三重県熊野市と和歌山県新宮市の間を流れる北山川は、「瀞峡」と呼ばれる美しい渓谷を伴う一級河川。日本でいちばん雨が多いとされる大台ケ原を水源としているため、豪雨による災害も起こす暴れ川でもあります。
普段はおだやかな北山川の様子は、「瀞峡」を巡るウォータージェット船で楽しむことができます。
また、山の上からのリバービューは、熊野市の珍景・絶景マップでも紹介されており、白波を立てて走るウォータージェット船のエンジン音を遠くに聞きながら、いつまでも眺めていたい最高の景色です。
絶景のリバービューは、熊野市紀和町小川口にある「ホテル瀞流荘」横の小さな山の山頂から見られます。ホテルの裏手にあるトロッコ列車乗り場の隣に、絶景ビューポイントへの看板があり、歩いて10分ほどで到着します。
川の水が少ないときに見ると、とても暴れ川には見えませんが、豪雨や台風のあとには激しい濁流が流れていく様子が見られます。
北山川の向こう側は和歌山県新宮市ですが、まわりを三重県と奈良県に囲まれた飛び地になっている珍しい場所です。
<瀞流荘の基本情報>
住所:三重県熊野市紀和町小川口158
電話番号:0597-97-1180
アクセス:熊野市駅よりバスで60分
かつて熊野市を含むこの東紀州のエリアは林業のまちとして有名でした。熊野は古くから良質の材木が得られ、山奥で切られた木々を筏にして河口の新宮市まで運んでいました。その筏にして河口まで下ろす人を「筏師」と呼び、下ろした後に再び山に戻る道を「筏師の道」と呼びました。
杉木立ちの中を苔むした「筏師の道」がまっすぐ伸びています。
熊野市側から北山川を渡り、飛び地となっている和歌山県新宮市に入ると、北山川が分岐して大きな中州のような状態になっている場所があります。ここは「嶋津の森」と呼ばれ、ご紹介している「筏師の道」や、かつての集落跡などが見られます。
緑色の苔に覆われた「筏師の道」を歩くと清々しい気持ちになりますが、これも地元の方が保護管理をしっかりしてきれいに整備してくれているおかげです。
「嶋津の森」へ入るには徒歩のみとなっており、バイクはもちろん自転車も乗り入れはできません。また、北山川の中州にありますので増水時には訪れることはできません。
それではいよいよパワースポットとしても知られる「木津呂」集落を見に行くわけですが、ここで地形の復習をする必要があります。
北山川に楕円状に囲まれ、円形の島のように見える「木津呂」集落は、三重県熊野市にあります。しかしこの「木津呂」集落を見るには、北山川対岸の和歌山県新宮市の飛び地に渡り、山を登って上から眺めるしかありません。
「嶋津の森」近くにある「嶋津観光協会」横の山道を入り、絶景スポットへの登山を開始しますと、徐々に標高が上がり、北山川を走るウォータージェット船がとても小さく見えてきます。
90分ほどの登山をすると、木立ちの隙間からようやく「木津呂」集落が見えてきます。北山川が驚くようなヘアピンカーブをしているのがわかります。そしてその奥に丸い島のように見える集落が「木津呂」集落です。
肉眼でも住宅が何件も見ることができます。しかしながらほとんどが空き家の限界集落。昔は小学校もあり、和歌山県の生徒も渡し舟で通っていたとのこと。少子化、若者の流出がすすみ、日本の典型的な限界集落のひとつになっています。
ほかにも集落が見える別の絶景スポットがあります。こちらは木立ちが一切なくはっきりと「木津呂」集落が見られます。
このような土地を風水では「龍穴(りゅうけつ)」と呼び、繁栄すると言われています。現在ではパワースポットとして密かな人気もありますが、大変困難な場所にあるために訪れる人はごくわずかです。
こちらの絶景スポットへは、案内板も看板もないけもの道をひたすら歩いて行く必要があるため「嶋津観光協会」主催のツアーに参加するのがおすすめ。絶景スポットへはイノシシやマムシなどが出るけもの道を長時間歩きます。過去には、単独で訪れて遭難する人もいたとのこと。万全の準備をしてお出かけください。
<嶋津観光協会の基本情報>
住所:和歌山県新宮市熊野川町嶋津57
電話番号:050-7001-5299
アクセス:熊野市よりバス60分、徒歩30分
「木津呂」絶景スポットへの単独訪問に自信がない方は、「嶋津観光協会」主催の「絶景ツアー」にご参加ください。ただし夏期は開催されませんのでご注意ください。
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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