「八幡平ドラゴンアイ」は、たった2週間だけの絶景!

「八幡平ドラゴンアイ」は、たった2週間だけの絶景!

更新日:2019/05/31 17:17

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
東北の山岳地にようやく遅い春の兆しが訪れる頃、現れる絶景があるのをご存知ですか?
それは「八幡平ドラゴンアイ」。八幡平の山頂近くにある鏡沼の雪解けが、まるで龍の眼のような不思議な形となって進行していくことからそう名付けられました。
厳しい自然環境ゆえ地元の人にもあまり気づかれなかった八幡平ドラゴンアイですが、外国人観光客のSNSにより広められ、今、一大ブームとなりつつあります。

「八幡平ドラゴンアイ」ができるまで

「八幡平ドラゴンアイ」ができるまで

写真:風祭 哲哉

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岩手、秋田両県にまたがる標高1613メートルの八幡平。「八幡平ドラゴンアイ」は、この山頂付近にある「鏡沼」が雪解け時に見せる姿の別名。

冬のあいだ雪にうもれていた鏡沼に雪解け水が流れ込んで、沼の縁から次第に湖面が現れてくるため、やがて中央部に雪の島がぽっかり残った状態になります。

この姿がまるで「龍の眼」のように見えることから「八幡平ドラゴンアイ」と呼ばれるようになりました。八幡平には多くの沼がありますが、このように「ドラゴンアイ」が現れるのは鏡沼のみだと言われています。

「八幡平ドラゴンアイ」ができるまで

提供元:八幡平市観光協会

http://www.hachimantai.or.jp/index.html地図を見る

八幡平ドラゴンアイが現れる時期は、毎年5月中旬から6月中旬のうちの2週間程度。年によって前後はありますが、通常は5月中旬から池の一部輪郭が現れはじめ、5月下旬にドラゴンアイの形になり、6月上〜中旬になると中の島の雪が溶けて、通常の鏡池に戻ってしまう、というイメージでしょうか。

その期間中でも、本当に美しいドラゴンアイの形になるのはわずか数日間のため、運が良ければ見ることができる「神秘の絶景」と言われることもあります。

八幡平ドラゴンアイの本当の完成形は写真のように湖面中央の雪山の中心部だけが解けて、3重になった状態ですが、年によってはこの形ができないままシーズンを終えてしまうこともあります。

2019年も現在の推移では6月上旬頃に見頃を迎えると予想されていますが、見事ドラゴンアイが開眼するといいですね。

「八幡平ドラゴンアイ」までのアプローチ

「八幡平ドラゴンアイ」までのアプローチ

写真:風祭 哲哉

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八幡平ドラゴンアイ散策のベースとなるのは「八幡平山頂レストハウス」。ここまでは「八幡平アスピーテライン」や「八幡平樹海ライン」を使って車でも路線バスでもアクセスすることができます。

「八幡平ドラゴンアイ」までのアプローチ

写真:風祭 哲哉

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八幡平山頂レストハウスから先は徒歩となりますが、「八幡平ドラゴンアイ」までは約15分程度と比較的手軽にアクセスすることができます。

レストハウス前の道路を渡って、県境登山口より山頂方面への遊歩道を5分ほど上ると鏡沼分岐があり、写真のような案内板があります。
ここで「ドラゴンアイ」と書かれた方向に進みます。

「八幡平ドラゴンアイ」までのアプローチ

写真:風祭 哲哉

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そこから先は雪上の道が続きます。八幡平ドラゴンアイのシーズンはちょうど雪解け真っ最中。路上にはまだ雪が残っていますので足元のしっかりした靴が必要です。万一用意のない方は八幡平山頂レストハウスが隣接する八幡平パークサービスセンターで長靴をレンタルすることもできます。

