「なごり雪」が流れる駅。大分・津久見駅は、あの歌の原点

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「なごり雪」が流れる駅。大分・津久見駅は、あの歌の原点

「なごり雪」が流れる駅。大分・津久見駅は、あの歌の原点

更新日:2019/01/23 16:36

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、東海道完歩ブロガー、青春18きっぷ伝道師

「なごり雪」はフォークシンガーのイルカさんが唄った名曲として有名ですが、この曲を作ったのは「かぐや姫」のメンバーだった伊勢正三さん。大分・津久見の出身だった伊勢正三さんがこの「なごり雪」のモチーフとした駅は、実は郷里の津久見駅でした。
そのため現在、津久見駅のホームでは「なごり雪」の美しいメロディを聴くことができます。

今回はその「なごり雪」にちなんで津久見駅とその周辺の魅力をご案内します。

津久見駅は「なごり雪」で君と僕とが汽車を待っていた駅?

津久見駅は「なごり雪」で君と僕とが汽車を待っていた駅?

写真:風祭 哲哉

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大分から特急で約40分、左手に豊後水道を眺めながらいくつものトンネルを抜け、狭い平野に出ると列車は津久見駅に到着します。

近くには石灰岩を産出する山があり、津久見湾の良港に面しているためセメント工業が盛んで、海沿いには大規模な工場のプラントが並んでいますが、津久見は静かで小さな町です。
かつて甲子園で津久見高校が活躍していたのを知る高校野球ファンはその名前を聞いたことがあるかもしれませんが、それ以外は全国的にあまり名前の知られた町ではありません。

津久見駅は「なごり雪」で君と僕とが汽車を待っていた駅?

写真:風祭 哲哉

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特産のミカンを模したベンチが、ホームでのんびりと日向ぼっこをしているかのようなこの穏やかな駅が、名曲「なごり雪」のモチーフとなった駅である、ということを知る人も数少ないことでしょう。

「東京」で見る雪は最後、との歌われていた「なごり雪」の駅ですが、この曲を作った伊勢正三さんは後日、故郷のこの津久見駅があの歌の原点だった、と話しています。

津久見駅は「なごり雪」で君と僕とが汽車を待っていた駅?

写真:風祭 哲哉

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駅の跨線橋から大分方面を眺めると、ホームは大きく弧を描き、すぐ先のトンネルに向かって線路が名残惜しそうにカーブしていく様子がうかがえます。確かに、当時すでに「汽車」は走っていなかった東京には、これほど「なごり雪」が似合う場所はなかっただろうな、と思えてきます。

そう、春が来てどこかに旅立っていってしまう君と、時計ばかりを気にしていた僕が立っていたのは、この津久見の大きくカーブした長いホームのどこかだったのでしょう。そして彼女が去ってしまったあともホームに残り、落ちては溶ける雪の向こうに列車が消えるまで、僕が立ちつくしていたのもこの場所だった、という方がしっくりくるような気がします。

津久見駅の「なごり雪」記念碑と、ホームでの発着メロディ

津久見駅の「なごり雪」記念碑と、ホームでの発着メロディ

写真:風祭 哲哉

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そんな由縁もあって、津久見駅のホームでは2009年から列車の到着前に「なごり雪」のメロディが流れるようになりました。当初は特急列車の到着に合わせて流されていましたが、現在は日中、駅係員が滞在中であれば特急以外でも列車が接近する前に流されています。

また2010年には駅の1階玄関ホールに「なごり雪」の記念碑が建てられ、伊勢正三さんのメッセージと、歌詞の一部が刻まれています。

津久見駅の「なごり雪」記念碑と、ホームでの発着メロディ

写真:風祭 哲哉

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このホームでのメロディと記念碑は、当時の駅長が津久見をもっと知ってもらうため尽力した末に実現したものですが、そのおかげで、津久見駅が「なごり雪」の原点であったことを知ったファンが次第にこの駅を訪れるようになりました。

ホームでの「なごり雪」のメロディは、伊勢夫妻がこのためにアレンジしたピアノ曲で、記念碑は津久見の主要産業であるセメントの原料、石灰岩に赤ミカゲ石のプレートをはめこんで作られています。

