美しい廻廊付きの楼門!ロケ地として有名な滋賀県「油日神社」

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美しい廻廊付きの楼門!ロケ地として有名な滋賀県「油日神社」

美しい廻廊付きの楼門!ロケ地として有名な滋賀県「油日神社」

更新日:2018/12/27 18:21

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

映画やテレビドラマでロケ地となるところは全国にいろいろありますが、しばしば利用されるスポットが滋賀県甲賀市にもあります。油日神社です。この油日神社、ロケ地として単に風光明媚であるだけでなく、平安時代以来の歴史を有する由緒ある神社で、しかも美しい廻廊付きの楼門までそなわっているのです。今回は近年、特にロケ地として注目を集める油日神社の歴史とその魅力をご紹介しましょう。

『わろてんか』などのロケ地となった油日神社

『わろてんか』などのロケ地となった油日神社

写真:乾口 達司

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「油日神社(あぶらひじんじゃ)」は滋賀県甲賀市にある神社。社伝によると、もとは近くにある油日岳を神体山としていましたが、後に現在の地に遷座することになったとのこと。写真の本殿にまつられているおもな祭神は、その名のとおり、「油日大神(あぶらひのおおかみ)」です。しかし、この油日大神の名前は『古事記』や『日本書紀』に現れず、全国津々浦々を探しても、当地だけにしか見られません。したがって、謎の多い神さまといわざるを得ませんが、元慶元年(877)、油日大神に神階が授けられたという記事が『三代実録』に見え、遅くとも平安時代には存在していた、当地きっての古社であることは間違いありません。

近年は映画やテレビドラマのロケ地としてしばしば利用されており、良く知られているところでは、2017年度下半期のNHK朝の連続テレビドラマ『わろてんか』の記念すべき第1回で、主人公のてん(葵わかな)が生涯の伴侶となる藤吉(松坂桃李)とめぐり逢う縁日のシーンが撮影されたりしています。これから紹介していく油日神社の様子をご覧になると、ご自身のご覧になった映画やテレビドラマのなかに思い当たるシーンがあるかも知れませんよ。

『わろてんか』などのロケ地となった油日神社

写真:乾口 達司

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本殿は明応2年(1493)の建立。三間社流造・檜皮葺で国の重要文化財となっています。地元・近江国出身の藤原宗弘によって建てられたとされますが、前面の菱格子が優美な印象を与えています。

油日神社を代表する景観!珍しい伝承をいまに伝える楼門

油日神社を代表する景観!珍しい伝承をいまに伝える楼門

写真:乾口 達司

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油日神社に参拝した方の多くが、ご覧の楼門に「美しい!」という感想を抱くのではないでしょうか。楼門は永禄9年(1566)の建立。入母屋造・檜皮葺で、甲良五良左衛門尉によって建てられたと伝えられています。本殿同様、こちらも国の重要文化財となっています。

油日神社を代表する景観!珍しい伝承をいまに伝える楼門

写真:乾口 達司

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楼門を拝観する際、裏側(本殿側)にしつらえられた「蟇股(かえるまた)」と呼ばれる部材をぜひご覧ください。下側の蟇股に一羽の鳥が刻まれているのが、おわかりいただけるでしょう。こちらの鳥は鳩です。

伝承によると、昔、楼門の完成時にもよおされたお披露目式の折、参拝者の多くが、楼門から一羽の鳩が飛び去る光景を目撃しました。飛び去ったのは、蟇股に刻まれていた鳩。鳩は生きた鳩そのものとなって飛び立ち、境内で豆をついばんでいたのです。鳩はやがて捕獲され、もとの蟇股におさめられますが、その後も何度も逃げ出しては蟇股まで連れ戻されました。そして、いつしか、勝手に飛んでいかないように片方の羽根がもぎとられ、以来、飛び立つことはなくなったといわれています。

この伝承からは、蟇股にほどこされた鳩の彫刻がいかに生き生きと造型されているかがうかがえます。

油日神社を代表する景観!珍しい伝承をいまに伝える楼門

写真:乾口 達司

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もちろん、ほかの箇所の造形も観察しましょう。こちらは正面側にほどこされた彫刻。雲や龍の造形がやはり見事です。

鳥が翼を広げたような!楼門の左右にのびる廻廊

鳥が翼を広げたような!楼門の左右にのびる廻廊

写真:乾口 達司

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楼門の左右には廻廊ものびており、見る角度によっては、鳥が翼を広げたように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。廻廊は楼門とあわせて建立されており、屋根はやはり檜皮葺。楼門から廻廊が取り付いた中世の神社建築は滋賀県内では油日神社のみゆえ、その貴重な建築様式をぜひご堪能ください。

鳥が翼を広げたような!楼門の左右にのびる廻廊

写真:乾口 達司

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こちらは廻廊を内部から撮影したもの。屋根裏には左右をわたす「虹梁(こうりょう)」とその上にあって棟木を支える蟇股がそれぞれしつらえられています。

鳥が翼を広げたような!楼門の左右にのびる廻廊

写真:乾口 達司

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楼門の裏側をのぞくと、ご覧のように、山積みにされた一斗缶も置かれています。良く見ると、すべて食用油の一斗缶ですよね。つまり、これらは食用油関係の業者が奉納したものなのです。さすがは油に由来する神さまをまつった神社ですね。

こちらも見事!三十六歌仙の額を掲げた拝殿

こちらも見事!三十六歌仙の額を掲げた拝殿

写真:乾口 達司

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本殿と楼門とのあいだに建つ拝殿(国の重要文化財)も見逃せません。拝殿は桃山時代の建立とされ、入母屋造の檜皮葺。屋根の張り出し具合がシャープで、絵になりますね。四方にしつらえられた格子戸は反対に優美な印象を与えます。

こちらも見事!三十六歌仙の額を掲げた拝殿

写真:乾口 達司

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内部には三十六歌仙の額が掲げられています。

こちらもあわせて拝観しよう!甲賀歴史民俗資料館やコウヤマキの巨木

こちらもあわせて拝観しよう!甲賀歴史民俗資料館やコウヤマキの巨木

写真:乾口 達司

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境内の一角には「甲賀歴史民俗資料館」も建っています。館内には、当地ゆかりの古文書や生活用具などが多数展示されています。なかでも、白洲正子の『かくれ里』に登場する「福太夫面」と巨大なペニスを持つ「ずずい子」は必見。ただし、館内の拝観には予約が必要。油日神社にお問い合わせください。

こちらもあわせて拝観しよう!甲賀歴史民俗資料館やコウヤマキの巨木

写真:乾口 達司

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本殿の脇にはコウヤマキの巨木がそびえています。樹齢は750年とされ、その大きさには圧倒されます。

こちらもあわせて拝観しよう!甲賀歴史民俗資料館やコウヤマキの巨木

写真:乾口 達司

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ほかにも、左右を石垣に挟まれた参道が絵になります。さすがはロケ地としてしばしば使われるだけのことがありますね。

油日神社がいかにロケ地にふさわしいところであるか、おわかりいただけたでしょうか。油日神社の豊かな歴史にも思いを馳せつつ、その美しい境内の様子をご堪能ください。

油日神社の基本情報

住所:甲賀市甲賀町油日1042
電話番号:0748-88-2106
アクセス:JR油日駅より徒歩約30分

2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/08 訪問

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