レストハウスを出発して約15分、少し開けた場所に出ると、目の前に「八幡平ドラゴンアイ」が現れます。

天候や積雪状況により表情を変える「八幡平ドラゴンアイ」

天候や積雪状況により表情を変える「八幡平ドラゴンアイ」

写真:風祭 哲哉

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その年の積雪量や雪解けの状況、訪れるタイミングやその瞬間の天気などにより、八幡平ドラゴンアイの姿は変幻自在。その都度その都度違う表情を見せてくれる、といっても過言ではありません。

天候や積雪状況により表情を変える「八幡平ドラゴンアイ」

写真:風祭 哲哉

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特に象徴的なのはこの水の色。
雪解け水として集まってきた水の汚れが沈殿すると、水面は緑がかった透明なブルーになり、なんとも神秘的。この水面が天候や時間によりまた微妙にその色合いを変えていくのです。

天候や積雪状況により表情を変える「八幡平ドラゴンアイ」

写真:風祭 哲哉

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この八幡平ドラゴンアイ(鏡沼)のすぐ近くには「めがね沼」と呼ばれる小さな沼がありますが、このめがね沼の水の色はさらにグリーン。
雪解けが終わると通常の湖沼の色に戻りますが、こちらも自然の神秘を感じますね。

八幡平ドラゴンアイの散策道は鏡沼を半周するように敷かれているため、多少混雑していてもビューポイントは十分に確保ができます。遊歩道から沼へ立ち入ると、雪に覆われているように見えていても沼と地面の境となっている場合があり、危険です。また周辺は高山植物の宝庫ですので、自然環境にも配慮しながらご見学ください。

<八幡平ドラゴンアイの基本情報>
場所:十和田八幡平国立公園 八幡平地域(鏡沼)
電話:0186-31-2714(4月上旬〜11月上旬)/0186-25-8846(11月中旬〜3月下旬)八幡平ビジターセンター、または 0195-78-3500 八幡平市観光協会
アクセス:東北自動車道「松尾八幡平IC」から車で約40分の八幡平山頂レストハウスから徒歩約15分

八幡平トレッキングも合わせて楽しもう!

八幡平トレッキングも合わせて楽しもう!

写真:風祭 哲哉

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八幡平ドラゴンアイを見て、そのまま来た道を引き返すこともできるのですが、せっかくここまで来たのであれば、八幡平の豊かな自然を楽しむトレッキングにも挑戦してみましょう。

八幡平ドラゴンアイ(鏡沼)の道をそのまま上ると10分程度で八幡平頂上へと到着します。頂上展望台からは、雄大な原生林の眺望が楽しめます。
その後、ガマ沼方面へと進むと、5分ほどで八幡沼を望む展望台へ。八幡沼は点在する火口湖で一番大きい沼です。

八幡平トレッキングも合わせて楽しもう!

写真:風祭 哲哉

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八幡沼展望台からは比較的開けた雪原の中を進みます。足元に雪は残っていますが、遊歩道の部分は比較的歩きやすくなっていますので、悪天候でなければ快適なトレッキングが楽しめます。

八幡沼展望台から10分ほど進み、目の前が大きく開けると「見返峠」。晴れていれば岩手県の最高峰、岩手山の見事な姿を望むことができるはずです。八幡平山頂レストハウスの八幡平展望駐車場にも展望台があり、絶景を眺望できます。

見返峠からゴールの八幡平山頂レストハウスまでは15分から20分ほど。こうしてぐるっと一回りしてもトレッキング自体は1時間程度ですので、手軽に八幡平の魅力を楽しむには最適なコースです。

神秘の絶景、「八幡平ドラゴンアイ」にぜひチャレンジを!

八幡平ドラゴンアイは、まさに自然の奇跡がつくりだす神秘の絶景。毎年、いつその最高の姿を見せてくれるのかは直前になるまでわかりません。また当日、どんな表情を見せてくれるのかも気分次第。まるでミステリアスな伝説の美女(伝説のイケメン?)のような存在ですが、それもまた魅力的。

こんなふうに説明されるとどうしても会いに行きたくなっちゃいますよね。そう、だからぜひ会いに行っちゃいましょう!

2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/06/08 訪問

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