写真:M Maririn
地図を見る古事記や日本書紀にその存在が記されているほどの長い歴史を持つ出雲大社。御祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。いなばの白うさぎを助けたお話がよく知られていますね。
大国主大神は人々に農業や漁業、殖産や医療などの知恵を授け、国土を開拓し「国造り」の大業をなされた偉大な神様。大己貴命(おおなむちのみこと)や八千矛神(やちほこのかみ)などいくつもの名前を持っていますが、これは御神徳の広さを示すものです。
約18万平方メートルもの広い境内に足を踏み入れると、清々しさと壮大な歴史の重みを感じられます。
写真:M Maririn
地図を見るお参りの始まりは江戸時代に作られた広場「勢溜」にある二の鳥居。鳥居の先に続く全国的にも珍しい下り参道の途中にあるのが祓社(はらえのやしろ)です。ここに祀られているのは祓戸四神といい私たちの穢れを祓い清めてくださる神様なので、忘れずにお参りしましょう。
出雲大社は二礼四拍手一礼が正式な作法。ここでは四拍手の後に心の中で「祓い給え、清め給え」と三回唱えたのちに一礼します。祓社は下り参道のほかに出雲大社駐車場のそばにもありますので、車や観光バス利用の方は勢溜まで行かなくてもそちらでお参りすることができます。(写真は駐車場側の祓社)
写真:M Maririn
地図を見る下り参道から素鵞(そが)川にかかる祓橋(はらえのはし)を渡ると三の鳥居があり、その先に続くのが美しい松の参道です。この松は約400年前に松江藩主の堀尾氏から寄進されたもの。参道は3つに区切られていますが、中央の道は正中(せいちゅう)といって神様の通り道とされているので、私たちは参道の左右の道を歩くようにしましょう。
松の参道を抜けると手水舎があります。手水舎で手と口を清めたらいよいよご祭神にお参りです。
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地図を見る神域を囲む荒垣(あらがき)の入り口にたつのは四の鳥居である銅鳥居。この鳥居は寛文6年(1666年)に長州藩主毛利綱広が寄進したもので、銅製の鳥居としては日本最古のもので重要文化財に指定されています。
興味深いのはこの鳥居には「素戔嗚尊は出雲の大社の神なり」の文が刻まれていること。このことから鳥居が寄進された戦国時代は素戔嗚尊が祀られていたのではないかと考えられています。
写真:M Maririn
地図を見る荒垣の中には拝殿と瑞垣(みずがき)に囲まれた本殿がありますが、まず拝殿で大国主大神に最初のお参りをしましょう。出雲大社の正式な参拝の作法の二礼四拍手一礼でご挨拶を。ここでは自分の名前や神様へ感謝の気持ちをお伝えしましょう。
写真:M Maririn
地図を見る拝殿の参拝がすんだら、いよいよご祭神が鎮座する本殿に進みます。高さ約24メートルの壮大な御本殿は「大社造り」と呼ばれる日本古来の神社建築様式を伝えるもの。御本殿を囲む瑞垣の中には入れませんが、御本殿正面の八足門(やつあしもん)の前で参拝し、ここではじっくりとよいご縁を願いましょう。
大国主大神は国造りを終えると、天照大御神へ国を譲られました。これをたいそう喜んだ天照大御神から贈られた壮大なる宮殿が出雲大社なのです。大国主大神はここに鎮座し目に見えない世界を司られ、人々のあらゆるご縁を結んでくださる縁結びの神様として信仰を集めているのです。
八足門前の足元にある赤い丸にもご注目ください。これは平成12年に発掘された古代御本殿の柱の後。出雲大社の宮司家に伝わる「出雲大社は3本の大木を鉄輪で束ねて1本の柱とし、高さ16丈(約48メートル)の本殿であった」の裏付けになる遺構が見つかり大きな話題となりました。発掘された柱は拝殿の東側にある「宝物殿」で見ることができます。
写真:M Maririn
地図を見る御本殿参拝の後は瑞垣の周りを八足門から時計と反対まわりに進みましょう。まず目にはいるのが細長い社に19の扉が付く重要文化財の十九社(じゅうくしゃ)です。ここは旧暦の10月に行われる神在祭に全国から出雲に来た神様達の宿所、いわば神様のホテル。十九社は御本殿の東西両側にあり、普段は全国の八百萬神(やおよろずのかみ)の遥拝所です。十九社を過ぎると順に釜社・素鵞社・南北二宇の氏社があります。
写真:M Maririn
