挑戦者よ来たれ!最難関の静岡県側・御殿場ルートで富士登山!

挑戦者よ来たれ!最難関の静岡県側・御殿場ルートで富士登山!

更新日:2015/05/25 18:56

静岡県側・御殿場ルートは、標高差・距離ともに最大・最長の最難関の富士登山ルート!
日本一過酷な富士登山駅伝の舞台になることでも知られ、このルートで味わう達成感や喜びは一入!胸を張って「富士山に登った」と、語れること間違いなしです。
もちろん、過酷なだけでなく、富士山の魅力をたっぷり感じられるルートでもあります。

今年の夏は、御殿場ルートに挑戦しませんか?

最難関の御殿場ルートはどんなルート?

最難関の御殿場ルートはどんなルート?
地図を見る

御殿場口新5合目から山頂までの標高差は、約2,300mです。
これは国内でも屈指の標高差で、所要時間(目安)は往路約7時間半(11km)、復路で約3時間半(8.5km)にもなります。

新5合目から15分ほどで到着する大石茶屋から先、所要約4時間(目安)の7合目まで山小屋はなく、ルート上に救護所もないため、登山経験者や健脚の方向けのルートです。登山経験者で健脚の方なら十分日帰りも可能ですが、初めてで不安な方や山頂付近での御来光が目的ならば、山小屋の利用をお勧めします。

御殿場ルートの山小屋は、比較的空いている上に良心的です。宿泊者は、「手作り」で旨いカレーがお替りOKなど、小屋によってもそれぞれ特徴があるのでお勧めです。

■開山期間:7月中旬〜9月中旬
■御殿場ルートの標識の色は「緑」

風化させてはいけない長田尾根の物語

風化させてはいけない長田尾根の物語
地図を見る

剣ヶ峰のシンボルともいうべき富士山測候所。自然の驚異から私達の生活を守るべく、建設、有人観測がなされ、台風観測に威力を発揮しました。
その職員の通勤や物資搬送に、主に使われたのが御殿場ルートです。

厳冬期の大変危険な環境下でも、「強力」(ごうりき)と呼ばれる人達が一度に30kg以上もの生活物資等を背負って運搬していました。その中の一人で、後に気象庁職員として活躍された長田輝雄氏は、厳冬期に御殿場口7合目付近で突風に煽られ殉職。

氏の死後、全国の気象庁職員から募金が寄せられ、尾根上に風から身を守る鉄柵が設置されました。その名も「長田尾根」と名付けられ、以前は尾根上に鉄柵を見られましたが、残念なことに現在は全て撤去され、8合目に「長田尾根登山路建設記念碑」が残るのみです。

測候所に携わる方々のご尽力があったことは、決して風化させてはなりません。このような歴史的な一側面を持つのが御殿場ルートです。

■7合目には長田輝雄氏の供養塔あり

御殿場ルートを初めて歩く方へ

御殿場ルートを初めて歩く方へ
地図を見る

前述のとおり、大石茶屋から先は暫く山小屋がありません。
雷雨に見舞われても逃げる場所はありませんので、天気予報は必ずチェックし、水分・行動食も余裕を持ってお出掛け下さい。

また、砂礫の道が7合目まで続き、慣れないと蟻地獄のようにズルズルと足をとられる上に、晴天の日は照り返しも厳しく、体力を消耗し易いです。こまめに水分摂取し、熱中症や極度の疲労には十分ご注意を。濃霧時には、ルートを見失い易い点も注意が必要です。

とにかく「長い!」と感じますが、登山道からの眺めは雄大! 
それに、登り切った先には、きっと感動をくれる素晴らしい眺めが待っていますよ!

■目安の水分量(ml)=5ml×体重(kg)×行動時間(h)
■写真:白山岳から撮影

天空へと伸びる道!宝永山馬の背

天空へと伸びる道!宝永山馬の背
地図を見る

下山時に是非立ち寄って頂きたいのが宝永山(2,693m)です。
宝永山の馬の背は、まるで天空へと伸びる道のよう。
眼下に広がる景色が素晴らしいのは言うまでもなく、振り返れば口を開けた宝永火口が大迫力!ここは、富士山から富士山を見るベストスポットといっても過言ではないでしょう。

富士宮ルートの下りに宝永山経由をお勧めする理由も、この眺めの素晴らしさゆえです。是非ご自身の目でご覧になって下さい。

但し、宝永山は風の通り道ですので、強風の際は近付かないようにご注意下さい。

御殿場ルートの醍醐味!大砂走りを駆け下りよう!

御殿場ルートの醍醐味!大砂走りを駆け下りよう!
地図を見る

下山時の楽しみは、7合目からの大砂走り。
砂の急斜面を豪快に駆け下りていけるのは、御殿場ルートならではの醍醐味です!
特に、宝永山から下は、フカフカで膝にも優しい。
砂礫の世界が一面に広がる、独特で雄大な眺めも魅力的なルートです。

砂埃が舞うので、顔を覆うもの・ザックカバー・スパッツは必携です。

最後に

御殿場ルートは、マイカー規制がなく、とても空いているのも魅力です。健脚向けのハードなコースではありますが、得られる感動や喜びも一入!

「我こそは!」と思う方は、是非挑戦されてはいかがでしょうか?
きっと良い思い出になりますよ!

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -