伊豆「河津桜」生誕の地でひと足早い花見はいかが?

伊豆「河津桜」生誕の地でひと足早い花見はいかが?

更新日:2019/02/16 16:58

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー
川岸を埋め尽くすように咲く早咲きの「河津桜」を楽しむ「河津桜まつり」が、毎年2月上旬〜3月上旬まで開催されます。河津桜は約60年前に偶然発見された自然交配種で、ソメイヨシノよりも色が濃い桃色や淡紅色の花が特徴です。桜まつりの早春、河津町では河津川河口から約4kmにわたって河津桜の並木が続き、川岸の遊歩道を歩けば、頭上を覆う桜のトンネルが壮観です。ひと足早い春の景色に会いに出かけてみませんか。

川辺に咲く早咲きの河津桜で春を喜ぶ

川辺に咲く早咲きの河津桜で春を喜ぶ

写真:和山 光一

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海沿いののどかな町伊豆“河津”で、平成3年から始まった例年2月10日前後から3月10日前後まで行われる「河津桜まつり」は、河津川沿いを中心に町が河津桜のピンクに染まります。桜まつりの早春、河津川沿いには約4kmにわたって続く約800本の早咲きの桜が咲き誇り、露店が軒を連ね、花見客でこの小さな町は大いに活気づくのです。

イベント期間中は、土・日曜と祝日に伊豆の踊子と記念撮影が体験できるほか、地場産品の販売や名木のライトアップが毎日行われます。
また河津浜温泉や谷津温泉、今井浜温泉などの町内宿泊者限定で名木のライトアップ会場へ夜桜シャトルバスが運行され、魅力あふれる温泉に泊まって夜桜見物に出かけるのも一興です。

川辺に咲く早咲きの河津桜で春を喜ぶ

写真:和山 光一

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河津桜の特徴は、寒さの中で咲くので開花から満開になるまでに約1ヶ月かかり、最初は寂しげだった木がだんだんと華やかな濃いピンクの花弁をつけていく過程をゆっくり楽しむことができます。しかしながら開花予想が非常に難しいといわれてもいます。例年1月下旬から徐々に咲き始め、3月上旬まで長い間楽しめますよ。

川辺に咲く早咲きの河津桜で春を喜ぶ

写真:和山 光一

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車で来場した時に悩ましいのが駐車場の確保です。駐車場は実行委員会駐車場(P1〜17)と民間駐車場(Pあ〜め)があり、どこも終日700円ですが民間は2時間のところもあり注意が必要です。河津駅周辺や河津桜観光交流会館の中心街に駐車場は多いのですが混雑しやすく、河津川の両岸をしっかり見て回るなら一番川の上流、北の峰地区から見学していくのが良いです。

おすすめの駐車場は峰小橋近くの(P16)か、河津川を渡った反対側、涅槃堂近くの(Pお)涅槃堂駐車場がおすすめです。トイレと飲料自動販売機があり便利ですよ。

ここには写真の河津桜の名木一本桜「涅槃の桜」があります。

「峰小橋」から「豊泉橋」の河津川沿いを歩く

「峰小橋」から「豊泉橋」の河津川沿いを歩く

写真:和山 光一

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河津桜の見学コースは決まっているわけではなく、自由に散策することができます。おすすめの「峰小橋」付近の駐車場からスタートして河津川沿いを河津浜まで往復した場合、約8q、所要時間は約2時間半の行程が目安になります。

河津川に架かる橋や一本桜を目印に地図を見ながら歩いていくといいですよ。車を停めた「峰小橋」からまずは右岸を歩いて500m「かわづいでゆ橋」までいきます。ここから「豊泉橋」までの600mの河津桜並木は幹も太く立派で夜桜ライトアップがなされます。

写真は「かわづいでゆ橋」から「峰小橋」方面を写した写真で、地元の方のおすすめの撮影場所です。

「峰小橋」から「豊泉橋」の河津川沿いを歩く

写真:和山 光一

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途中には写真の名木一本桜の「音蔵の桜」、花見散歩の折り返しにひと休みにもってこいの日帰り入浴施設「踊り子温泉会館」、「豊泉の足湯処」があります。

「峰小橋」から「豊泉橋」の河津川沿いを歩く

写真:和山 光一

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オレンジ色の豊泉橋から上流を眺めると、川と青い空にソメイヨシノの淡いピンクと違い、やや鮮やかな色あいの河津桜の桜並木という美しい風景が一望できます。橋の袂には名木一本桜の「豊泉の桜」が屹立しています。

