写真:鶴長 あき
地図を見る台湾東部にあるタロコ渓谷への入り口として多くの観光客で賑わう花蓮市。市街中心部から車で約10分、小高い丘の上にひっそりと建つ洋風の建物が「松園別館」です。
その名の通り沢山の松の木に囲まれた姿は、台湾ではあまり見ない風景。それもそのはず、この「松園別館」は日本統治時代の昭和18年に日本軍によって建てられ兵事部のオフィスとして使用されていた場所なのです。
写真:鶴長 あき
地図を見る日本軍の軍事施設の一つとして建築されたこちらの建物は、RC造りにレンガや木なども合わせた堅牢な造り。質素な中にも洋風の美しいアーチ形の外廊下や蔦の絡まった壁の様子、和風の瓦屋根など、見所が多くあります。
写真:鶴長 あき
地図を見るコンクリート造りの本館も二階に上がると木造の梁を使った日本の建築様式を見ることができます。現在二階はイベントスペースとして使用されており、のちの改修時に作られた天窓から光がさす気持ちのいい空間になっています。
写真:鶴長 あき
地図を見る松園別館がどのように使用されていたかは、台湾における日本軍の兵隊募集の場であった、また高級将校の休憩所であったなどと言い伝えられています。第二次大戦後は国民党によって接収され、その後アメリカ軍の将校団のレジャー施設として使用されていました。
その後古くなった建物は改修され、一般に公開されています。写真は裏手にある「小木屋」。園内唯一の木造建築で、かつては士官の集会所として使用されており神棚などが設置されていたようです。
写真:鶴長 あき
地図を見る「松園別館」の敷地内、建物を囲むようにぐるりと植えられた松の木はリュウキュウマツと呼ばれる品種で、沖縄方面から移植されたもの。元軍事施設という事で目隠しの意味もあったのでしょうが、今では松の香りと穏やかな木陰がこの場所をより心地よいものにしてくれています。
写真:鶴長 あき
地図を見る船舶や近くの空港の動きなども監視できる軍事上の要所でもある小高い丘の上、「松園別館」の場所からは花蓮の海も一望!晴れた日には特におすすめのオーシャンビュースポットです。
写真:鶴長 あき
地図を見る現在の「松園別館」は県の「歴史的風景特区」として認定され、整備・管理が行われています。入園には一人50元の料金を入口で支払います(2019年1月現在)。園内の主要な場所には説明書きのプレートが設けられ、中国語だけでなく英語・日本語でも書いてあり、嬉しいですね!
写真:鶴長 あき
地図を見るまた、音声ガイドも100元でレンタルすることができます。こちらも中・英・日の言語に対応しているので、ゆっくり説明文も聞いてみたいという方におすすめです。
写真:鶴長 あき
地図を見る園内は広くはありませんが、軽食のお店や、お土産物のお店などもあり、観光の合間にゆったりと過ごすこともできます。
写真:鶴長 あき
地図を見るいかがでしたか。今回は台湾東部・花蓮市にある「松園別館」をご紹介いたしました。花蓮市街からも近く、敷地自体も広くないので、ゆっくり見ても2時間くらいの気軽に寄れる歴史スポットです。休園日は基本的には毎月の第二火曜日ですが、訪問前に公式HPでご確認をお願いいたします。松や海の景観も美しい場所ですので、ぜひ訪れていただければと思います!
住所:花蓮市松園街65號
電話番号:+886-38-356-510
アクセス:花蓮市街中心部よりタクシーなどで約10分
2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
鶴長 あき
鶴長あきです。現在、台湾に在住のライターです。自然が大好きな台湾人の夫は、自転車で台湾一周もしている旅好き。私は、台湾のおいしい食べ物やスイーツが大好きで、夫婦と子供で、色々なところに出かけています。…
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