1両ワンマンカーで運行する長良川鉄道が便利な関善光寺、正式名称は妙佑山宗休寺です。関駅から徒歩3分、一つ南の刃物会館駅からも徒歩10分です。刃物会館駅で下車し、関鍛冶伝承館、刃物会館、フェザーミュージアムなどを見学後、徒歩で関善光寺まで散策もおススメです。列車本数が少ないので、時刻表を確認して見学予定を組むといいですよ。
大通りから一本北の関善光寺に沿った小径は寺町。玉石垣を眺めながら静かな佇まいを楽しみましょう。小径沿いに、香積寺、広福寺、弁慶庵と続き、善光寺前にも立蔵寺や千手院が建っています。千手院は、関の刀匠が一年に一日だけ休むと言われる「ふいご祭り」が行われるお寺です。
関善光寺正面では、安桜山の麓に建つ関善光寺本堂の壮大な伽藍が目に入ります。石垣の上に建つ関善光寺はまるで城塞のようなどっしりとした趣です。
ラグビー選手のポーズが似ていたことで、あまりに有名になった宝冠大日如来坐像。悟りを開いて煩悩を持たない如来は装飾具を付けませんが、大日如来は別です。関善光寺の大日如来は宝冠をいただき、イヤリングを付けています。又、通常は質素な着衣ですが、肩から袖にかけてゴージャスな紋様を見ることが出来ます。輝くオーラと華やかさが漂うのはこうした装飾のためです。金銅造り(銅製に金箔)でとても丸みのあるなめらかな曲線をもった優美なお顔です。
大日如来像は千十三体の仏像が浮刻された大蓮台上で最高の座法とされる結跏趺坐(けっかふざ:左右の足裏が上向き)です。その表情は正にアルカイックスマイル。煩悩のない安寧が伝わって来ます。大日如来は左手人差し指を立て、それを右手で包む忍者のような智拳印の印形が多くみられますが、関善光寺の宝冠大日如来坐像は「五郎丸ポーズ」に似てとても珍しいものです。約1,200年前の唐時代に鋳造された名作です。
宝冠大日如来は正面階段を上り、水屋のすぐ後方、大日堂におさめられています。本堂に向かう前にお立ち寄りください。2人位で同時にお参りできます。金剛界、胎蔵界両界に通じる霊験あらたかな仏様です。
関善光寺(妙佑山宗休寺)は、伝教大師最澄が開祖の天台宗の古刹。武田信玄の家臣だった広瀬利広が関に落ち延びた事に由来します。その子孫の広瀬新太郎忠利が艱難辛苦の結果、本山を起こした際に、祖父と祖母の戒名からとって名付けられたのが、妙佑山宗休寺です。本堂は18世紀末に10ヶ年かけて建てられたものです。
ご本尊は、善光寺如来。7年に一度御開帳されます。
善光寺堂(本堂)から大仏殿への渡り廊下の角に「おびんずるさん(なで仏)」。お釈迦様の高弟の十六羅漢の一人で病気を治す超能力を持っていると云われています。その後方に見える龍頭稲荷大明神は、京都伏見稲荷から勧請された、商売繁盛、福徳円満のご利益が期待できる関善光寺の守護神です。
広瀬新太郎忠利が、祖父母の供養のために1753年建立したのが大仏殿。中には丈六(お立ちになれば高さ4.85m)の阿弥陀如来大仏が両脇士像を従えて仏壇に座しています。座しているのでその高さは2.43m。木像仏で約500年前に作られました。靴を脱げば大仏殿内部に上がることが出来、阿弥陀如来像の周りを一周できます。
大仏殿、行者堂、弘法堂から山上弘法堂へ向かうとすぐに絶景が広がります。
関市を見渡す視界がさらに開け、大梵鐘があります。重さ約3トンの梵鐘は岐阜県下最大、明時代の大明嘉靖庚子歳(1540年)鋳造の浮刻があるお宝梵鐘です。ご志納して鐘をつけば、関市内一帯に響き渡ります。
石灯籠を越え、山上弘法堂の手前に西国三十三観音のご分身の仏様が並んでいます。石仏は西国三十三ヶ所の土の上に建てられており、それぞれお参りすれば霊場巡りと同じご利益があると云われていますよ。西国三十三観音の写真右手に、四国八十八ヶ所のご分身巡りができる野趣溢れる散策路があります。こちらもご分身の石仏は四国八十八ヶ所の土の上。一体一体お参りすれば四国八十八ヶ所巡りと同様のご利益が期待できるそうです。
山上弘法堂から1〜2分、大仏殿の高さからはわずか5〜6分で宗休寺と関市を見渡す見晴らし台に到着できます。それほど急な階段ではありませんので、関の絶景を眺めてみてはいかがでしょう。
宗休寺上の見晴らし台から関市に向かい左手に標高152mの安桜山山頂が見えます。展望台も出来たので、時間に余裕がある方はもう少し散策を続ければ、更なる絶景が楽しめますよ!
住所:岐阜県関市西日吉町35
電話番号:0575-22-2159
アクセス:長良川鉄道関駅から南東へ約200m、徒歩3分
2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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