隠れ里に響く唐臼の音に癒される 大分日田市「小鹿田焼の里」

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隠れ里に響く唐臼の音に癒される 大分日田市「小鹿田焼の里」

隠れ里に響く唐臼の音に癒される 大分日田市「小鹿田焼の里」

更新日:2019/02/07 17:04

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門

大分県日田市の北部、高塚山の麓にある「小鹿田焼の里(おんたやきのさと)」は1705年に開窯されました。谷川の水を利用して動く唐臼(からうす)が土を砕く音が里に響き渡り「日本の音風景100選」に選ばれています。小鹿田と書いて「おんた」と読むのも唐臼同様になんとも美しい響きです。小鹿田焼は伝統的な技法が継承されていることで重要文化財に、そして里山の風景そのものも重要文化的景観に選定されています。

小鹿田焼の手法や作品を知る「小鹿田焼陶芸館」

小鹿田焼の手法や作品を知る「小鹿田焼陶芸館」

写真:肥後 球磨門

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大分県日田市内から車でおよそ30分。高塚山のふもとに1705年に開窯された小鹿田焼の里(おんたやきのさと)があります。唐臼(からうす)の音が響く里を散策する前に訪れたいのが小鹿田焼の手法や特徴などを広く紹介している「小鹿田焼陶芸館」です。

小鹿田焼の手法や作品を知る「小鹿田焼陶芸館」

写真:肥後 球磨門

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展示室には、江戸時代から現在に至るまでの作品が100点近く展示され、ビデオ映像で小鹿田焼の歴史や作業風景、特徴などが分かりやすく解説されています。

小鹿田焼の手法や作品を知る「小鹿田焼陶芸館」

写真:肥後 球磨門

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小鹿田焼の特徴的な文様は、飛び鉋(かんな)、刷毛目、櫛描きなどの技法で生み出されますが、それぞれの道具とその使い方が詳しく説明されていて小鹿田焼きを深く知ることができます。写真は飛び鉋です。ロクロを回しながら器に当てると鉋が跳ねて削り模様が刻まれていきます。古時計のゼンマイなどで作られていて、他のものではうまく跳ねないのだとか。最初にここで小鹿田焼について学ぶとさらに興味がわくのではないでしょうか。入館は無料です。

隠れ里の雰囲気を持つ小鹿田の町並み

隠れ里の雰囲気を持つ小鹿田の町並み

写真:肥後 球磨門

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なだらかな斜面に川が流れ、それに沿うように一本の道が続いているのが小鹿田の里です。まずはブラブラと散策して、隠れ里の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

隠れ里の雰囲気を持つ小鹿田の町並み

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この道に沿うように10軒の窯元が立ち並んでいます。窯元は柳瀬・黒木・坂本・小袋(黒木系)の4姓で、いずれも開窯からの流れを汲む窯です。開窯以来、弟子を取らない一子相伝の技が山里でひっそりとしかし脈々と受け継がれてきました。
素焼をしないで飛び鉋などで模様を施す小鹿田焼は、乾燥の度合いがとても重要。日照時間が限られる山里では太陽が出れば即、庭先に天日干しの棚が並びます。自然任せの製法も重要文化財に選ばれた一つの理由なのでしょう。

隠れ里の雰囲気を持つ小鹿田の町並み

写真:肥後 球磨門

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展示販売されています。見かけはどっしりと重そうに見える焼き物ですが意外に軽く日常使いに適しています。お気に入りの一品が見つかるかもしれません。

「残したい日本の音風景100選」小鹿田の唐臼

「残したい日本の音風景100選」小鹿田の唐臼

写真:肥後 球磨門

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散策していると「ギギー、ゴトン ギギー、ゴトン」と心地よい音色が聞こえてきます。川に設置されたいくつもの唐臼が出す音で、「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。「ししおどし」と同じ要領で、川の流れを利用して陶土を砕く唐臼ですが、今も現役で活躍するのは全国でも小鹿田だけではないかといわれています。

「残したい日本の音風景100選」小鹿田の唐臼

写真:肥後 球磨門

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きめの粗い土が山積になっているのを見ることができます。里の周辺から採れる黄色い土で、焼き物に使える土にするにはまず乾燥させ、唐臼で20〜30日かけ搗いて(ついて)粒子状にし、水に浸して濾す作業を何回も行い、それを「オロ」と呼ばれるろ過槍槽で水抜きをし、天日で乾燥して完成。全てが手作業のためロクロに乗るまで2か月ほどを要します。

「残したい日本の音風景100選」小鹿田の唐臼

写真:肥後 球磨門

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川のせせらぎの音とともに「ギギー、ゴトン」と力強くリズミカルな唐臼の音を楽しみながらの散策。300年以上にわたって守られてきた伝統の手仕事の一端に触れてみてはいかがでしょうか。裏側にまわって近づいてみるとさらにその迫力に迫ることができます。

里の中央に建つ共同登り窯

里の中央に建つ共同登り窯

写真:肥後 球磨門

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窯元独自の窯をあちこちに見ることができます。

里の中央に建つ共同登り窯

写真:肥後 球磨門

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里の中央部に存在感のある大きな登り窯が作られています。5軒の窯元が共同で使用している共同窯で、焼き物を入れる焼成室「袋」が8つあり窯入れの際にどの袋を利用するかくじ引きで決めるようになっています。

里の中央に建つ共同登り窯

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小鹿田の粘土は鉄分を含み温度の変化に弱く、焼くと変形することがあるため、火入れはベテランの陶工でも難しいといわれています。一番目の袋が所定の温度(1250度)に到達後、二番目から順に八番目の袋まで炊き上げます。温度は小さなのぞき窓から見える炎の色で判断し、一家総出の寝ずの番で約55時間、薪の火だけで焼成していきます。最後の袋まで炊き終えた窯は赤土で密封され、焼成後2〜3日冷して窯開けとなります。ガスや機械を一切使わず300年以上続いた伝統で、2カ月に1度ほど行われる窯焚きに遭遇出来たらラッキーですね。

土の採取から、唐臼による土作り、蹴ロクロによる成形、そして薪窯焼成という手作りの伝統を守ってきた小鹿田焼。そして弟子を取らない、職人も雇わない、一子相伝の風習を守ってきた隠れ里「小鹿田の里」。そんな里を訪れ「ギギー、ゴトン」と鳴り響く心地よい音にしばし身をあずけてはいかがでしょうか。

小鹿焼の里の基本情報

住所:大分県日田市源栄町皿山
電話番号:0973-29-2020(小鹿田焼陶芸館)
アクセス:大分自動車道日田ICから車で約30分

2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/12/02 訪問

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