それでは列車到着前にホームに流れるメロディと、旅情あふれるこの津久見駅の様子を動画でご覧ください。

動画:風祭 哲哉

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臼杵で映画「なごり雪」のロケ地めぐりも

臼杵で映画「なごり雪」のロケ地めぐりも

写真:風祭 哲哉

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2002年、伊勢正三さんのこの曲をモチーフにして、大林宣彦監督による映画「なごり雪」が公開されました。この映画の舞台は津久見の隣にある臼杵で、映画に登場する場所も臼杵が中心ですが、ロケ地めぐり専用のパンフレットもありますので、少し足を延ばしてこちらを観光するのもおすすめです。

映画の中で「臼杵駅」の外観として登場していたのは「上臼杵駅」。ホームのシーンは同じ日豊本線の「重岡駅」が使われました。重岡駅は津久見駅よりもずっと寂しい山の中の無人駅ですが、列車に乗って旅立っていくシーンはここで撮られています。

大林監督は制作にあたって伊勢正三さんと意気投合し、その後も伊勢さんのヒット曲「22才の別れ」をモチーフとした作品を作り、こちらは津久見市の日豊本線日代駅もロケ地となっています。

臼杵で映画「なごり雪」のロケ地めぐりも

提供元:ツーリズムおおいた

https://www.visit-oita.jp/

尾道三部作で知られる大林監督ですが、後年は臼杵の町に惚れ込んで、ここを舞台に精力的に作品を制作しています。

城下町臼杵の象徴である二王座歴史の道や古い町並みはもちろんのこと、毎年11月に臼杵の町並みが竹ぼんぼりで幻想的に浮かびあがる「うすき竹宵」など、映画「なごり雪」では情緒あふれる臼杵の魅力を存分に味わうことができます。

こうしたイベント時期に合わせて津久見駅を訪れて、「なごり雪」つながりで臼杵を巡るのもいいかもしれませんね。

津久見にも魅力的な観光スポットが

津久見にも魅力的な観光スポットが

提供元:ツーリズムおおいた

https://www.visit-oita.jp/

もちろん津久見にも魅力的な観光スポットがあります。
大分市にある人気の水族館、うみたまごと津久見市がコラボレーションした、うみたま体験パーク「つくみイルカ島」。ここは自然の海に暮らすたくさんのイルカと人間との「ふれあい・癒し」をテーマにした体験型施設です。

<うみたま体験パーク つくみイルカ島の基本情報>
住所:大分県津久見市大字四浦2218-10
電話番号:0972-85-3020
アクセス:津久見駅から車で約15分、津久見ICから約20分

津久見にも魅力的な観光スポットが

提供元:ツーリズムおおいた

https://www.visit-oita.jp/

津久見港からフェリーで約25分、豊後水道に浮かぶ保戸島は、マグロ漁業で賑わう小さな島。島には平地が少ないため、急斜面に3階建て、4階建ての住宅がひしめきあい、まるで地中海の町のような独特の景観が特徴で、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれています。

また保戸島では島の漁師が漁の合間に手軽に食べられるように考え出した「ひゅうが丼」が味わえます。まぐろの赤身を特製のゴマだれと和え、アツアツのご飯にのせたこの保戸島流マグロ丼は、おおいたグルメグランプリで2年連続で金賞を受賞しています。

津久見駅で聴く「なごり雪」で、あなただけの物語を描こう!

列車を待ちながら津久見駅のホームに立ち、流れてくる「なごり雪」のメロディを聴いていると、この歌は別れをテーマにした悲しいだけの歌じゃないのかもしれない、と思えてきます。

春が来てびっくりするほどきれいになった「君」を乗せた列車が、トンネルの向こうの新しい世界へと消えてゆくのをこのホームから見ていた「僕」は、いつの日かまたどこかで会えることを信じて、「勇気」という希望を手に入れたんじゃないか、と。

そんな妄想をさせてくれる津久見駅での「なごり雪」。
さあ、あなたはここでどんな物語を描きますか?

2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/01/01 訪問

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