石灰石の奇岩やマングローブの密林、ジェームスボンド島など見どころ満載のパンガー湾。「水上生活者村」として有名なパンイー島は多くの観光客が立ち寄る必見のスポットです。パンイー島へは、島の北西、マングローブの川上のスラカル桟橋からロングテールボートをチャーターすれば20分程で到着できますが、人数が少ない場合や時間によっては価格が高くなるので、たくさんある観光ツアー船を利用するのが便利です。
見どころが多いパンガー湾、観光ツアーではジェームスボンド島などの名所を時には猛スピードで、時には超スローで巡ります。ボートの振動もあっておなかがすきますよ。パンイー島の南側に並ぶ建物(写真)は、全て大規模なレストラン街。多数の観光客も収容できる規模と、ローカルテイストが楽しめるのもパンイー島が人気の背景です。観光船が直接接岸できる桟橋が付いたレストランが多く、観光客の利便性が図られています。
パンイー島の歴史は、その浅瀬に18世紀にインドネシアから遊漁民(ノマド)が住み着いたことから始まります。最初に良い漁場を探した人が「良い漁場が見つかった時に高いところに目印の旗を掲げよう」と約束し、そして旗を掲げたのがパンイー島の岩山の頂上でした。パンイー島の意味は「旗の島」なのです。当時、タイ人だけが土地を所有する事が許されていました。そこで、遊漁民たちは浅瀬に杭を打ち込みその上に住んだのです。
海に長く突き出した桟橋には、海のノマドに相応しく極彩色に塗られたカヌーが置いてあり、カヌー越しに眺めると、建物下は無数の杭が打ち込まれている様子がよく分かりますよ。古い杭は木製。散策中に海水の浸食でやせ細った木製杭を見ることが出来ます。現在パンイー島では漁業よりも観光が主流となり、杭もコンクリート製に変わりました。
パンイー島東側の集落の中付近に長い桟橋があり、多くのボートがここに着岸し上陸します。その辺りから金色に輝くドームが良く見えます。ダルサラーム・モスクです。
ダルサラーム・モスクへ行くには上陸後、右手へ折れ、崖がそそり立つ島よりの部分に向かい歩きます。モスク付近の通路は肩が触れ合うほど狭くなっています。1,500人ほどの全島人口は320程の家族の集落でムスリム社会を作っているため、モスクがあるのです。
金色のドーム、窓の縁取り、イスラム風アーチ状回廊前面にタイル状に貼られた柱は角度により煌めきが変わり、見どころです。島側の隣接地にはお墓を見ることが出来ます。
無数の杭の上にたつパンイー島の村内には幼稚園から中学校まであり、小さいですがサッカー場まであります。海の上に居ることを忘れますよ。このサッカー場が出来た秘話は後ほどご紹介。
サッカー場の右手は幼稚園の教室。観光客たちはグラウンド横まで入れるので授業を邪魔しないように見学することが出来ます。手前に園児たちの小さな靴が並んでいます。
なんと、サッカー場はもう一面あります。それは海に浮かぶ青いピッチ!ピッチ外側へボールを蹴り出してしまったら、さぁどうしましょう?もちろん、飛び込み泳いで拾ってくるのです。そのためサッカー場は次第に海水でびしょ濡れになってきます。
パンイー島の少年サッカーチームには感動秘話があります。サッカー好き少年たちが本土で大会があることを知り、島中から木材の端切れを拾い集め、いかだなどを組み合わせ板を釘で打ち付けてこのピッチを作りました。そして裸足でボールを蹴り、海でボールを拾うので水びたしのピッチでの練習です!
そしてサッカー大会に出場。島の人達は、靴やユニホームをプレゼントしました。チームは自分達の予想も超え、準決勝まで躍進。そして決勝は大雨。靴はびしょぬれ。後半は靴を脱いで裸足でプレーし、見事2点差を追いつきますが、最後に力尽きました。パンイー島住民はこのことを称え、先にご紹介の立派なサッカー場を作ったのです。パンイー島少年サッカーチームは何度も優勝する強いチームになりました。
観光客が多数訪れるパンイー島内部は商店や土産物店が至る所にあります。案内者が居ないと、方向感覚を失う迷路のようです。この村を支える生鮮食料品店や雑貨店などもあり生活ぶりを垣間見ることもできますよ。
マレーシアのペナン島には「ジェッティ(桟橋)」とよばれる中華系一族が集まった水上生活者村が桟橋に沿って海に伸びていますが、パンイー島ではペナン島のジェッティを全て一か所に集めた位の広さを感じますよ。
観光船ツアーでは食事が含まれたものもあります。集落の南東側には10軒ほどの大きなレストランが建ち並び、カレー風味の中華風料理など、主にローカルのシーフード料理が楽しめますよ。写真はブッフェ形式のランチの一例です。
タイ・パンガー湾の河口付近は、石灰石が浸食されてできた奇観とマングローブ林が共存する驚異の風景が楽しめます。そそり立つ岩山の景色は目に焼き付きますよ。
パンイー島周辺には観光船がギリギリくぐれる高さのトンネル状の場所が幾つかあり、その日の時間帯や潮の高さなどにより、見ごたえある場所を通過します。
鍾乳石のように浸食された岩がぶら下がり、手を伸ばせば届きそうな岩のトンネルから眺めると、複雑に風景を切り取る絶景!こういう場所ではボートは超スローで走り、光と景色を堪能できます。
住所:Koh Panyi Phang-Nga
アクセス:
タイ本土のスラカル桟橋からロングテールボートで約20分
※プーケット島などから観光船ツアーも便利です。
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/20更新)
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