写真:Mayumi Kawai
地図を見る秩父といえば、荒川支流と秩父盆地を山々に囲まれた自然豊かなさいたまの奥座敷。春には羊山公園の芝桜、夏には新緑の長瀞川下り、秋には秩父山岳、そして紅葉に冬は奥秩父の「三十槌の氷柱(みそつちのつらら)」など四季折々の絶景が詰まったエリアです。
そんな秩父エリアで今、熱い視線を注がれているのが東秩父村にある定峰(さだみね)峠です。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る定峰峠といえば、車好きの走り屋さんなら誰もが一度は憧れる漫画「頭文字D(イニシャルD)」の聖地。急なカーブが多い峠道ながらも勾配が少なく比較的走りやすいとして、車だけでなく多くのバイカーやサイクリストからも支持される秩父きっての名物峠です。
そうした一部のファンの間で有名だった定峰峠が今注目されている理由は、この塀の苔にあります。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る塀を埋め尽くす緑の苔。それをキャンバスに見立てて描かれているのは、あの人気キャラクター・トトロをはじめとするジブリキャラクターの面々!ジブリといえば苔、そこにこのクオリティの高さが相まって、まさにジブリワールドです。
作者未詳の謎の苔アート。昔から一部のバイカーや走り屋の間ではひそかに話題になっていましたが、一説によると1〜2年前から現れ、徐々にキャラクターが増えていったとか。そして2018年年末、あるSNSユーザーのつぶやきが爆発的に拡散され、そこに追い打ちをかけるように大手民放の朝の情報番組が取りあげたことで一気に知名度が高まりました。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るそれではさっそく描かれた作品の中からいくつかを見てみましょう。
これは、言わずと知れた「となりのトトロ」のトトロ。サツキとメイがバス停でお父さんを待っているシーンでしょうか。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらは「天空の城ラピュタ」のロボット兵。天空の庭園で一人残された園丁ロボットでしょうか。足元の花が哀愁をそそります。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらは「千と千尋の神隠し」の八百万の神様。左はヒヨコの神様のオオトリ様と春日大社の神・春日様。右はカオナシですね。
この他にも、「魔女の宅急便」のキキとジジ、「もののけ姫」のシシ神とこだま、小トトロやまっくろくろすけなどが随所に描かれています。クオリティの高さに驚きますね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る生い茂る苔をキャンバスに見立てて描かれた苔アート。大きいものでは高さ約2m、横幅約3mにもなる大作もあります。
ストリート苔アートで思い出されるのは、2017年に話題になった鹿児島市小山田町の古園集落で生まれた「明治維新偉人ロード」。一人の看板職人が自宅の苔むした塀を使って西郷隆盛や坂本龍馬などの幕末・明治維新の偉人たちを描き上げた傑作です。看板職人という職業柄、下書きなしの一発勝負が可能だったとのことですが、この作者もジブリの知識に精通した絵心のある方なのかも知れませんね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る塀にはびこる苔は見た目より硬く、根がしっかり張っています。塀を傷つけることなくこれを削り取るのは素人目には難しい作業。仕事の丁寧さ、根気強さが感じられますね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る鹿児島の明治維新偉人ロードの場合、先の太さの違う3、4種類の金ブラシを使い分け、輪郭から苔の濃淡まで表現しています。ジブリ苔アートで使用された道具は不明ですが、苔という素材を使いこなす手先の器用さとデッサン力の高さは間違いないですね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るジブリ苔アートの間に挟まれたカーブに位置するのが「定峰峠の鬼うどん」。昭和レトロの懐かしい佇まいにフレンドリーでお話好きな店主夫妻が経営する同店は、かの「頭文字D」にも登場したお店。そして、そのうどんの美味しさに魅了された客が遠路はるばるリピートするほどの名店なのです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらは来店客のほぼ9割がオーダーするという名物「きんぴら辛味うどん」。ピリ辛のきんぴらに薬味の乗った大根おろしがシンプルにトッピング、麺は細麺でコシがあり、ダシが効いた風味豊かな醤油ベースの甘めのスープで、冷たいのと温かいのが選べます。食べて納得、やみつきになる美味しさです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る2004年に同店が登場した単行本が発刊されて以来、作者しげの秀一氏をはじめ多くのファンらが集い、オフ会やイベントが毎年のように開催され、お店の一角には来店客を撮り収めたアルバムが置かれています。多くの人から長年愛され支えられているのがよく分かりますね。
<定峰峠の鬼うどんの基本情報>
住所:埼玉県秩父郡東秩父村白石333
電話:0493-82-1304
営業時間:11時〜16時(売切れ次第閉店)
定休日:火曜日と水曜日
写真:Mayumi Kawai
地図を見る定峰峠は埼玉県道11号線上に位置します。前述のとおり、峠道は狭く急カーブも多く、時に一車線になることも。安全運転で歩行者にも十分注意しましょう。また、苔アートの付近は駐車スペースが無いため、鬼うどんのあるドライブインにて車を駐め徒歩で向かいましょう。そこからはほんの数分です。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るバス利用の場合は、東武東上線小川町駅あるいは寄居駅よりイーグルバスにて終点「白石車庫」まで乗車します。白石車庫からは橋を渡り、道沿いに歩けば400mほどで1つ目のキキ&ジジに、そこからさらに約500mに渡ってジブリキャラクターが点在しています。歩行の際は車やバイクの往来にはくれぐれも注意しましょう。また撮影時に道の真ん中で立ち止まるような危険行為は控えましょうね。
新たな秩父の観光スポットとして注目される定峰峠のジブリ苔アート。しかし、注目されるようになってから心無い落書きも目立つようになり、いつまで今の姿を維持できるか分かりません。ぜひ、お早めにあのジブリの世界感を楽しんでみてはいかがですか?
住所:埼玉県秩父郡東秩父村白石 県道11号線 定峰峠
電話番号:0493-82-1223(東秩父村役場産業建設課地域振興・商工観光担当直通)
アクセス:車の場合、関越自動車道「嵐山小川IC」より約40分、「花園IC」より約30分(カーナビは「手打ち定峰峠の鬼うどん」)。バスの場合、東武東上線小川町駅、あるいは東武東上線とJR八高線寄居駅からイーグルバスにのり終点「白石車庫」まで乗車。所要30分前後。
2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/12更新)
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