台湾の離島「澎湖(ポンフー)」で竜宮城を発見!?

台湾の離島「澎湖(ポンフー)」で竜宮城を発見!?

更新日:2019/01/22 15:12

宮坂 大智のプロフィール写真 宮坂 大智 村おこしNPO法人ECOFF代表理事、日本島嶼学会会員、国際島嶼学会会員、東京農業大学探検部OB
台湾の主要都市から1時間以内で行くことができるリゾートアイランド「澎湖(ポンフー)」。まだまだ日本人には知られていない小さな島ですが、ここには数えきれないほどの必見スポットが隠されています。今回はその中から、まるで龍宮城をイメージさせる地下洞窟がある「大義宮(ダーイーゴン)」をご紹介します。

黄金色にキラキラと輝く霊験あらたかな「大義宮」

黄金色にキラキラと輝く霊験あらたかな「大義宮」

写真:宮坂 大智

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今回ご紹介する「大義宮(ダーイーゴン)」は、澎湖本島エリアの島「西嶼(シーユー)」の「竹湾(ジューワン)」にあります。元々は今から400年ほど前に建立され竹湾を含む周辺4地域で祀っていた「四合宮」が前身であったとされていますが、大義宮だけでも150年以上の歴史があります。このお寺は本島からは離れているのですが、本島の人がわざわざお参りに訪れるほど霊験あらたかなことでも知られています。主神は三国志でおなじみの関羽で、大義宮という名前は生涯にわたり大義を貫いた関羽の伝説にちなんでいます。

狭く入り組んだ路地のなかに突如として現れる大義宮は、金色でピカピカに塗装されています。さらに、入り口を挟んで立つ周倉と關平の姿も圧巻で、200以上もある澎湖の寺院のなかでも特に迫力があります。

黄金色にキラキラと輝く霊験あらたかな「大義宮」

写真:宮坂 大智

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広場の入口には巨大な馬の像がありますが、これは関羽の愛馬である赤兔馬です。実はこの馬の像、夜中に大暴れしたという摩訶不思議な言い伝えがあります。馬の像の横にはたくましい男性がおり手綱を引いていますが、この男性の像は元々はなく、馬が大暴れしたという出来事の後に作られたと言われています。

まばゆいばかりの金に染まった内装、そして不思議な宝物館

まばゆいばかりの金に染まった内装、そして不思議な宝物館

写真:宮坂 大智

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大義宮の中に入ると、外側よりもさらにまばゆく輝いている金色の内装に驚かされます。台湾人は古いものを好まない傾向があることから定期的にお寺のリフォームをしているため、常に美しく保たれているのです。大義宮を有名にした地下洞窟は向かって左側の階段から入ることができますが、はやる気持ちを抑えて、まずは向かって右奥にあるスペースに入ってみましょう。

まばゆいばかりの金に染まった内装、そして不思議な宝物館

写真:宮坂 大智

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薄暗い宝物館に陳列されているものをみると更に驚くこと間違いなし! 台湾にいるはずのないペンギンやアルマジロなどの剥製が並んでいるのです。そして、ガラスケースの下にたくさん置かれている奇妙な物体はなんと鯨の骨。他にも目をうばう品々がたくさん並べられています。そう、ここには古今東西から集められた珍品が収蔵されているのです。神様は珍しいものを見ると喜んでくださると信じられていることから、多種多様な珍品が奉納されているのです。

地下に広がる極彩色の竜宮城

地下に広がる極彩色の竜宮城

写真:宮坂 大智

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それでは、この大義宮の最大の見どころである地下洞窟をご紹介しましょう。お寺に入って左手にある地下に続く階段を下ると、そこには本物のサンゴ石で覆われた空間が広がっています。中は3つに区切られているので、まずは右奥の空間に行ってみましょう。するとそこには池があり、なんと中には2頭のウミガメが! こちらで飼育されているウミガメはタイマイという品種で、べっ甲の原料として使われていた品種です。

地下に広がる極彩色の竜宮城

写真:宮坂 大智

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通路を引き返して今度は真ん中の空間に行ってみましょう。こちらの空間は地下洞窟の中でもっとも広く、5頭のアオウミガメと1頭のアカウミガメが泳いでいます。洞窟内はカラフルに彩色されたサンゴ石で装飾されており、まるでこの世のものとは思えない幻想的な光景を作り出しています。四方の壁にはいくつかの小部屋があり、その中には澎湖(ポンフー)のランドマークや海の世界を表現した世界が広がっています。また、ウミガメの泳いでいる池の反対側には巨大な木の枝のようなものが展示されていますが、これはクジラの骨です。

地下に広がる極彩色の竜宮城

写真:宮坂 大智

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ウミガメはワシントン条約によって取引が禁じられていますが、ここ大義宮でウミガメの飼育が開始されたのは1979年頃のこと。当時はまだ野生動物保護の概念が薄く、台湾でワシントン条約に準ずる取り決めがなされるよりも早かったことから、誤って網に引っかかってしまったウミガメが次々に大義宮で保護されたのが始まりです。そのため、水族館以外の施設では台湾で唯一の合法的なウミガメの飼育場所となっているのです。

日本では天然記念物になっている生きた化石まで!?

日本では天然記念物になっている生きた化石まで!?

写真:宮坂 大智

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さて、ウミガメに驚いているのもつかの間、地下洞窟には3つ目の空間が残されています。中央の空間から一度廊下にもどって更に奥に進むとそこには小さな池が。ここには一体どのような生物がいるのでしょうか? もしかしたら池の中には何も見当たらないかもしれませんが、よーく見てみてください。もし、それでも何も見つからなかった場合は、池の陰になっている部分を見てみましょう。見つかりましたか? そうです、ここには日本では天然記念物に指定されており、生きている化石とも呼ばれるカブトガニが飼育されているのです。

今では昔ほどの数はいなくなってしまいましたが、澎湖(ポンフー)近海にはカブトガニがたくさん生息しており、海岸を歩いているとまれにカブトガニの抜け殻を見つけることもあります。台湾ではカブトガニにはちょっと変わった別名があります。それは「夫婦魚」という呼び方。海でカブトガニを発見したときは往々にして、番(つがい)でいることが多いことから、夫婦の魚と呼ばれているんですね。

おまけ:ウミガメと写真を撮って浦島太郎気分!?

おまけ:ウミガメと写真を撮って浦島太郎気分!?

写真:宮坂 大智

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まるで竜宮城をイメージさせる大義宮は、澎湖(ポンフー)にやってきたらぜひ見ておきたいお寺の1つです。でも、「ウミガメを眺めるだけでは満足できない!」「もっと近くで見てみたい!」という方にオススメのスポットがあります。それがこちら、「竹湾社区活動中心」の中庭にある本物そっくりのウミガメ像です。お母さんウミガメの横にはよちよち歩きの赤ちゃんウミガメの姿も。このウミガメといっしょに写真を撮ればまるで浦島太郎になった気分を味わえますよ。

おまけ:ウミガメと写真を撮って浦島太郎気分!?

写真:宮坂 大智

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台湾の離島「澎湖(ポンフー)」にある竜宮城のようなお寺は、いかがだったでしょうか? 

なお、今回ご紹介したウミガメは、陽の光が当たらない池で飼育されていることから、台湾の動物保護団体によって救済するための活動が2007年からなされています。一方で、お寺側は専門家の意見に基づきウミガメの健康面に十分配慮した飼育をしているため問題ないと主張しています。

どちらが正しいのかを考えるのは訪れる方次第ですが、澎湖は台湾でも数少ないウミガメの産卵地がある島です。これを機にウミガメのことや、自然環境についても思いをめぐらせていただければ幸いです。

大義宮の基本情報

住所:澎湖縣 西嶼郷 竹灣村76號
電話番号:+886-6-998-1154
アクセス:
車またはバイク・馬公市街地から県道203を「西嶼」方面に進み、ピーナッツの形をしたキャラクターの置物がある交差点を左折。坂を下り切って右側。車で約40分。
バス・「馬公總站」などから外安(土偏に安)線に乗車し、「竹灣大義宮站」で下車すぐ。約40分

2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/01/05 訪問

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