名古屋・横山美術館に集う職人技!100年前の輸出用陶磁器が一堂に

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名古屋・横山美術館に集う職人技!100年前の輸出用陶磁器が一堂に

名古屋・横山美術館に集う職人技!100年前の輸出用陶磁器が一堂に

更新日:2019/02/19 14:22

一番ヶ瀬 絵梨子のプロフィール写真 一番ヶ瀬 絵梨子 名古屋フカボリライター、格安子連れトラベラー、レゴランド・ジャパン愛好家

明治〜大正時代、輸出用陶磁器の生産は日本の重要な産業でした。
当時の高度な職人技と美しさに魅了され、わずか約20年間で3000点以上を収集したのが企業家の横山博一氏。そして、個人コレクションを公開するために開館させたのが横山美術館です。
一大生産拠点であった名古屋で、その技をじっくりとご覧ください。

ジュール金盛薔薇図花瓶から始まった、横山美術館

ジュール金盛薔薇図花瓶から始まった、横山美術館

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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横山美術館のある名古屋市東区には、かつて多くの陶磁器工場が建ち並んでいました。
しかしそれらの陶磁器は日本人の目に触れることなく海外へ渡り、高度な技術があったことを知る日本人はいまでは少数派です。

素晴らしい作品たちを里帰りさせたい。
日本にこれだけの技術があったことをもっと日本人に知ってもらいたい。
横山美術館は、そんな情熱から誕生しました。

ジュール金盛薔薇図花瓶から始まった、横山美術館

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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公益財団法人 横山美術館の理事長・横山博一氏と輸出用陶磁器の出会いは、オールドノリタケの「ジュール金盛薔薇図花瓶」。
ニューヨーク在住の友人が持ち帰ったこの花瓶の美しさと精巧さに感動し、この職人技が現代の日本人に知られていないのはもったいないとコレクションを開始するに至ったのです。

ジュール金盛薔薇図花瓶から始まった、横山美術館

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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横山美術館1階は、さきほどの「ジュール金盛薔薇図花瓶」をはじめ、コレクションの中心となる大型作品が展示されています。
精密な和風の絵柄が描かれた花瓶や染付の藍色が美しい瀬戸焼など、細部までじっくり鑑賞したい作品ばかり。ちなみに「花瓶」といっても実際に花を生けるためではなく、装飾用の調度品です。

華麗で美しい、オールドノリタケのコレクション

華麗で美しい、オールドノリタケのコレクション

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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横山美術館誕生のきっかけとなったオールドノリタケは、収蔵数も多く、花瓶や食器にとどまらないバラエティ豊かなコレクションです。
オールドノリタケの展示は主に3階。フロア入口で迎えてくれるのは、オールドノリタケファンなら思わず歓声があがる鮮やかな青のティーセットです。

※展示内容は2019年2月現在。展示作品や配置は随時入れ替わります。

華麗で美しい、オールドノリタケのコレクション

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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金の縁取りやピンクの花など、オールドノリタケらしいコレクションも豊富。絞り出した絵具の粒に金などを塗って焼き付けた「ビーディング」など、気の遠くなるほど丹念な技術も鑑賞できます。
いまなお輝きの美しい金色を保ち続けているのは、輸出用には金の含有量の多い金液を塗っていたためです。

オールドノリタケ(森村組)は当時、ニューヨークに日本人を派遣してデザイン部門を置いていました。アメリカ人の好みや最新の流行を取り入れられたのは、そんな思い切った方針のおかげでもあったのです。

華麗で美しい、オールドノリタケのコレクション

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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ラスター彩(さい)というキラキラ光る技法を用いたキュートなキャンディケースなども、オールドノリタケ。
ポップでユーモラス、それでいて上品な作品の数々が並んでいます。

圧巻の高浮彫!眞葛焼と隅田焼

圧巻の高浮彫!眞葛焼と隅田焼

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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洋風の陶磁器だけでなく、日本的なモチーフの陶磁器や立体的な装飾技法である高浮彫(たかうきぼり)も人気がありました。