所々にある川岸の階段を下りてみてください、水辺から眺める桜も一味違う風情がありますよ。

「豊泉橋」から「来宮橋」「荒蔵橋」を過ぎて河津浜まで

「豊泉橋」から「来宮橋」「荒蔵橋」を過ぎて河津浜まで

写真:和山 光一

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「豊泉橋」から「来宮橋」までの500mを楽しんだら橋を渡って反対岸を歩きます。ここから河津駅までは片側しか桜が植えられていないのです。渡った橋のたもとに写真の「上河原の桜」があります。

「豊泉橋」から「来宮橋」「荒蔵橋」を過ぎて河津浜まで

写真:和山 光一

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「来宮橋」から「荒倉橋」までの700mの間には、露天や自宅で喫茶店などを営業しているお店が並びます。通称“菜の花ロード”とも言われる散策路沿いのお店の前には、春の彩りを添える菜の花が咲き乱れ、黄色と河津桜のピンクの対比がより華やかで楽しませてくれます。河津桜まつりの期間中に並ぶにぎやかな露天では、河津と周辺地域の農産物や名産品、菓子やお土産などが売られていますよ。

途中の笹倉公園には、観光案内パンフレットコーナーや「さくらの足湯処」もあり、しばしの休息はいかがですか。

「豊泉橋」から「来宮橋」「荒蔵橋」を過ぎて河津浜まで

写真:和山 光一

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「荒倉橋」からさらに300m、伊豆急の高架をくぐりと「館橋」です。ここから「浜橋」までの300mが、夜はライトアップされる河津桜並木が続きます。このあたりの桜もしっかりとした見事な花を咲かせていますよ。

「浜橋」まで出たら“谷津”の交差点を渡って、少し河津浜海岸から海を眺めてみるのも心が落ち着きます。

河津川沿いの桜並木から外れるも、見ておきたい名木一本桜

河津川沿いの桜並木から外れるも、見ておきたい名木一本桜

写真:和山 光一

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帰りは河津駅から町道を通ります。河津桜観光交流会館向かいの「かじやの桜」に是非立ち寄って下さい。河津町の名木一本桜のなかでも樹形といい鮮やかさといい横綱の河津桜です。近くに行けば見事な花はこんもりと密集して咲いているのですぐにわかります。

河津桜原木が発見されて苗の生産が始まり、河津町内の関係者に配られれた桜の一本で、一期生と呼ばれています。

河津川沿いの桜並木から外れるも、見ておきたい名木一本桜

写真:和山 光一

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さらに河津町役場近くの「河津桜原木」も必見です。河津桜並木のマザーツリーともいえる原木は早咲きのオオシマザクラ系とピンクのヒガンザクラ系の自然交配種といわれるもので、樹齢約60年、樹高約10mです。

昭和30年(1955)頃の2月、河津町田中の飯田勝美さんが河津川沿いの冬枯れの雑草の中に芽吹いていた桜の苗を偶然見つけ、現在地の庭先に植えたのがこの原木です。この木から後に川岸などへの植栽が進められ、河津桜の輪が広がっていったのです。

河津川沿いの桜並木から外れるも、見ておきたい名木一本桜

写真:和山 光一

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さらに駐車場近くまで戻ると、写真の「車の桜」や「大宮瀬の桜」といった名木一本桜がまだまだありますので寄ってみてください。

疲れた足を癒す足湯処

疲れた足を癒す足湯処

写真:和山 光一

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河津川沿いの散策路には3ヵ所足湯処があります。中でも河津浜近く、浜橋の手前にある足湯「河津三郎の足湯処」は、3つの足湯の中で、施設的にも、景色的にもおすすめです。

赤い足形が並ぶ真ん中に青い“ゆ”の文字が目を引きます。谷津温泉と書かれた建物の2階に上がって座ると、右を見れば河津浜、左を見れば桜並木の眺めに、身も心も疲れた足も癒されます。河津三郎祐泰は曾我兄弟の仇討ちで知られる曾我祐成・時到の父ですね。

疲れた足を癒す足湯処

写真:和山 光一

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河津川に架かる荒倉橋と来宮橋の間、笹原公園内にあるのが「さくらの足湯処」です。桜並木と菜の花のコントラストが美しい、菜の花ロードが目の前です。

疲れた足を癒す足湯処

写真:和山 光一

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3つ目の足湯が「豊泉橋」と「かわづいでゆ橋」の間、踊り子温泉会館近くの「豊泉の足湯処」です。峰温泉の河津川堤にあり、夜桜ライトアップ(18時〜21時半)が行われる桜並木に近く、また目の前からは河川敷に下りやすくなっています。

河津桜まつりの基本情報

場所:伊豆河津町河津川岸
電話番号:0558-32-0290(河津町観光協会)
アクセス:伊豆急行河津駅下車
期間:例年2月10日〜3月10日頃

2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/03/02 訪問

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