ピンチをチャンスに変える霊剣を祀る最古の神社・奈良「石上神宮」

ピンチをチャンスに変える霊剣を祀る最古の神社・奈良「石上神宮」

更新日:2018/12/20 14:16

ふるかわ かずみのプロフィール写真 ふるかわ かずみ 神社・パワスパ(温泉)巡りスト
多くの古墳や神話の地として色濃く残る奈良。中でも日本最古の神社の1つとされるのが「石上神宮(いそのかみじんぐう)」です。ここには神話や記紀にも登場する霊剣が祀られており、九死に一生を得たり、ピンチをチャンスに変えたりと、特に勝負強さのご利益の神社としても知られています。

太古にタイムスリップしたようなノスタルジックな空間

太古にタイムスリップしたようなノスタルジックな空間

写真:ふるかわ かずみ

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奈良といえば数々の古墳や遺跡が色濃く残る歴史好きのロマンを駆り立ててくれる町ですが、天理市郊外の「石上神宮」もその1つです。「石上」とかいて「いそのかみ」と読みます。

「古事記」「日本書紀」に記される最古のお社とされており、物部氏の総氏神として崇敬され、創祀は第10代崇神天皇の時代となります。

新緑の時期は緑鮮やかな景観がさぞや美しいと思われますが、紅葉シーズンは赤と緑のコントラストが一層際立ち、その美しい景観に思わず足が止まるほどです。

太古にタイムスリップしたようなノスタルジックな空間

写真:ふるかわ かずみ

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大鳥居をくぐると、まっすぐに伸びる参道とそのまわりの景色がまさに1枚の絵画のような美しさ。
どこかノスタルジックな雰囲気で太古のロマン溢れる世界へいざなってくれるような空間に、ご神域であることを肌で感じることができるでしょう。

特に早朝の参拝では凛とした澄んだ空気と、ちりひとつ落ちていない境内に心洗われる気分になります。

ピンチをチャンスに変える御神剣「韴霊(ふつのみたま)」

ピンチをチャンスに変える御神剣「韴霊(ふつのみたま)」

写真:ふるかわ かずみ

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重要文化財の楼門をくぐると国宝に指定されている拝殿(写真)が出迎えてくれます。
こちらの拝殿は第72代白河天皇が永保元年(1081)に寄進されたもので、拝殿としては現存する日本最古のものであり、国宝に指定されています。

その裏にある本殿も本来はなかったもので、禁足地と呼ばれる瑞垣で囲ったエリアを最も神聖な霊域として祀っていました。

ここから多くの玉類・矛をはじめ、御神体である神剣「韴霊(ふつのみたま)」などのご神宝が出てきたことで、明治43年から大正2年にかけて本殿を建立し祀っています。

起死回生を狙うなら・・

起死回生を狙うなら・・

写真:ふるかわ かずみ

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石上神宮に祀られている神様は以下の3神です。

●布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)
●布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)
●布都斬魂大神(ふつしみたまのおおかみ)

聞きなれず、しかもよく似た名前の神様で違いがよくわかりづらいのですが、一言でいうと「剣」「刀」の霊威を顕現した神様と思っていただけたらいいでしょう。

簡単にそれぞれどういう働きをされたのかご参考までに、、、

●布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)
こちらは神武天皇が大和平定の際に戦いの臨んだとき、壊滅寸前だったときにこの「布都御魂(ふつのみたま)」の刀剣を授かったおかげで起死回生となり、見事勝利したという云われがあります。

●布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)
これは「十種神宝(とくさのかんだから)」と称えられた神宝10種あるうちの1つで、死人をも生きかえらせるというもの。

●布都斬魂大神(ふつしみたまのおおかみ)
神話でも有名なスサノオがヤマタノオロチを退治したときの刀です。ちなみにその際ヘビの体から出てきた剣が三種の神器の1つ、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」となっています。

これらのご神徳にあやかり、起死回生のお守り「御神劔守(ごしんけんおまもり)1000円」が人気となっています。

起死回生を狙うなら・・

写真:ふるかわ かずみ

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石上神宮といえば国宝でもある「七支刀(しちしとう)」がシンボルともいえるでしょう。枝分かれした刀が特徴的ですが、『日本書紀』に神功皇后摂政52年に百済から献上されたとみえる「七枝刀(ななつさやのたち)」にあたると推測されています。

記念に七支刀をデザインを模した御朱印はこれだけでもご利益ありそうですね(通常の御朱印もあり/各300円)

自由奔放な色鮮やかなニワトリたち

自由奔放な色鮮やかなニワトリたち

写真:ふるかわ かずみ

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また見どころの1つがニワトリたち。長鳴鶏(ながなきどり)の一種の東天紅(とうてんこう)をはじめ、烏骨鶏(うこっけい)など色鮮やかで普段見ることのない鶏たちが境内を走り回っています。放し飼いになっているので間近で見ることができます。

神話で有名な天の岩戸開きの中でも、天照大御神が岩屋にお隠れになった際、この長鳴鶏(ながなきどり)を泣かせて岩戸から出そうとしたシーンがあります。

鶏には夜明けを知らせたり、太陽を呼ぶという意味合いもあることから古くから神の使いとしても神社と密接な関係がありますが、ここでも大切にされているのが、この元気なニワトリからみてとれます。

古代の錚々(そうそう)たる神を祀る摂社

古代の錚々(そうそう)たる神を祀る摂社

写真:ふるかわ かずみ

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ところで神話や古事記など見聞きされていたら『造化三神(ぞうかさんしん)』の名前を一度は聞いたことがあるでしょう。

その高天原に最初に誕生した三神のうち、二神の「高皇産霊神(たかみむすびのかみ)」「神皇産霊神(かみむすびのかみ)」が祀られているのがこちらの天神社です。

古代の錚々(そうそう)たる神を祀る摂社

写真:ふるかわ かずみ

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そしてその右隣にズラリと7つの神様が鎮座された摂社の「七座社(ななざしゃ)」があります。

ご神名は割愛しますが、私たち人間の生命(魂)の生成(産霊/ムスビ)に関わったり守護する宮中八神に、 禍(わざわい)や穢(けがれ)を改め直して下さる大直日神を併せて祀られており、御魂鎮め(みたましずめ)といわれる鎮魂祭と深く関わっています。

※鎮魂祭・・通常は宮中で新嘗祭の前日に天皇の鎮魂を行う儀式。

参拝で心身の穢れを払い、健康祈願されてみてくださいね。

石上神宮の基本情報

住所:奈良県天理市布留町384
電話番号:0743-62-0900
アクセス:電車で天理駅で下車。徒歩約30分

2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/11/29 訪問

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