地図を見る御本殿のある瑞垣内にも4つの摂社があります。瑞垣内は一般の立ち入りはできませんが、摂社のある場所には瑞垣を隔てて摂社の名前とご祭神や由緒の書いてある看板がありますのでそこからご挨拶をしてもよいですね。
写真:M Maririn
地図を見る御本殿の西側に来ると小さな賽銭箱の置かれた場所があります。実は本殿の中の御神体は御本殿と同じ南向きではなくなぜか西を向いているので、ここでご神体の正面に向かって参拝することができるのです。大国主大神のお姿を思い浮かべながらお参りしましょう。
写真:M Maririn
地図を見る御本殿の北側、聖なる山の八雲山を背にして本殿を見守るかのように立つのが「素鵞社(そがのやしろ)」です。天照大御神の弟神で大国主大神の親神であり、八岐の大蛇退治で知られる素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。この社の真裏にある巨大な岩は、手をかざすと温かさや気を感じる人もいるという隠れたパワースポットです。
写真:M Maririn
地図を見る素鵞社の床縁下の木箱には、持って帰ってお守りにしたり、家の周りに撒くと神様のご加護をいただけると言われている「御砂」があります。この御砂をいただくにはまず出雲大社の西にある稲佐の浜の砂を採ってきましょう。素鵞社にお参りしてからその砂を床縁下の木箱に納め、同量の御砂をいただきます。
写真:M Maririn
地図を見る素鵞の社側からは正面よりも御本殿をより近くに見られます。国造りに励んだ大国主大神のおおらかな温かさを感じられるようなこの一角では兎達の像が御本殿を慕うかのように見上げています。これは大国主大神と縁の深い因幡の白うさぎにちなんだもの。様々な姿のうさぎたちが境内に置かれているので探してみてくださいね。
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地図を見る御本殿を囲む瑞垣を一回りした最後にあるのが神楽殿です。ここにかかる巨大なしめ縄は長さ約13.6m、重さ約5.2t!この注連縄は丈が長く柔らかな赤穂餅の稲わらを使って島根県飯南町で作られたもの。出雲大社のしめ縄は一般的な神社とは張り方が逆に作られています。
御朱印やお守りは境内のお守り所のほかにこちらの神楽殿でいただくことができますよ。
写真:M Maririn
地図を見る神楽殿前の国旗掲揚塔は高さが47mと日本一で、ここに掲げられる国旗は畳75畳分の大きさ!
松の参道の終点には大国主大神の神話の名場面をあらわした大きな像があります。
写真:M Maririn
地図を見るそれでは最後に、参拝で気を付けるとよいことをお伝えしますね。正しい参拝でよいご縁をお願いいたしましょう!
鳥居は神域に入る門なのでくぐるときは一礼を。
手水の作法は
・右手で柄杓を取って水を汲み左手にかけて左手を清めます。
・柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
・再度柄杓を右手に持ち替えて左手に水を受けて口に含み軽くすすぎます。
・最後に柄杓を立てて残った水で柄を清めたら元の位置に伏せて戻します。
口をすすぐ時に直接口をつけないようご注意を。
お賽銭は投げ入れずに静かに手を伸ばして入れましょう。
拝礼の作法は
・背筋を伸ばして90度ほど腰を折って礼をします。
・両手を胸の高さで合わせた後に右手を少し下に引き手を打ちます。
・胸の前で両手をきちんと合わせてお祈りしたら手を下ろし一礼します。
出雲大社は二礼四拍手一礼(一般的な神社は二礼二拍手一礼)です。もちろん脱帽ですよ。
お賽銭や御朱印用の小銭を多めに用意しておくと便利です。
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
電話番号:0853-53-3100
アクセス:
一畑電鉄出雲大社前駅から徒歩約10分
JR出雲市駅より一畑バス「出雲大社」か「出雲大社・日御碕」行きバス。「出雲大社」バス停下車、徒歩約1分
出雲空港から出雲大社までの直通バスあり
車は山陰道出雲ICより国道431号線を出雲大社方面へ
2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:島根県
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(2024/3/19更新)
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