石も遺跡!?平城宮跡の東方に広がる奈良・法華寺町歴史散歩

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石も遺跡!?平城宮跡の東方に広がる奈良・法華寺町歴史散歩

石も遺跡!?平城宮跡の東方に広がる奈良・法華寺町歴史散歩

更新日:2019/02/10 14:04

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

世界遺産・平城宮跡といえば、奈良時代の内裏や政庁のあった平城京の心臓部ですが、そんな平城宮跡と隣接する法華寺町にも、奈良時代以来の歴史を有する神社仏閣や遺跡が点在しています。今回はかつての総国分尼寺・法華寺を中心に広がる奈良市法華寺町界隈の歴史的な観光スポットをご紹介しましょう。

藤原不比等や光明皇后ゆかりの法華寺・海龍王寺

藤原不比等や光明皇后ゆかりの法華寺・海龍王寺

写真:乾口 達司

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奈良時代、全国の国分寺を統括する寺院として、東大寺があったことを知る人は多いでしょう。その東大寺と双璧をなし、全国の国分尼寺を統括していた寺院こそ、今回、紹介する町の名の由来ともなっている「法華寺(ほっけじ)」です。現在の法華寺町は法華寺を中心に宅地や耕作地が広がっており、法華寺がいまなお町の中心的な存在となっていることを示しています。
 
奈良時代前期、平城宮の東には藤原不比等の邸宅が置かれ、不比等の娘で聖武天皇の皇后でもあった光明皇后もそこに皇后宮を置いて暮らしていました。法華寺は彼らの邸宅を寺院化したものです。平安時代以降、徐々に衰退。1180年(治承4)、平家による南都焼き討ちで被害を受けたのを皮切りに荒廃と復興を繰り返し、現在に至っています。近年は美仏として名高い国宝の本尊・十一面観音菩薩立像を拝観しようとする参詣者で日々賑わっています。

<法華寺の基本情報>
住所:奈良県奈良市法華寺町882
電話番号:0742-33-2261
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」から徒歩約20分

藤原不比等や光明皇后ゆかりの法華寺・海龍王寺

写真:乾口 達司

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こちらも法華寺町にある「海龍王寺(かいりゅうおうじ)」。不比等の邸宅の北東隅に建てられたことから「隅寺(すみでら)」とも呼ばれて来ました。
 
海龍王寺といえば、本尊・十一面観音菩薩立像と西金堂内に安置された国宝・五重小塔は必見。普段、参詣者がそれほど多くないので、本堂の軒下に座ったりしてゆったり過ごすことが出来ますよ。

藤原不比等や光明皇后ゆかりの法華寺・海龍王寺

写真:乾口 達司

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山門からのびる土塀には、おびただしい数の古瓦がはめ込まれており、珍しい光景です。ひょっとしたら、奈良時代の瓦も含まれているかも知れませんよ。

<海龍王寺の基本情報>
住所:奈良県奈良市法華寺北町897
電話番号:0742-33-5765
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」から徒歩約20分

平城宮・東院跡の上に建つと考えられる宇奈多理坐高御魂神社

平城宮・東院跡の上に建つと考えられる宇奈多理坐高御魂神社

写真:乾口 達司

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平城宮跡の東端に接するところにはこんもりとした森が残されています。その森のなかに鎮座するのが「宇奈多理坐高御魂神社(うなたりにますたかみむすびじんじゃ)」です。本殿は室町時代初期の建造で、国指定の重要文化財。かつては法華寺の鎮守社であったとされ、法華寺の本尊・十一面観音菩薩立像はこちらにまつられていたとされます。
 
宇奈多理坐高御魂神社の一帯には、奈良時代、東院があり、現在、その南側には東院庭園が復元されています。そういった位置関係から、宇奈多理坐高御魂神社の地下には東院の主要施設の遺構が眠っているとも考えられています。

<宇奈多理坐高御魂神社の基本情報>
住所:奈良県奈良市法華寺町300
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」から徒歩約15分

無料で拝観出来る仏像たち

無料で拝観出来る仏像たち

写真:乾口 達司

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法華寺や海龍王寺を訪れた方は、それぞれのお寺に残された仏像の数々を堪能することでしょう。しかし、仏像はお寺の境内にだけあるわけではありません。
 
たとえば、写真の地蔵菩薩立像は像高132.5センチメートル。欅の一木造りで堂々たる体躯と流れるような衣紋の造型が印象的で、9世紀後半の作と考えられています。いわゆる平安仏ですが、この地蔵菩薩立像が安置されているところは「奈良法華寺郵便局」の向かいに広がる町の共同墓地の一角に設けられた小さなお堂なのです。もちろん、拝観料は不要。誰でも拝観することが出来ます。

貴重な平安仏が墓地の一角の小さなお堂でお目にかかれるとは、さすがは仏像の宝庫・奈良!ちなみに、地蔵菩薩立像が立つ共同墓地は木取山古墳と呼ばれる全長約110メートルの前方後円墳の上に広がっています。

<地蔵菩薩立像の基本情報>
住所:奈良県奈良市法華寺町1260-1
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」から徒歩約20分

無料で拝観出来る仏像たち

写真:乾口 達司

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こちらは極楽寺の山門脇に建つ地蔵石仏。部分的に傷みが激しいところもありますが、高さが2.4メートルもある大型の石仏で、鎌倉時代中期に当たる1279年(弘安2)の銘が残されています。常時拝観可能で拝観料も必要ありません。石仏好きの方はあわせてお参りしましょう。

<地蔵石仏の基本情報>
住所:奈良県奈良市法華寺町648(極楽寺)
電話:0742-34-6113
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」から徒歩約15分

この石は何!?阿弥陀浄土院の遺構

この石は何!?阿弥陀浄土院の遺構

写真:乾口 達司

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東院庭園の東方、畑のなかにご覧のような石がぽつんと残されています。この石、いったい何だと思いますか?実はこの石、法華寺に付随する阿弥陀浄土院の庭園に立てられていた石。つまり、この田んぼの地下には阿弥陀浄土院の遺構が広がっているのです。
 
阿弥陀浄土院は、その名のとおり、丈六の阿弥陀三尊像を本尊としていた寺院。759年(天平宝字3)に創建され、761年(天平宝字5)には、ここで光明皇太后の一周忌がいとなまれています。

この石は何!?阿弥陀浄土院の遺構

写真:乾口 達司

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はるか後方には、冬の奈良の名物・山焼きで知られる若草山も望まれます。田畑にぽつんと残された石が奈良時代の遺構とは、長い歴史を持つ奈良ならではの風景ですね。

<阿弥陀浄土院跡の基本情報>
住所:奈良県奈良市法華寺町300
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」から徒歩約15分

奈良・法華寺町の歴史散歩を楽しもう!

いかがでしたか?法華寺町がいかにさまざまな歴史を堆積させたところであるか、おわかりいただけたでしょうか。平城宮跡からも歩いていける距離にある法華寺町を散策し、奈良の豊かな歴史をご堪能ください。

2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/22 訪問

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