皇大神宮は832年の創建と伝えられ、地元では「烏森神社」・「お神明様」とも呼ばれています。1104年に鎌倉景政(平景正)が領地を開拓し、伊勢神宮に寄進したことから「大庭御厨」と呼ばれました。
「御厨」とは天皇家や伊勢神宮・下鴨神社の所領を意味し、現在の茅ヶ崎市・藤沢市の総鎮守として尊崇を集めました。現在も藤沢市には「大庭」の地名が残り、歴史を今に伝えています。
提供元:宗教法人皇大神宮
地図を見る約10mの高さを誇る「三ノ鳥居」は境内に建つ鳥居の中でも圧倒的迫力で藤沢市内一を誇ります。白い石畳で敷き詰められた参道や石段は晴天時には眩しく、整備が行き届いています。
皇大神宮では「高さ」にまつわるもう一つ有名な催しがあります。それは8mに達する9基の人形山車が集まる「夏の例大祭」です。毎年8月17日に催され、藤沢市の「重要有形民俗文化財」に指定されています。山車の一番上には精巧な彫刻の人形が飾られ、壮観の一言に尽きます。
境内は3300坪と広大で広葉樹の森林に覆われています。樹齢数百年のタブノキ・ケヤキなどが残り、鎮守の杜を形成しています。
かつてはこの杜の周辺に多くの烏(からす)が生息していたことから、「烏森神社」と呼ばれるようになりました。年中を通じ初詣やお宮参りなどで参拝者が訪れ、地域の人々に親しまれています。
祭神は「天照皇大神」の他に5柱の祭神を合祀しており、社殿の構えは格式に相応しい崇高な造りとなっています。
832年に御社殿造立の記録があり、以降幾度か御造営を重ね現在に至ります。神社の由緒は幾度か歴史書に登場しています。鎌倉時代に編纂された『吾妻鏡』にも神社の名が記されており、鶴岡八幡宮への御神体の遷座や、那須与一が屋島の戦いで扇の的を射た弓矢について書かれています。
本殿手前にある神社は、式内社相模国十三社のひとつ「石楯尾神社」です。石楯尾神・八幡大神・春日大神が祀られています。
石楯尾神社は皇大神宮よりも約20年以上前に建立された記録が残っています。後から祀られた皇大神宮の境内に鎮座するかたちとなったのは、「天照皇大神」を祀る本殿が「大庭御厨」の鎮守になったことが考えられます。
御朱印は拝殿に向かって右側の社務所で頂けますが、極力釣銭の無いようにして申し込みましょう。
ちなみに初穂料は300円です。 社務所では二種類の神社オリジナルの御朱印帳も頂けますので、藤沢一帯の神社巡りには良い記念となるはずです!
本殿脇には小さな鳥居の奥に「豊受稲荷神社」が建っています。社は全国でも珍しい神仏習合(神道と仏教の融合)の神社です。
厄除祈願・安全祈願など日常生活の身近な神様として、願掛けのため定期的に足を運ばれる方も見受けられます。境内にある末社のなかでも鳥居・参道・社が揃っている神社なので風格が漂います。
境内には「末社」と呼ばれる本宮に属する社殿が多く並んでいます。「恵比須の宮」もそのひとつで、毎年正月には藤沢市観光協会主催の「藤沢七福神めぐりスタンプラリー」のポイントになっています。
恵比須の宮には、えびす様である「八重事代主神」の他、「出雲大社」の祭神である「大国主神」が祀られています。世間では「大黒様」として親しまれており、五穀豊穣の神様です。
境内に並ぶ末社のなかで本殿から一番離れた場所に社を構えるのが「豊受ノ宮」です。祭神の「豊宇気毘売神」は稲作をはじめ、衣食住の恵みを授ける「産業」の神様です。
境内には暮らしに密接する神様が数多く鎮座しているので、祈願成就で迷ったら皇大神宮へ参拝してみましょう!
神宮境内右手に建っているのが「造営記念碑」です。境内の玉垣・石段・石垣等の整備や現在の社務所新築に関する記録が刻まれています。
「昭和天皇在位60年」という慶祝の年でもあった為、1985年の造営事業を後世に残し、「氏子・崇敬者の繁栄が続くように」との願いが込められています。
境内にはお祓いをする場所「祓所(はらえど)」と呼ばれる一画があります。その脇にはかつての御神木であった椨(たぶ)の木が倒れ、その切り株から新しい芽が出たことでパワースポットとしても人気です。
皇大神宮では盗難により、神社の伝承記録が失われてしまいました。しかし、人々の信仰によって民俗芸能をはじめとする文化や伝統は受け継がれてきたのです。
壮大な杜に囲まれた境内に立ってみると、人々の生活に神社が心の拠り所として存在していることを実感します。
住所:神奈川県藤沢市鵠沼神明2-11-5
電話番号:0466-24-5590
アクセス:JR東海道本線「藤沢駅」北口より 徒歩15分
御朱印受付時間:9:00〜16:00
駐車場:無料
2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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