2階には、高浮彫を大成させた眞葛焼(まくずやき)の創始者・初代 宮川香山の作品も数多く展示されています。
※眞葛焼の「葛」は正式には下の部分が「ヒ」

圧巻の高浮彫!眞葛焼と隅田焼

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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こちらは「高浮彫鳩桜花瓶」の一部ですが、まさに超絶技巧!
高浮彫の技術はもとより、この繊細な装飾を貼りつけたまま焼き上げている製陶技術そのものに感銘を受けます。

圧巻の高浮彫!眞葛焼と隅田焼

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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現在の愛知県瀬戸市に生まれた井上良齋らが、東京・隅田川のそばで作っていたのが隅田焼。こちらも高浮彫の技法が用いられています。
いまにも動き出しそうな生き生きとした人々や動物がモチーフとなっており、その物語性はまるで一冊の絵本のよう。見飽きることがありません。

名古屋の職人技が光る、輸出用陶磁器

名古屋の職人技が光る、輸出用陶磁器

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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かつて数多くの陶磁器工場が立ち並んでいたという名古屋。名古屋で行われていたのは、主に絵付け作業でした。
名古屋絵付けの特徴のひとつは、華やかな色使い。「上絵金彩花鳥図蓋付壺」(左上)は、モダンな青やピンクと和風の花鳥画を合わせたセンスあふれる作品です。

名古屋の職人技が光る、輸出用陶磁器

提供元:公益財団法人 横山美術館

https://www.yokoyama-art-museum.or.jp/地図を見る

名古屋の七宝職人・竹内忠兵衛が特許を取得した「石目焼」も非常に特徴的な技法。
ガラス分を含んだ粉を散布してから焼成するため、サメ肌のような独特の質感です。
水色の背景に鳥や花が描かれた作品が多く、つい見入ってしまいます。

2019年5月19日までの企画展は、「超技の世界」

2019年5月19日までの企画展は、「超技の世界」

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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2019年1月11日〜5月19日は、4階で企画展「超技の世界 ―瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など―」が開催されています。

フロア入口に展示されているのは、高さ85.4pもある「西浦焼上絵花鳥図大花瓶(一対)」。
日本では床の間などに1個で飾るのが一般的ですが、海外では装飾品を対にして飾る習慣があるのでペアの作品が多く輸出されていたのです。

※1〜3階の常設展のみの期間もあります。

2019年5月19日までの企画展は、「超技の世界」

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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シンプルに見えるこちらの作品群も、実は超技。
釉薬の下に描いたカラフルな絵を美しく発色させる釉下彩(ゆうかさい)という技法です。
磁器を焼成する1300度の高温で発色させるため、複数の色を美しく出すのは至難の技。どのような工程で作られたのかわかっておらず、幻の技法と呼ばれています。

2019年5月19日までの企画展は、「超技の世界」

提供元:公益財団法人 横山美術館

https://www.yokoyama-art-museum.or.jp/地図を見る

製陶技術の素晴らしさは、絵付けや装飾だけではありません。この陶板、なんと薄さ8mm!
板状の磁器制作を得意とした、加藤善治の手によるものです。
薄く大きな陶板を歪みなく焼成させるのがいかに難しいかは、容易に想像がつくことでしょう。

陶磁器生産と輸出の一大拠点だった名古屋で、企業家の熱い想いから誕生した横山美術館。
今回の企画展では、瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など、東海地区の技も凝縮されています。
やきもの好きなら、わざわざ行く価値がありますよ。

横山美術館の基本情報

住所:名古屋市東区葵一丁目1番21号
電話番号:052-931-0006
アクセス:名古屋市営地下鉄東山線「新栄町」駅(1番出口)徒歩4分、名古屋市営地下鉄桜通線「高岳」駅(3番出口)徒歩4分
開館時間:午前10時〜午後5時(最終入館時間 午後4時30分)
休館日:毎週月曜日(祝・休日の場合開館、翌日休館)、年末年始
入館料:大人 1000円(700円)、高・大学生・65歳以上 800円(500円)、中学生600円(400円)、小学生以下無料
※()内は常設展のみ開催時の料金、各種割引は公式サイトで確認してください。

2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/01/25 訪問

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