べればそうかもしれませんが、逆に寒い冬だからこそ姿を見せる花もたくさん存在します。写真はクリスマスローズ。森林公園内では花壇などに植栽されています。ローズ(バラ)という名前のとおり色々な色や花型が楽しめる人気の園芸植物ですが、名前に反してクリスマスシーズンにはまず咲かず、2月中旬ころに最盛期を迎える花なので気をつけましょう。

ほか、スイセンなどの花も密植されているところがあり、意外と冬場でも彩りは残されています。厳しい寒さに耐えて咲く花(華)を、散策がてらぜひ探してみてください。

都市緑化植物園のバードカフェは必見!

都市緑化植物園のバードカフェは必見!

写真:鷹野 圭

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寒い冬場……外で立ち止まって鳥を待ってれば、著しく身体が冷えるもの。暖かい部屋でくつろぎながらバードウォッチングできたらどんなに良いか……そんな皆さんの心強い味方が「都市緑化植物園」のバードカフェです。窓に面したテーブルから、鳥たちの集うバードサンクチュアリが目の前に見えますよ。カフェらしく温かい飲み物や軽食も販売しているので、ゆったり心身を休めながら鳥の観察・撮影を楽しめることでしょう。

都市緑化植物園のバードカフェは必見!

写真:鷹野 圭

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バードカフェ前のサンクチュアリには、餌台や実のなる低木などの食事の場や、水浴びのためのバードバス(写真の水鉢)などが設けられています。単純に羽を休めるための足場もたくさん。鳥にやさしく、同時にカフェ利用者が観察しやすいような工夫がなされています。

都市緑化植物園のバードカフェは必見!

写真:鷹野 圭

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写真は、サンクチュアリを訪れたルリビタキのメス。ちなみにオスは名前のとおり瑠璃色の非常に美しい小鳥で、多くのファンを獲得している人気者です。首都圏だと近距離で撮影できるチャンスはあまりありませんが、ここでは比較的ポピュラーな存在。粘れば、美しいオスが訪れることもあるかも?

“遊び”の場も盛りだくさん。子供も飽きない森林公園です

“遊び”の場も盛りだくさん。子供も飽きない森林公園です

写真:鷹野 圭

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森林公園には「彫刻広場」という場所があり、奇抜なモニュメントなどが多数設置されています。そのほか、期間限定のイルミネーションの際などに地元のアーティストの作品が並んだりすることも。バードカフェのある都市緑化植物園近くにありますので、鳥を探しがてらチェックしてみてくださいね。

“遊び”の場も盛りだくさん。子供も飽きない森林公園です

写真:鷹野 圭

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森の中に佇むのは、帆船を模した木製遊具。子供たちにとっては格好の遊び場です。高い木々に囲まれているだけに、清々しい自然の雰囲気を満喫しながらのびのびと身体を動かせることでしょう。他にも、アスレチックや小さな子供用の複合遊具など、遊べるスポットが満載です。

“遊び”の場も盛りだくさん。子供も飽きない森林公園です

写真:鷹野 圭

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園内の西口広場は、とても開けた芝生のスペース。ここでは「モリモリボール」という大きなエクササイズボールのような遊具で遊ぶことができます。運動会ではおなじみだった大玉ころがしの要領で、大人も子供も家族全員で楽しめることでしょう。

国営武蔵丘陵森林公園の基本情報

住所:埼玉県比企郡滑川町山田1920
電話番号:0493-57-2111(管理センター)
入園料:一般450円、65歳以上210円、中学生以下は無料
(年間パスポート、団体割引等あり)
アクセス:東武東上線「森林公園駅」より南口行きの直通バスあり。徒歩の場合は約40分

2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/01/14 訪問

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