更新日:2019/02/12 13:58
名古屋の横山美術館にて「超技の世界―瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など―」が開催です! 瀬戸焼、美濃焼、名古屋絵付、常滑焼、萬古焼など、今回の企画展は愛知・岐阜・三重の東海三県が主役。万国博覧会で人気を博した日本の輸出陶磁器の中でも、特に優れた技法の作品を見ることができる珍しい機会なのです。
今では再現不可能な技や難しすぎる技の数々は、写真撮影もOK!ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。
横山美術館は、名古屋市東区にある陶磁器の美術館。特に明治時代以降に日本で作られ諸外国へと輸出された、「海外で絶賛された日本の陶磁器」を中心に展示しています。所蔵品は3000点以上。世界的に美術品として高い評価を得ながら国内の現存数が少ない日本の輸出陶磁器たちを、1階〜4階までたっぷり楽しむことができる美術館です。
写真:陽月 よつか
地図を見る館内には瀬戸焼やオールドノリタケなど、陶磁器に詳しくない人でも名前を知っているものから知る人ぞ知る窯元作品までずらり。日本の高い技術で外国向けに作られた作品は、日本人向けのものと趣きが異なり、欧米人好みの華やかな色彩や欧米のインテリアに合わせた作品作り(ペア制作や装飾用の花瓶など)が特徴です。中には「えっ100年以上前に日本でこんなの作ってたの?」と驚いてしまうほど大胆・豪華なものも。
そして、中でも特に驚きのスゴ技作品を集めた企画展が「超技の世界―瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など―」。2019年1月11日(金)〜5月19日(日)まで開催されています。
写真:陽月 よつか
地図を見る企画展「超技の世界―瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など―」の会場は横山美術館の4階。1〜3階が常設展となり、同チケットで全て観てまわることができます。今回の企画展では、最盛期には日本の陶磁器生産額の7割を担った陶磁器の代表地域である、愛知・岐阜・三重の東海三県で制作された陶磁器作品が主役。
万国博覧会にて世界の絶賛を浴び、日本の外貨獲得に大きな役割を果たすなど、歴史的にも重要な役割を担った日本の陶磁器。展示されているのは、その中でも選りすぐりの「超技」=優れた技巧の作品たちです。今では再現不可能な技法や、難しすぎて誰も真似できない名人の技法なども多く展示され、陶磁器に詳しくなくてもスゴさが実感できる企画なのです。
写真:陽月 よつか
地図を見る展示は焼き物の種類ごとに分けられており、各地域の特徴ごとに見て周ることができます。大きくは瀬戸焼、美濃焼、名古屋絵付、常滑焼、萬古焼と分かれ、その中でも同地域で発展した数々の焼き物が紹介されているという形。地域性と様々な技法を同時に知ることができるのです。
写真:陽月 よつか
地図を見る遠目ではわかりにくい細かな部分まで、近寄って眺めることができるのも嬉しいポイント。細かな部分まで作り込まれた「超技」の数々をじっくりと見ることができますよ。
また「優れた技法の焼き物」なだけでなく、「外国向けに作られた輸出陶磁器」であることが横山美術館ならではの特徴。外国向けのキラキラ華やかな色彩やジャポニズムを思わせるモチーフなど、日本人の目からすると一風変わったように見える陶磁器作品は、「日本で作られたのに、日本人のほとんどが知らないスゴい作品」という面白さがあるのです。
展示作品の中には実際に万国博覧会で展示されたとみられる陶磁器も。写真は「染付桐唐草文花瓶」。こちらの花瓶は、明治9年(1876年)のフィラデルフィア万国博覧会に出品するため博覧会事務局および政府がまとめた図案集「温知図録」に掲載されています。優美な形もさることながら、作品の横幅12.2cm(取っ手含む)の中に描き込まれたこの文様の細かさは、まじまじ見ずにはいられません!
こちらは「西浦焼釉下彩花図花瓶」。「釉下彩(ゆうかさい)」は西浦焼の代表的な技法で、現代では再現不可能とされる技術。釉薬の上に絵付けし色ごとに別々の温度で焼きつける「上絵付け」と異なり、絵の上から釉薬がかけられており、幻想的で柔らかく艶やかな色彩となっているのです。吹き絵による絵付けの評価も高く、まるで石に閉じ込められた花のような美しさはまさに必見!
まるでターコイズのように美しい色彩が目を惹く、こちらは「磁胎七宝鶏図蓋付壺」。「磁胎七宝(じたいしっぽう)」とは、通常は金属を素地とする七宝焼を磁器につける技法。その鮮やかな色彩から一時期流行ったものの、あまりに難しいためにすたれてしまった技法なのです。当然現存するものも珍しいのですが、今回の企画展ではこちらの他にも数点が展示されています。
写真:陽月 よつか
地図を見る技法のレベルの高さスゴさばかりでなく、陶磁器自体の芸術性の高さもこの企画展の大きな魅力です。こちらは「上絵金彩人物図飾壺」。平安女性を描いた優美な絵は丁寧に描き込まれ、壺の側面や脚の文様も細部まで格調高く、思わずうっとりと見入ってしまう作品です。
こちらは七宝繋文の透かし彫りが施された胴部分に、円筒が収められた二重構造。「えっ陶器でこんなことできるの?」と驚いてしまう人も多いのでは。でも伝統的な七宝つなぎ文様が金縁にピンク色、中には花柄の円筒の入った花瓶とあれば、現代の美意識では「可愛い!」と思う人が多いのではないでしょうか。
写真:陽月 よつか
地図を見る他にも展示には、シカゴ・コロンブスとセントルイスの2つの万国博覧会で受賞し独自の世界を作り上げた成瀬誠志の作品や、薄手で歪みのない磁器制作を得意とした加藤善治の厚さわずか8ミリの陶板作品など、類を見ないほどの「超技」がずらり。日本のスゴ技の数々、ぜひ楽しんでくださいね。
最後に。横山美術館はなんと館内撮影がフリー!SNSへの写真アップロードもOKなのです。気に入った作品はぜひ自分好みのアングルで、カメラに収めてみてくださいね。(写真利用は個人目的に限ります)
住所:愛知県名古屋市東区葵一丁目1番21号
電話番号:052-931-0006
アクセス:名古屋市営地下鉄東山線「新栄町」駅(1番出口)徒歩4分
名古屋市営地下鉄桜通線「高岳」駅(3番出口)徒歩4分
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝・休日の場合開館、翌平日休館)
「超技の世界―瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など―」
開催期間:2019年1月11日(金)〜5月19日(日)
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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